吉田寮入寮選考委員会です。吉田寮は新規に入寮を希望する、京都大学の学籍を有する者及びその者との切実な同居の必要性のある者に対して、2023年春期入寮募集を実施します。以下が、2023年春期募集要項となります。
※今年の入寮募集は、2015年築の新棟(西寮)のみへの受け入れとして行います。
入寮を希望する方は以下の入寮願を記入の上、吉田寮まで直接お越しください。
吉田寮入寮選考委員会です。吉田寮は新規に入寮を希望する、京都大学の学籍を有する者及びその者との切実な同居の必要性のある者に対して、2023年春期入寮募集を実施します。以下が、2023年春期募集要項となります。
※今年の入寮募集は、2015年築の新棟(西寮)のみへの受け入れとして行います。
入寮を希望する方は以下の入寮願を記入の上、吉田寮まで直接お越しください。
京都大学 教育、学生担当理事 兼 副学長 平島 崇男殿
京都大学 役員会御中
吉田寮自治会
2023年1月15日
吉田寮自治会は、本日2023年1月15日時点での京都大学学生担当理事である平島崇男殿、そして京都大学の役員である皆様へ以下の通り要求します。2023年3月31日までに回答してください。なお、やむを得ない事情により期限までに回答できない場合は、その理由と共にいつまでに回答できるかを吉田寮自治会までお知らせください。
・吉田寮自治会と歴代役職者が締結してきた確約を引き継ぐこと
吉田寮自治会とは、吉田寮に居住する全寮生によって構成される自治組織です。
ここでいう歴代役職者とは、主に寮自治会との団体交渉において京都大学当局の代表者として登場し、確約書に押印してきた人物群を指します。大学法人化以前は学生部長が、法人化以降は副学長と学生担当理事を兼任している者がそれにあたることが多く、現在は平島崇男副学長が該当するものと思われます。
確約とは、吉田寮自治会と京都大学の間で取り決められた約束事、及びそれを文字に起こしたものに各主体の代表者が署名・押印して成立する文書のことを指します。確約は基本的に団体交渉の結果結ばれるものであり、「特定の議題に関して交渉の結果得られた合意事項を確認するもの」と「寮自治会と大学当局の関係のあり方や抽象的な方針などの確認事項も含む包括的なもの」の2種が存在します。今回引き継ぎを求めるのは後者のうち最新のもの(杉万元副学長と2015年2月12日に締結された確約、以下「150212確約」と記述)です。150212確約を含む全ての包括的確約の最終項には「吉田寮自治会と確認した本確約の全項目について、次期の副学長に責任をもって引き継ぐ」という文言があり、今回の要求は150212確約のその条項に則ったものです。
当然ながら引き継ぐとは内容を承認することを含みます。事情や環境が変わって合意の内容を変更する必要性に迫られたのであれば改めて話し合いの場を開いてそのことを述べ、相手と合意に至る努力をすべきであり、両者が合意し署名までした事項について一方的に無視することは自身の社会的信用を毀損する行為と言えるでしょう。また形式的には、今回引き継ぎを求める150212確約の最終項にある「次期の副学長に」引き継ぐという文言が達せられるには川添信介・元副学長に引き継がれることが必要不可欠でした。しかし実際には川添氏にこの確約が引き継がれることはなく、川添氏の副学長就任以降確約の引き継ぎが断絶しています。そこで吉田寮自治会は、平島現副学長への引き継ぎを以て150212確約における最終項の理念が遡及的に達せられ、自治会と京都大学当局の間の関係の回復が図り得るものと考え、今回の声明にて平島氏への確約引き継ぎを求めています。
「2.用語解説」の「確約」の項にて確認した通り、包括的確約はその最終項に当たる引き継ぎ条項によって次期担当者への引き継ぎをその内容に含んでいます。実際2014年就任の杉万元副学長の代までは新しい副学長の就任とともに引き継ぎのための団体交渉が行われ、先代の副学長と交わされた確約について全ての内容を確認した上で新たな包括的確約が結ばれてきました。しかし、杉万氏に代わり2015年に就任した川添元副学長は団体交渉への出席を拒絶し、それどころか過去に締結された確約書は「半ば強制されて」成立したもので「本学の正式な機関決定を経て署名されたものではな」いため無効である、と主張しました[1]。川添氏のこれらの言動についてはかねてより批判している通り[2]ですが、今回確約の引き継ぎを考えるにあたって重要となるのは川添氏が無視したからといって確約の有効性が損なわれることはないという点です。「2.用語解説」で先述した通り確約とは吉田寮自治会と京都大学当局の二者が代表者を通して結んだ合意であり、その内容を否認するのであれば改めて二者の合意をとりもつための公開の話し合いの場を設けるべきであると言えるでしょう。話し合いを公開の場で行うのは、双方の間に存在する大きな権力差を僅かなりとも緩和し、また吉田寮に関係・関心をもつ多様な当事者[3]を話し合いの場から排除しないためです。実際2015年までの数十年間にわたり、この公開の場での話し合いを通して寮自治会と大学当局は合意形成をはかり、吉田寮食堂の補修・新棟の建設(2012年に確約締結、15年に完了)など、吉田寮の運営に関する問題についてともに取り組んできました。確約を否定した川添氏は確かに京都大学側の責任者ではあったものの、川添氏の任期中に確約を更新する(あるいはを破棄する)ような何らかの合意が結ばれたという事実はなく、結果として150212確約は現棟食堂明渡請求訴訟が継続中である現在も有効なままです。
さて、形式的に「引き継ぐ・引き継いだ」旨を寮自治会に伝えるだけでは、引き継ぐことの意味をなしません。これは確約を引き継ぐにあたっては過去の確約を文字上で認めるだけでなく、その内容をどう解釈するかについても吉田寮自治会と京都大学当局との間で合意し、現状に即した新たな確約を締結することが必要であるためです。確約の引き継ぎとは、合意形成のプロセスを引き継ぐことを含意するのです。150212確約が締結されてから8年が経過しようとし、寮自治会・大学当局の双方を取り巻く環境が変化している現在、双方にとって納得できる内容をもって合意を結ぶ必要があります。従って、現状の両者のスタートラインとなる150212確約の各条項についてその意味するところを相互に確認し、認識の食い違いのあるところは擦り合わせ、その上で新たな確約の内容について合意を目指すための話し合いの場が必要になります。なお、私たちは新型コロナウイルス感染症が流行している現状においては、オンラインツールを利用するなど感染症対策に留意し多くの人が参加できるように開かれた形での新たな話し合いの形式についても、寮自治会・大学当局の双方で協力して模索したいと考えています。
この項目では、前項以前の各所で触れてきた150212確約の内容―とりわけ現在にも適用され得る重要な項目―について確認します。確約の全文については吉田寮公式ホームぺージに掲載されている[4]のでそちらを参照してください。
[解説]
150212確約の第一項に設定されているこの項目は二つの部分、すなわち⑴合意による寮運営と⑵団体交渉への応答によって成り立っています。
これまで吉田寮自治会は、寮生など当事者間の「話し合いの原則」を軸としながら、差別や抑圧を可能な限り減らし学生の学ぶ権利を確保することを目指して京都大学の学生寮として責任ある自治を担ってきました。性のあり方や国籍による入寮資格の制限を撤廃し、福利厚生の門戸を吉田寮自治会が主体的に広げてきたことは、その一例です。
他方、大学執行部が一方的に寮のあり方を決め、その決定を居住者である寮生に押し付けることは、学生の生活実態にそぐわない、福利厚生施設として不適切な運営を招きかねません。実際、京都大学内の他寮において近年寮費の大幅な値上げが行われ、また当局が管理する留学生寮では在寮年数等が厳しく制限されている現状があります。
多様な背景・属性を有する当事者が、互いに納得できる結果を得るための「話し合い」というプロセスを経由して初めて、吉田寮は福利厚生施設として十全にその役目を果たすことができます。大学執行部の定める画一的な方針に従った管理・運営では捉え切れないさまざまな課題を克服できる点にこそ、学生自治寮の長所は存在します。逆に言えば吉田寮の管理・運営に際して、寮自治会など当事者の意思が尊重され、当事者との対話と合意形成の上で決定されるのでなければ、福利厚生施設として十分な機能を保持できているとは言えません。つまり、「合意による寮運営」は福利厚生施設としての吉田寮を成立させるための必須条件と言えるのです。
前項「3.背景」にて詳述した通り、吉田寮自治会と京都大学当局は2015年に至るまで数十年にわたって団体交渉という話し合いの場をもつことによってさまざまな課題を乗り越えてきました。これは団体交渉という形式が寮運営における問題解決に有効であることの証左であり、その有効性は現在でも変わらないと考えられます。当事者の全員が主体的に参加することのできる形での話し合いでなければ、上述した合意による寮運営は有名無実化されてしまいます。従って「団体交渉への応答」もまた、現在も変わらず重要な合意事項であり続けていると言えます。
現在吉田寮現棟及び食堂は京都大学を原告とし、合計45名の寮生・元寮生を被告とする明渡請求訴訟の対象となっています。学生寮に対する公式窓口である教育推進・学生支援部厚生課に話し合いをしたいと申し出ても「係争中の案件なので話し合いはできない」という回答しか得られず、また学生寮管理を管轄する第三小委員会に繋いでほしいと問い合わせたところ「第三小委員会の議場で吉田寮について扱うことはない」という回答が第三小委員会による議論を経ることなく厚生課窓口から返って来ました。
しかし我々はそれでも話し合いは可能であり、また必要であると考えています。いわゆる「吉田寮問題」は単に訴訟の勝敗にて決着することはなく、最終的には当事者である寮自治会と大学当局とが互いに納得し合意を結ぶのでなければ真に解決されたとは言えません。私たちは京都大学当局が吉田寮の運営に関する話し合いを再開し、再び合意に基づいた寮運営に戻ってくることを切に願っております。
[解説]
ここでは、本文に記す「吉田寮現棟の老朽化対策」に限って解説します(新規寮の建設については、項目12の解説を参照のこと)。
2017年12月19日、大学当局は「京都大学」文責で『吉田寮生の安全確保についての基本方針』を発表しました。この発表は、寮自治会と大学当局との間の補修案の検討がなされていないままになされています。この補修案の検討をめぐって、寮自治会からは再三にわたって話し合いの再開の要求を行ってきました。それにもかかわらず、当時の大学当局はこれに応じておらず、加えてこの『基本方針』で「現棟の老朽化問題は未解決のまま残された」と記しています。『基本方針』で記されているこの主張は、150212確約以降、この「項目2」の引き継がれることがなかったがゆえに成立しています。
この「現棟の老朽化問題」について、大学当局と吉田寮自治会には認識の相違があります。吉田寮自治会は現在の大学当局に、『基本方針』で言及されるところの「現棟の老朽化問題」について、認識をすり合わせる努力をしていくことを強く要求します。
[解説]
前項「項目2」解説でも確認した『基本方針』で、当時の大学当局は「本学はすでに昭和50年代から吉田寮現棟の危険な状態を認識し」ていると主張しています。2015年に大学当局はこの「危険な現棟に居住する学生がこれ以上増えることを避けるため、吉田寮自治会に対して入寮募集の停止を要請し」ています。この『基本方針』ではこの要請に加えて、安全確保を理由に「吉田寮現棟に学生を居住させ続けることはもはや許されず、可能な限り早急に学生の安全確保を実現することは〔……〕最重要かつ喫緊の課題の一つである」と認定しています。これを踏まえて、大学当局は「平成30年9月末日までに、現在吉田寮に入舎しているすべての学生は退舎しなければならない」と結論づけています。
しかし、寮自治会は現在、段階的な改修が可能―つまり全面的な寮生の退去を必要としない―、かつ現在の構造や規模を維持できる改修案として、次の3案を検討しました。
吉田寮自治会は、大学に対しこれらの案を2018年7月の「少人数交渉」で提示しました。この「少人数交渉」において「大学当局でも検討し寮自治会にフィードバックを行う」ことが確認されています。
この「少人数交渉」にもかかわらず、大学当局は『吉田寮の今後のあり方について』[5]を公表し、「基本方針を実施する過程において、吉田寮自治会による吉田寮の運営実態が到底容認できないものであることを認識」したと述べた上で、次のように主張しています。「この不適切な実態は、学生寄宿舎設置以来の種々の歴史的経緯があるとはいえ、時代の変化と現在の社会的要請の下での責任ある自治には程遠く、学生寄宿舎である吉田寮を適切に管理する責務を負う本学にとって、看過できないものである。」これに付随するテキストとして、川添氏は厚生補導担当副学長名義で以下のように述べています。「「吉田寮自治会」名で活動し、平成31年1月17日に執行された占有移転禁止の仮処分の対象となった寮生の団体については、危険な吉田寮現棟に居住する寮生を増やし続けたことなどの行為・言動に鑑みて、同様の無責任な行為・言動を改め責任ある自治を実現させない限り、本学は〔……〕詳細に係る今後の検討のための話し合いには応じられない。」[6]このように「話し合いに応じ」るとはしながらも大学当局側から一方的にその条件を提示し、寮の利害関係者を代表する寮自治会との交渉を避けるという大学当局の姿勢は、『基本方針』発出から『吉田寮の今後のあり方について』に到るまで連続しているものです。居住者の安全確保を目指した寮自治会側からの対案があるにもかかわらず、同じ安全確保を理由に大学当局が補修案を斥け続けているということが現状です。
もとをただせば、これらの対案をもとにした折衝は、150212確約が引き継がれなかったがゆえに止むを得ず試みられたものに他なりません。150212確約が連綿と寮自治会・大学当局の合同で解釈され、かつ現在的な確約へと更新していく作業がなされ、かくてこの確約が次期の副学長に引き継がれたのであれば、このような齟齬は起こらなかったと言えます。『吉田寮の今後のあり方』では、吉田寮現棟の供用に関して「安全確保に加えて収容定員の増加や設備の充実等を図りうる措置」を講ずるに際し、「現棟の建築物としての歴史的経緯に配慮することとする」と述べられていますが、これは寮自治会側が提示した「居住棟漸次建て替え案」に符合するものです。こうした符合にもかかわらず一致点を見出せなかったのは、大学当局が寮自治会との話し合いに応じてこなかったからではないでしょうか。寮生の安全確保のあり方について、現在の状況に即した新たな「基本方針」を寮自治会・大学当局の合意のもとで形成していくことが求められます。
[解説]
ここでは主に吉田寮新棟建設の経緯やこの条項自体の重要性について述べます(合意による寮運営や団体交渉への応答については項目1の解説を参照のこと)。
現存する吉田寮新棟は、吉田寮自治会と京都大学当局との間の話し合いの成果のうち近年における最大のものと言えるでしょう。2012年9月18日に赤松明彦・元副学長が署名した確約[7]にて確認された吉田寮新棟(当時はA棟と呼称)建設についての合意は、吉田寮現棟の老朽化対策として長年望まれていた新棟建設についての交渉が老朽化対策に意欲的であった赤松氏の副学長就任とともに発展したことによって成立しました。そして新棟の建設以降、当項目に記載のあるように大学当局は吉田寮現棟のみならず新棟の運営も吉田寮自治会に委任するようになります。これは、大学当局が項目1の解説にて述べたような「話し合いを原則とする自治会による寮運営の意義」を認めたということにほかなりません。そのためこの項目は、吉田寮自治会の存在意義を京都大学当局が認めた条項として重要であると考えられます。
[解説]
「2.用語解説」の「引き継ぐ」の項を参照のこと。
前項「3.背景」でも確認したように、この確約の引き継ぎは、文字上で確約文書を次期の副学長に渡すだけではなく、その内容の解釈を双方で擦り合わせ、その時の現状に即した新たな確約を結ぶことを含めて行われなければなりません。本項目17で書かれている「責任をもって」とは、この実践的な面をも含めた引き継ぎがなされなけばならないということを含意します。すなわち、形骸的に文書を次期の副学長に渡すだけではなく、その解釈が現在どうなりうるかを検討する作業を、当期の副学長は次期の副学長に要請しなければなりません。
当声明にて度々言及されている川添氏の発出した『「吉田寮生の安全確保についての基本方針」の実施状況について』に対する詳細な反論については、以下の声明を参照のこと。
[1] 2018年8月28日 川添信介理事『「吉田寮生の安全確保についての基本方針」の実施状況について』
[2] 2020年10月1日 吉田寮自治会『2020年10月からの京都大学役員一同への要求書』などを参照。
[3] ここで「当事者」という言葉を用いているのは、吉田寮に関係する主体は居住者である寮生だけではなく、寮籍の有無にかかわらずさまざまな関わり方をする「寮外生」もまた吉田寮という環境を形成する一員であるという事実を強く意識するためです。京都大学の学生寄宿舎である吉田寮に居住できるのは寮生のみですが、吉田寮が外界と切り離されて存在するわけではない以上、寮生だけを利害関係者として見なすことはさまざまな軋轢を生みます。
[4] https://www.yoshidaryo.org/kakuyaku/
[5] 2019年2月12日 京都大学『吉田寮の今後のあり方について』
[6] 2019年2月12日 川添信介理事『現在吉田寮に居住する者へ』
[7] この確約では、主に①現寮の処遇は補修の意義を踏まえた上で継続協議していくこと、②新棟を木造と鉄筋コンクリートの混構造で建設すること、③寮食堂を補修することの3点が合意されました。つまり新棟の建設・寮食堂の補修と並行して現棟(当時は現寮と呼称)の処遇に関しての議論を進めていくことが確認されたのであり、川添氏が『「吉田寮生の安全確保についての基本方針」の実施状況について』にて述べた「本学は、止む無く平成 24 年 9 月に、現在の新棟の新築と旧食堂棟の改修のみを行うこととした」という歴史認識は誤っていることがわかります。
吉田寮における新型コロナウイルス感染者について
吉田寮新型コロナ対策委員会
2022/12/22
2022年12月22日現在、寮内で5名の新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されています。感染した寮生及び濃厚接触者に関しては、個室隔離と共有スペースのゾーニングを行った上で、それぞれ療養中です。
これに伴い、通常行っている吉田寮内の見学・案内は一時停止とさせていただきます。感染症拡大防止のため、ご協力をお願いします。
今後寮内の感染状況が変わり次第、同様の声明にてお知らせいたします。
※2023年1月5日追記:現在寮内の感染者・濃厚接触者は0人となり、通常の体制に戻っております。見学・案内も普段通り対応しております。感染拡大防止のご協力、ありがとうございました。
京都大学
学生担当理事・副学長
村中 孝史 殿
吉田寮自治会
2022年9月5日
「『吉田寮自治会』名義の入寮募集について」に対する抗議声明
京都大学学生担当理事・副学長村中孝史氏は2022年9月1日、京都大学公式HP上において「『吉田寮自治会』名義の入寮募集について[1]」なる文書(以下、当該文書)を発出した。当該文書は複数の誤解を招く表現・誤謬を含むため、本自治会はこの文書について撤回を求めるとともに、京都大学当局に対して強く抗議する。
(「基本方針」について)
当該文書において村中理事は、「吉田寮生の安全確保についての基本方針」(以下、「基本方針」)に吉田寮自治会が従わないことを以て非難しているが、これがそもそも見当違いである。「基本方針」は、大学当局と吉田寮自治会が積み重ねてきた合意文書である確約書において、「吉田寮の運営について一方的に決定せず、自治会と話し合い、合意のもとに決する」と定められていることに反するものであり、無効なものであると本自治会は指摘し続けてきた。つまり、「基本方針」で求める寮生の退去は、正当性のない大学当局の一方的な主張に過ぎないのであり、それに従わないことを以て本自治会を非難するのは、単なる誹謗中傷である。
その上、本自治会は、現棟の老朽化対策のための一時的な退去を含めた包括的かつ建設的な提案を大学当局に対して行った[2]。こうした提案をも却下して訴訟を起こし、現棟の老朽化対策すなわち寮生の「安全確保」を遅延させているのは、大学当局の方である。こうした点を捨象した当該文書は、吉田寮についての誤った情報を流布する印象操作と言わざるを得ない。
(入寮募集について)
本自治会が行う入寮募集は、2015年に大学当局と本寮自治会において結ばれた確約に基づいて実施している。この確約とは大学当局と本自治会との間で交わされた合意文書のことであり、入退寮選考権が本自治会に帰属することについての合意は1971年に浅井学生部長(当時)と交わされた確約以来引き継がれ続けてきた。最新の確約の内容を改訂する新たな確約が結ばれていない以上、この合意は今も有効であり、したがって本自治会の行う入寮募集は京都大学当局との合意に基づく正当なものである。当該文書はこの事実を無視し、あたかも本自治会が根拠なく入寮募集を行っているかのような表現を行っているが、これは事実に即していない。
また、本自治会の行う入寮募集について「無責任」と形容するにあたり、もし仮に入寮に社会的・物理的危険が存在し得るということを指しているのであれば、これは不当であるだけでなく悪質かつ不誠実な言及である。訴訟により学生の住環境を脅かし、また大学当局と寮自治会との間で結ばれた確約によって定められた「吉田寮の補修」を行わず補修サボタージュによって吉田寮現棟の老朽化を促しているのは大学当局であるにも関わらず、本自治会に責任転嫁することは、それこそ「到底容認できない」ことである。
(訴訟について)
2019年、大学当局は本寮を構成する建築物の一部を対象として明渡請求訴訟を提起しており、現在裁判が進行中である。この訴訟に関しては、本寮の運営について一方的な決定を行わないとした確約に反しており容認できず、本自治会は一貫して訴訟の取り下げを求めている。
さて、現在吉田寮に居住している本自治会構成員について、進行中の訴訟における債務者[3]は吉田寮現棟への居住を確認された者であり、その現棟居住を妨げる法的な制限は現状存在しない。にも関わらず、上述した文書のような形で本自治会構成員の行いについて「不法」であると表現することは事実に即しておらず、また多大な誤解を生じさせるという点からやはり悪質かつ不誠実である。
また、本自治会は2022年秋期入寮募集を行う旨を本寮公式HP[4]上にて発表しているところであり、2019年春期以降の入寮募集は上記訴訟とは関わりのない本寮西寮(2015年竣工)に限って実施すると公表している。村中理事が何をもって「不法」と断定しているのかは不明だが、少なくとも吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟の対象となっていない本寮西寮への居住・新規入寮が「不法」であると表現される根拠は存在しないはずである。西寮の存在を隠蔽し、本自治会への事実無根の偏見を助長するこのような文書は再三述べているように悪質かつ不誠実なものである。
(入寮募集の責任について)
以上を鑑み、当該文書は、「不法」というワードによって、本寮への入寮を考える者に対して危機感を煽り、入寮への道を閉ざすことが目的であると推察される。一般に学生寮が学生の福利厚生施設であることは言うまでもないが、その福利厚生を享受できる学生数をこのような形で大学当局自らが減じている事態を、本自治会は深く憂慮している。大学当局が現棟の具体的な老朽化対策を含めた将来的なプランを示さないまま無責任にも寮生を退去させようとする中、本自治会には福利厚生施設維持の観点から入寮募集を継続し、未来の学生に対しても福利厚生施設の門戸を開く責任がある。
(最後に)
本自治会は当該文書の撤回を求めるとともに、このような形での寮運営の妨害を止めるよう抗議する。大学当局が第一に行うべきことは確約に基づいた寮自治会との交渉の再開であり、合意形成を経ずにこのような文書を発出することのないよう再度要請する。
[1]https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2022-09-01-0
[2]2019年2月20日「吉田寮の未来のための私たちの提案」https://www.yoshidaryo.org/archives/seimei/495/
[3]2019年1月・3月に京都地裁により執行された占有移転禁止仮処分による。
[4]https://www.yoshidaryo.org/
2022年9月6日
吉田寮自治会
2022年8月5日、吉田寮自治会は京大役員会に「現棟の老朽化対策に向けた話し合いの再開と、現棟の継続的補修を求める要求書」を提出しました。また合わせて、これ以上大学当局が現棟の補修を拒否するならば、寮自治会として現棟の維持管理のための小中規模の補修を自分たちで行わざるを得ないこと、具体的には業者委託による現棟の屋根の修繕を予定していることを伝えました。
これに対して9月1日、大学当局より回答がありました。しかしその内容は、「2018年台風被害により応急処置として設置したブルーシートについては、その役割を果たせていない現状が確認できたならば、再度ブルーシートを設置することを考慮しますが、その他の現棟の補修を行うことはありません」とし、さらには「大学の所有・管理する施設を許可なく補修する行為は認めません」と寮自治会による自力補修もやめるように、という大変理不尽なものでした。
大学当局が「寮生の安全確保」を唱えておきながら、現棟の老朽化対策を棚上げにし続けていること、従来行ってきた現棟の維持管理のための小・中規模の補修すらをも怠り意図的に現棟の老朽化を進めていることに、強く抗議します。
大学当局の回答とそれに対する寮自治会の応答について詳しくは、2022年9月6日付け声明『「現棟の老朽化対策に向けた話し合いの再開と現棟の継続的補修を求める要求書」への2022年9月1日付けの大学当局の回答に対する声明』を参照ください。
吉田寮自治会は、吉田寮の自治自主管理を行う立場から、これ以上京大役員会が現棟の維持管理をサボタージュする状況を看過することはできません。大学が現棟の補修を行わない以上、現棟の福利厚生機能を維持し、将来的な補修存続の可能性を絶たないため、自分たちでも補修を行わねばならないと考えます。大学当局は自力補修を「無責任」な行為だと言いますが、自らが補修義務を放棄しながら当事者による自力補修すら認めないことほど無責任な話もなく、到底受け入れられる主張ではありません。
よって私たちは今回、予定していた現棟の屋根の自力補修(業者委託)を行うこととします。具体的な補修の内容については、8月5日付の声名「吉田寮現棟の補修に関する京大役員会への要求書提出と、現棟屋根の自力補修計画について」を参照ください。
しかし繰り返しますが、本来福利厚生施設である吉田寮の補修は大学の責任において行われるべきです。また私たちが今回行う補修はあくまで、抜本的な老朽化対策を行うまで現棟を維持管理するための、最低限の修繕・応急処置にとどまります。大学役員会に対しては、引き続き、現棟の抜本的老朽化対策に向けた吉田寮自治会との話し合いを速やかに再開すること、それまでの間、現棟の適切かつ継続的な補修を大学の責任において行うことを、要求します。
今回予定している自力補修には最大1,118,040円がかかる見積もりであり、吉田寮自治会の財政のみで実施していくことは困難です。吉田寮自治会の主張に賛同いただける皆さまには、もし可能であれば、補修費用のカンパをお願いいたします。
今回いただいたカンパは現棟の屋根の自力補修のために用います。同口座に振り込まれる別の用途のカンパとの区別のため、お手数をお掛けしますが、カンパの際には用途指定の明記をお願いします。また同意が得られる場合は、カンパをいただいた方のお名前・ご所属を吉田寮公式サイト上にて公開させていただければと思います。詳しくは、下記の「カンパの仕方」をご覧ください。
なお、もしも今回予定している屋根の自力補修に必要な費用を上回る額のカンパが集まった場合は、今後必要となるその他の現棟の自力補修のために使用させていただきます。吉田寮の存続に向けて何卒ご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
〜カンパの仕方〜
下記の振込口座へ、A)払込取扱票か、B)その他の方法で振込ください。
振込口座:ゆうちょ銀行/吉田寮在寮期限対策局/店名:四四八/店番:448/種目:普通預金/口座番号:4373830
A)払込取扱票で振り込む場合
通信欄に「現棟補修のため」と記載してください。また吉田寮公式サイト上での名前の公開が可能な場合は「公開可」と記載し、さらに「公開する名前と所属など」を記載してください。通信欄を使用せずに、下記のメール送付に代えても構いません。
B)払込取扱票以外の手段で振り込む場合
吉田寮自治会(yoshidaryo.jichikai@gmail.com)宛にメールを送ってください。件名には「現棟補修のためのカンパ」と記してください。メール本文には「現棟補修のためのカンパを振り込んだこと」と「振込日」と「振込名義」を記載してください。また「吉田寮公式サイト上での名前の公開可否」と、公開可能な場合は「公開する名前と所属など」を記載してください。
2022年9月6日
吉田寮自治会
2022年8月5日、吉田寮自治会は京都大学役員会に宛てて「現棟の老朽化対策に向けた話し合いの再開と現棟の継続的補修を求める要求書」(以下「220805要求書」)を提出し、吉田寮現棟の抜本的老朽化対策に向けた話し合いの再開と、現棟を維持管理するための小中規模の補修の継続を要求しました。また大学当局が補修を拒否し続ける場合、寮自治会として現棟を維持管理するための小中規模の補修を独自に行わざるを得ないこと、具体的には居住棟の屋根の修繕を予定していることを伝えました。
要求書の回答期限である8月12日、京大教育推進学生支援部厚生課窓口より、時間的制約により回答できないとの返答を受けました。これを受け寮自治会は回答期限を8月22日まで延長しました。8月24日に厚生課窓口を訪ねたところ、「8月末に過半数の役員が集まる場において220805要求書を咨る」という内容の回答を受けたため、寮自治会は役員会の回答を待つことにしました。
その結果、2022年9月1日、教育推進学生支援部厚生課よりメールで「要求書に対する回答」だとして、「回答」なる文章(以下「220901回答」)を添付ファイルの形で渡されました。本文章には、後述のとおり回答者名が記されていませんが、上述の厚生課職員の発言から、役員らの協議を経て提出された京都大学役員会としての回答であると解します。
=======220901回答全文=======
吉田寮 御中
京都大学が所有・管理する吉田寮には、現在、居住を認めておりません。
現棟における2018年台風被害により応急処置として設置したブルーシートについては、その役割を果たせていない現状が確認できたならば、再度ブルーシートを設置することを考慮しますが、その他の現棟の補修を行うことはありません。いずれにしても現棟については耐震性能を欠く危険な状態ですので直ちに退去して下さい。また、新棟についても躯体にかかる補修以外を行うことはありませんので、新棟に居住する者にも、寮からの速やかな退去を求めます。
また、大学の所有・管理する施設を許可なく補修する行為は認めません。独自の補修は危険も伴いますので、無責任な行為は厳に慎むよう求めます。
吉田寮自治会は220901回答を受けて、以下の通り表明と、京大役員会への再要求を行います。各項目について詳細は後述します。
1、220901回答には執筆者名が記されておらず、無責任です。本回答について責任をもつ主体を明らかにすることを要求します。また220805要求書をどのような場で検討し、どのような議論を行ったのか、討議内容(議事録など)の開示を求めます。
2、220805要求書で要求した2項目の内、第一項「現棟・寮食堂明け渡し請求訴訟を取り下げ、現棟老朽化対策に向けた吉田寮自治会との協議を再開すること」について回答がありません。改めて老朽化対策についての話し合いの再開について、役員会としての見解を求めます。
3、現棟は京都大学の福利厚生施設であり、京大当局が維持管理のための補修すら拒否するのは不当であり抗議します。
4、大学当局が補修を拒否し続ける中、これ以上寮自治会として現棟の老朽化を黙って見過ごすことはできません。現棟の福利厚生機能を維持し、将来的な補修存続の可能性を絶たないため、吉田寮自治会として現棟の自力補修に着手します。
この点について220901回答は、独自の補修を認めないと述べていますが、自らは何らの理由なく補修を拒否しておきながら、寮自治会が行う補修すらやめさせようというのはあまりに理不尽であり、受け入れることはできません。
5、2018年に台風被害の応急処置として設置され現在劣化しているブルーシートについて、220901回答は「再設置を考慮する」と述べました。しかしこれまで寮自治会の再三の要求にもかかわらず放置されてきた経緯を鑑みると、大学当局に委ねた場合に果たして本当にブルーシートが適切に再設置されるのか疑問を持たざるを得ません。
そのため、今回独力での再設置を予定していた北寮居住棟のブルーシートについては、吉田寮自治会として再設置を行うこととします。一方北寮居住棟以外の箇所のブルーシートについては大学当局が早急に確認・再設置を行うことを求めます。
6、220901回答は、現棟は耐震性を欠いているため寮生は立退くようにと述べています。しかし吉田寮自治会は、現棟の老朽化は法的に立ち退きを強要できるほどではないと考えています。
その上で、安全確保のためには現棟の老朽化対策を行い安全性・耐震性を高めることが根本的な解決策です。ところが2015年以降、大学当局はそれまで積み上げてきた現棟老朽化対策の議論を白紙化し、自らはなんらの代案を示すこともせず、寮自治会の補修要求を退けています。そのような状況で、安全確保のために立ち退けというのは矛盾しています。大学当局が老朽化対策を棚上げにしたまま寮生の立ち退きに執着しているのは、現棟・吉田寮の今後のあり方について決定するプロセスから吉田寮自治会など当事者を締め出して、執行部の独断で現棟を取り壊したり、福利厚生施設・自治空間としての質を大きく損なう形で吉田寮を解体再編することが意図されているのではないか、という不安がぬぐえません。大学当局には、寮生の一方的な立ち退き強要を取り下げ、話し合いのもとに問題解決をはかることを求めます。
220901回答には執筆者名が記されておらず、本回答について責任をもつ主体が曖昧にされています。大学当局はこれまでにも、過去に学生担当理事との間で結ばれた確約書について「理事個人が約束したものに過ぎないため無効である」などといった事実に反し無責任な見解を示してきました。ましてや今回のように責任主体が明示されない回答では、より酷い責任逃れが行われる可能性が高いです。
したがって、本回答についての責任主体をきちんと明示することを求めます。なお冒頭に述べたとおり、本回答の経緯として役員会の協議を経ていることはすでに確認済みですが、改めて220805要求書をどのような場で検討しどのような議論を経て本回答に至ったのか討議内容(議事録など)の情報公開を求めます。
今回220805要求書で吉田寮自治会から要求したのは以下の2項です。
1、現棟・寮食堂明け渡し請求訴訟を取り下げ、現棟老朽化対策に向けた吉田寮自治会との協議を再開すること。
2、抜本的な老朽化対策を行うまでの間、吉田寮自治会と協力して、継続的に適切な現棟の修繕を実施すること。
このうち「2」に対しては今回、ブルーシートの再設置を除いて一切対応しないとの回答が得られました。この問題については後述します。
一方「1」について、220901回答では一切言及していません。そもそも役員会が問題にしている「耐震性の問題」を生んでいる原因は、役員会が2015年以来、現棟の抜本的老朽化対策についての話し合いを白紙化し、以来寮自治会が提出している現棟改修案を無視し続けていることにあります。現棟の老朽化対策に向けた話し合いの一刻も早い再開について、役員会として回答することを改めて要求します。
220901回答において、京大当局はブルーシートの再設置を除いて一切の現棟の補修に対応しないとしました。しかしその理由は一切説明されていません。
吉田寮現棟は木造建築であり、屋根の修繕など小中規模の継続的補修を行うことで非常に長期間にわたり使い続けることができます。現棟の福利厚生施設としての機能を維持し、将来的な補修存続の可能性を絶たないためには、小中規模の継続的な補修が必要不可欠なのです。まして京大当局は現棟の老朽化対策や今後の取り扱いについて何ら具体的なプランを示していないのですから、もし仮に現棟に寮生が居住していなかったとしても、現棟の維持管理を行う責任があるはずです。
以上より、京大当局が現棟の小中規模の補修を拒否するのは明らかに不当であり、再考を求めます。少なくとも補修を拒否する理由を説明するべきです。
上述の通り、現棟の維持管理のための小中規模の補修は、本来大学当局が責任をもって行うべきです。しかしその上で大学当局が補修を拒否し続ける以上は、寮自治会として、福利厚生機能を維持し、将来的な補修存続の可能性を絶たないために、必要な修繕や応急処置を行わざるを得ないと考えています。
ところが220901回答は「大学の所有・管理する施設を許可なく補修する行為は認めません。」とし、寮自治会として現棟の自力補修を行うことを「無責任な行為」であり「厳に慎むよう」にと述べました。
当局自らは、現場確認すらせずに補修することを拒否し、その上当事者が必要に迫られて独自に補修を行うことすらやめさせようというのは、あまりに理不尽です。まるで京大当局は、現棟の老朽化が進んで、寮生を強制的に立ち退かせやすくなること、現棟の補修存続が不可能になることを待ち望んでいるかのようです。大学当局は独自の補修が「無責任」だと言って非難しますが、必要な補修を行わずただ老朽化を進行させることの方がよほど無責任ではないでしょうか。
また京大当局は「独自の補修は危険も伴いますので、」としていますが、今回吉田寮自治会が予定している屋根の補修は、寮生が屋根に登って補修するのではなく、瓦店に依頼して、足場の設置など各種安全対策を施した上でプロの職人が行う補修工事です。「独自の補修は危険」だと断定する根拠はありません。もしも京大当局が監修しなければ問題があるというならば、当局が責任をもって補修に取り組むべきであり、それを一切放棄して寮生が自力補修を行う必要に迫られる状況を作りながら、根拠もなく「危険も伴いますので、無責任な行為は厳に慎むよう求めます」というのは不条理です。
私たちは、吉田寮の自治運営を担い続けてきた立場として、吉田寮現棟をきちんと維持管理し将来へと繋げる責任の一端を負っています。それゆえ、これ以上現棟の維持管理を当局がサボタージュする状況を黙って見ているわけにはいきません。福利厚生施設である吉田寮の補修のための経済的負担が寮生らにしわ寄せされるのは甚だ遺憾ですが、寮自治会として独自での補修を行います。念のため付け加えますが、本件補修は現棟の抜本的老朽化対策を行うまでの間、現棟を維持管理するための最低限の修繕・原状回復であって、建物に手を加えるような増改築ではありません。
もちろん今回屋根の自力補修を行うからと言って、本来大学当局が補修を行うべきとの考えは変わりません。大学当局が現在の方針を見直して、寮自治会との協力のもと、現棟の小中規模の補修に取り組むことを求めます。
220901回答では、唯一、2018年の台風被害で応急処置として設置されたブルーシートについては「機能を果たしていないことが確認されれば再設置することを考慮する」としました。現棟の維持管理のためには応急処置のみでは不十分であり、応急処置しか行わないとする当局の姿勢は問題ですが、京大当局がブルーシートの再設置を行うこと自体には全く異論はありません。しかし大学当局は、これまでブルーシートの再設置を含む全ての吉田寮自治会からの現棟補修要求を無視してきました(少なくとも2020年9月25日に吉田寮自治会は大学厚生課窓口を通じてブルーシートの劣化を報告し再設置を要求しており、「現状の確認についても含めて、そのような話があったことは大学に伝えます」との回答を受けました。しかしその後一切の返答も現場確認も行われませんでした。また2022年7月12日に再度屋根の補修を要求した際も何らの理由もなく拒否されました)。今回の再度の補修要求についても1ヶ月にわたり回答を待たされた上、「再度ブルーシートを設置することを考慮します」など非常に歯切れの悪い回答が、責任者すら明示せずに行われるに止まりました。これらを考慮すると、このまま大学当局にブルーシートの再設置を委ねた場合に、果たして実際に施工がされるのか、されるとしても相当後日へ引き延ばされるのではないか、甚だ不安です。
したがって、今回寮自治会側で自力補修を予定していた北寮のブルーシート再設置については、やはり寮自治会として実施することとします。ただし、2018年の台風被害で設置されたブルーシートは他にもあるため、それらについては大学当局が早急に再設置することを求めます。
220901回答で大学当局は、寮生の現棟での居住を認めておらず、耐震性を欠くため早急に立退くようにと述べています。このことについて今一度反論します。
まず、大学当局が吉田寮生の退去を決定したとする2017年12月19日の「基本方針」は、吉田寮自治会との何らの合意も話し合いもなく一方的に通知されたものです。これは長年にわたって吉田寮自治会と大学当局が締結してきた「大学当局は吉田寮の運営について一方的な決定を行わず、吉田寮自治会と話し合い、合意の上決定する」という確約に明らかに違反しています。
次に現棟の安全性について、現在進行中の明け渡し訴訟においても争点の一つとなっていますが、寮自治会としては現棟の老朽化は法的に退去を強要できるほどの「朽廃」には至っていないと考えています。
とはいえ築100年以上が経過する中、現棟の耐震性・安全性の向上は重要な課題であり、長年にわたり寮自治会と大学当局は現棟の老朽化対策について協議してきました。2012年には現棟の建築的意義が認められ、大規模補修に向けて継続協議するという合意を交わし、以降具体的な補修方法について議論を積み重ねてきました。ところが2015年、京大当局は寮自治会との話し合いを一方的に打ち切り、自らは何らの代案も提示しないまま、寮自治会の具体的な現棟改修案を無視するようになりました。この状態が以後7年近く続いています。さらに2019年には寮自治会から、現棟を一時的に退去することを含めた譲歩案を提示して話し合いの再開を求めました。しかし大学当局はそれすら一蹴して一切の意見のすりあわせを拒否しました。
こうした経緯を踏まえれば、大学当局が「耐震性」を理由に退去を迫ること自体がおかしいのです。真に安全確保を達成するためには、2015年までの議論の積み重ねを尊重し、現棟の抜本的老朽化対策に向けて寮自治会との話し合いを再開することが、もっとも有効な解決策です。それを行わずに寮生の退去のみを執拗に迫る大学当局は、福利厚生施設である吉田寮を縮小・閉鎖することで困窮する学生のことをあまりに軽視しています。また寮生を退去させることで、現棟や吉田寮の今後のあり方について決定するプロセスから吉田寮自治会や関係当事者を締め出し、これまで吉田寮が積み重ねてきた福利厚生施設・自治空間としての実践(その具体例は2019年9月20日付け「吉田寮の未来のための私たちの提案」で詳述しています)を踏まえず、その価値を蔑ろにする吉田寮の解体再編が強行されるのではないか、という懸念を払拭できないのです。
なお220901回答では「また、新棟についても躯体にかかる補修以外を行うことはありませんので、新棟に居住する者にも、寮からの速やかな退去を求めます。」としていますが、これは全く文意が不明です。もとより新棟は築10年に満たない新築建造物であり、安全対策とは何ら無関係であることははっきりしています。にもかかわらず寮生の退去を求めるのは不当です。
2022年8月16日
吉田寮自治会
吉田寮自治会が2022年8月5日に京都大学役員会へ提出した「現棟の老朽化対策に向けた話し合いの再開と、現棟の継続的補修を求める要求書」に対して、回答期限とした8月12日付で、大学当局より以下の返答がありました。
「時間的な制約により本日の回答は不可となりましたのでお知らせします。回答若しくは回答の有無については別途、お知らせします」
吉田寮自治会は、8月5日付の声明「吉田寮現棟の補修に関する京大役員会への要求書提出と現棟屋根の自力補修計画について」で述べている通り、京大役員会が、従来行ってきた現棟の小中規模の補修すら拒否し続けている現状では、遺憾ながら、現棟の老朽化を防ぐために自らでこうした補修を行わざるを得ないと考えています。
もちろん本来であれば、京都大学の福利厚生施設である吉田寮の補修は、京都大学の責任において行われるべきです。大学当局が現棟の抜本的老朽化対策のために寮自治会との話し合いを再開すること、それまでの間、大学の責任において継続的かつ適切な現棟の小中規模の補修が行われることが、最も望ましいと私たちは考えています。
今回の回答を受けて、京大役員会が、今回の吉田寮自治会からの呼びかけに対して前向きな対応を検討していることを期待し、8月22日(月)まで回答期限を延長します。
吉田寮現棟の補修に関する京大役員会への要求書提出と
現棟屋根の自力補修計画について
2022年8月5日
吉田寮自治会
こんにちは、吉田寮自治会です。
この度吉田寮自治会は、京都大学役員会に対して、吉田寮現棟の老朽化対策に向けた話し合いの再開と、抜本的な老朽化対策を行うまでの現棟の継続的補修を求める要求書を提出しました。
吉田寮自治会はこれまでにも再三にわたりこれらを大学当局へ求めてきましたが、残念ながら役員会は、寮自治会との話し合いを拒否し、現棟=木造建築の老朽化を防ぐために必要な継続的な補修・メンテナンスをも拒んでいる状況が続いています。
そのため私たちは、これ以上当局が補修を拒否するのであれば、寮生の生活環境を維持し、また歴史的建築的価値を有する現棟の将来的な補修存続に向けて、自分たちで現棟の小中規模の補修を行わねばならない段階に至っていると考えています。これまでにも寮自治会は吉田寮を自治運営する主体として様々な形で自力補修(小規模補修)を実施してきましたが、今回より規模の大きい、現棟の屋根瓦の修繕・応急処置を、瓦屋さんに依頼して実施することを計画しています。
本声明では、私たちが自力補修を行わねばならない理由と、現在計画している現棟の屋根の自力補修について、お知らせします。
一言で言えば、
①京都大学役員会は、従来大学の責任として行なってきた現棟の修繕をサボタージュしている。
②吉田寮自治会は、将来的な現棟の大規模改修に向けて、寮生の生活環境を維持し建物の補修可能性(建築的・歴史的価値)を損なわないため必要な手段を講じる必要がある。
ということです。
役員会の補修サボタージュについては、以下の文章も参照ください。
「吉田寮近況報告①:当局による補修サボタージュ問題について」(2021年10月14日裁判報告集会資料)https://www.yoshidaryo.org/archives/sosho/1934/
まず前提として、大学役員会が現在現棟の老朽化を理由に寮生の退去を強要していること自体の問題性について、整理します。
かねてから主張しているように、現棟は法的に強制立ち退きを行えるほどに老朽化(朽廃)しているわけではありません。とはいえ、100年以上が経過する中、現棟の耐震性・安全性の向上は重要な課題であり、20年以上にわたり大学役員会との間で現棟老朽化対策について協議してきました。2012年には現棟の建築的意義(後述)が認められ、大規模補修に向けて継続協議するという合意を交わし、以降具体的な補修方法について両者は議論を進めてきました。
ところが2015年、役員会は寮自治会との話し合いを一方的に打ち切り、寮自治会の具体的な現棟改修案(※1)に対して「検討中である」以外には一切の回答を行わないようになりました。その挙句、2017年12月には建物の老朽化を根拠にして寮生の立ち退きを迫るようになったのです。2019年に寮自治会は条件付きで現棟から一時的に退去することも含めた妥協案を提示しました(※2)が、大学役員会はそれすら一蹴して明け渡し訴訟を提訴しています。
こうした経緯を踏まえれば、京大役員会が「老朽化」を理由に寮生に立ち退きを迫ること自体がおかしいのです。役員会が真に寮生の安全確保を考えるならば、寮生の追い出しに費やされる費用や時間を用いて建物の改修を行うことが、最も有効なはずです。それを避けている役員会は、吉田寮のあり方(自治)について意見の異なる他者を決定プロセスから締め出すために寮生の追い出しに固執しており、寮生の安全確保を二の次にしていると考えざるを得ないのです。
加えて問題なのは、現在大学役員会が、日常的なメンテナンスを含め現棟の継続的な維持管理責任を一切放棄しているということです。
現棟のような伝統的木造建築は、日々のメンテナンスを絶やさないことで、非常に長期間に渡って使い続けることができます。例えば樹木を剪定したり、細かい雨漏りを修繕したりです。こうした小中規模の修繕については、従来基本的には、寮自治会と当局の折衝に基づいて、大学の予算において対処されてきました。吉田寮は経済的その他の事情で困窮する学生にも学ぶ権利を保障する福利厚生施設であり、その修繕は公的な負担により行われるべきだからです。とは言っても、自治空間である吉田寮においては、当局や業者に建物の維持管理をゆだねるのではなく、実際にそこを利用する寮生・寮外生が建物の状態をチェックし、自分たちでできる補修活動は自分たちの手で行ってきました。
ところが2018年9月の「退去期限」を過ぎると、大学役員会はほぼ全ての現棟の小・中規模補修を拒否するようになりました。これは、建物の維持管理のための負担を全面的に使用者にしわ寄せさせることであり、「当局の責任において吉田寮の補修を行う」という旨の確約(※3)にも明確に違反しています。
役員会が現棟の補修をサボタージュすることは、寮生の生活環境を脅かすばかりか、現棟の老朽化を進行させてしまい、将来的な現棟の補修存続の可能性をすら危ぶませることに繋がります。
現棟の歴史的・建築的価値は寮外の多くの専門家からも指摘されています。建築士の調査で、吉田寮は旧制第三高等学校から移築・転用されたものであり、寮食堂と現棟の一部は京大最古の建築物である、ということがわかっています。2015年には日本建築学会近畿支部と、建築史学会が、京都大学山極壽一総長(当時)あてに現棟の保存要望書を提出しています。
従来京大役員会は、こうした価値を一定認めてきました。2012年に吉田寮自治会と赤松明彦学生担当理事(当時)は、現棟の建築的価値について認め、それを最大限尊重する方法で老朽化対策を進めるという確約書を締結しています。そこで確認された価値とは、①日照や風通しなど生活空間として優良であること、②建築史から見て価値があること、③1世紀にわたり自治空間として動態保存されてきたこと、です。
また2019年2月に発出された川添信介学生担当理事(当時)の文書「吉田寮の今後のあり方について」でも、「現棟の建築物としての歴史的経緯に配慮する」という一文が添えられました。
現在大学役員会が現棟の老朽化対策に関する一切の対応を拒むのは、こうした自らの見解にすら明らかに矛盾しています。言葉とは裏腹に「このまま老朽化が進めば、寮生を追い出したり現棟を取り壊すいい口実になる」というのが当局の本音であり、建築的価値のある現棟の補修存続の選択肢を、意図的に切り捨てようとしていると言わざるを得ません。
※ 現棟の建築的価値を評価する報告書や論文、要望書
・旧制第三高等学校並びに京都帝国大学時代の歴史的建造物の現況調査報告書(西澤英和ほか・2005年)
・京都府近代和風建築総合調査報告書(京都府教育委員会・2009年)
・京都大学寄宿舎吉田寮食堂建築物の調査実測によるその京都大学内で最古の建築物である実証(山根芳洋・2012年)
・京都大学吉田寮舎の中に息づく京都大学前身創設時寄宿舎についての調査実測による実証と考察(山根芳洋・2012年)
・京都大学吉田寮の保存活用に関する要望書(日本建築学会近畿支部・2015年)
・京都大学寄宿舎吉田寮の保存活用に関する要望書(建築史学会・2015年)
今回の自力補修の対象である、2018年の台風被害を見ればこの問題が明らかです。
2018年9月に関西地方を襲い甚大な被害をもたらした台風21号では、吉田寮も倒木により屋根が損傷する被害を被りました。当時大学役員会は倒木の撤去と屋根の損傷箇所をブルーシートで覆う応急処置を行いました。しかしそれ以降は、寮自治会の度重なる要求にも関わらず、抜本的な修繕作業も再度の応急処置すらも行わず、損傷を4年間にわたり放置し続けてきました。結果としてブルーシートが紫外線や強風で劣化し、今日では屋根の損傷箇所が雨ざらしになっています。寮生の生活環境を損なうことはもとより、建物の老朽化を促進させ、建築的価値を有する現棟の補修可能性を損なう不作為です。なぜ修繕や応急処置すら行わないのかという指摘に対し、残念ながら役員会は沈黙を続けています。
本来、経済的に困窮している人でも大学に通う権利を保障する「福利厚生施設」である、吉田寮の建物の修繕に要するコストは、大学により公的に工面されるべきです。しかし、もはや当局が一切の現棟の修繕義務を放棄し、建築的価値を蔑ろにしている現状では、寮自治会など当事者による建物の維持管理がますます重要となっています。
吉田寮自治会はこれまでにも、小規模な自力補修(樹木の剪定、小規模な雨漏りの修繕、床下の腐食した部材の交換、土壁の修繕など)について、専門家の助力も得ながら、自分たちの手で行なってきました。今回屋根の損傷の修繕という、比較的規模の大きな屋根の補修作業について、屋根瓦業者に依頼して実施することを計画しています。
私たちは、現棟の今後についてはあくまでも大学役員会と吉田寮自治会など関係当事者が話し合って決めるべきであり、双方の協力の下に老朽化対策を行いたいと考えています。今回実施を検討している自力補修についても、あくまで大学役員会が責任を放棄している、修繕や応急処置を行うものであり、増築・改築を伴うものではありません。
私たちは、吉田寮の安全性を向上させ、さらにより良い場所にしていくため、話し合い協力するべきです。現在役員会により行われている明け渡し訴訟は、寮生を退去させることの是非が争点となり、肝心の現棟老朽化対策を遅延させ続けています。大学役員会は、本来老朽化対策のために割くべき知恵・労力・資金・時間を明け渡し訴訟に費やすことはやめ、早急な老朽化対策に向けた話し合いのテーブルへ着いてください。また老朽化対策についての合意形成に至るまで、継続的かつ適切な吉田寮の補修を、大学の責任においてきちんと行なってください。
(※1) 吉田寮自治会は2013年1月より、「京都市歴史的建築物の保存および活用に関する条例」を現棟に適用し、できる限り現在の様態を維持して補修する案を提示しています。吉田寮現棟は、建築基準法制定以前に建設された建物であるため、大幅な増改築に際して現行の建築基準法が定める規定に適合させることが求められます。この場合大規模木造建築である現棟は、例えば木造建築物の面積制限などから価値のある意匠や形態を保存して使用し続けることが困難になります。こうしたケースに対応するため「京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例」があります。本条例を吉田寮現棟に適用することで、建築基準法のいくつかの制限を適用除外しつつ、吉田寮という個別のケースに適した柔軟な補修を行い、吉田寮現棟の構造・意匠を出来る限り残し、かつ耐震性・耐火性を向上させることができます。
2018年7月の川添信介学生担当理事(当時)との少人数交渉では、吉田寮自治会は本案に加えて、部分的な建て替えや増寮も含めた複数の改修案を提示して検討を求めました。川添理事は「検討する」と回答しましたが、その後4年間一切の具体的な回答は得られていません。
(※2) 2019年2月20日「吉田寮の未来のための私たちの提案」https://www.yoshidaryo.org/archives/seimei/495/
(※3) 150212確約書「項目6-2 吉田寮の補修について:大学当局は吉田寮現棟にとって老朽化対策が早急に必要であることを認め、老朽化対策のための処置が完了するまでには、食堂をはじめとする共有スペースも含め、吉田寮の補修を継続して行う。また、処置完了後も、必要に応じて補修を行う。」
<中寮屋根>
(損傷状況)
2018年の台風被害により、屋根瓦が欠損・破損していたり、軒先の雨樋や軒天が破損している箇所があります。また経年劣化による屋根瓦の破損や、通風用の小屋の損傷、雨水を流す谷板金の目詰まりなどが生じています。
(修繕方法)
欠損したり傷んでいる瓦の差し替え、腐朽している野地板の修繕、通風用の小屋の葺き替え、通風口や熨斗瓦(屋根の頂点(陸棟)を構成する平らに積む瓦)と、桟瓦(屋根の平面を構成する瓦)との隙間を埋める漆喰の補修、一部陸棟の解体再構築などを行います。なお現棟の屋根瓦は基本的に緊結されていませんが、今回瓦を葺き替える際は可能な範囲で銅線による緊結を行います。
<北寮屋根>
(損傷状況)
2018年の台風被害により、屋根瓦が欠損したり、屋根の構造が破損している箇所があります。2018年当時ブルーシートによる応急処置が行われましたが、その後放置され続けたため、ブルーシートが劣化し雨が吹き付ける状態となってしまっています。
(修繕方法)
本格的な修繕を行うには工務店など複数の職人の連携が必要となり、経済的負担も大きく時間を要するため、今回はさしあたって、ブルーシートによる応急処置を再度行うことにしました。劣化したブルーシートを取り除き、より耐久性・防水性の高いブルーシートで損傷箇所を覆い、これ以上雨水が侵入しないようにします。
全ての工事を合わせて、1,118,040円の費用がかかる見積もりです。
大まかな内訳は以下の通りです。
・欠損・損傷している瓦の差し替え・葺き直し:121,000円
・通風用小屋の葺き直し・谷板金交換ほか:210,540円
・陸棟の修繕:137,500円
・軒先腐敗箇所の修繕:220,000円
・ブルーシートによる応急処置:132,000円
・作業用足場、諸経費:297,000円
今回予定している自力補修には上記の通り高額な費用を必要としており、吉田寮自治会の財政のみで実施していくことは困難です。そこで、もし今回大学役員会が補修を拒否し自力補修を実施せざるを得なくなった場合、広くカンパを募りたいと考えています。吉田寮自治会の主張に賛同いただける皆様、可能であれば、カンパという形で自力補修へのご支援をお願いします。具体的な呼びかけは、要求書の回答期限である8月 12日以降に、吉田寮公式サイトなどで発表いたします。
現棟の老朽化対策に向けた話し合いの再開と現棟の継続的補修を求める要求書
京都大学総長 湊 長博 殿
戦略調整、企画、学生、環境安全保健担当理事・副学長・プロボスト 村中 孝史 殿
男女共同参画、国際、渉外(基金・同窓会)担当理事・副学長 稲垣 恭子 殿
研究倫理、研究公正、研究規範担当理事・副学長 北村 隆行 殿
総務、労務、人事、危機管理担当理事 串田 俊巳 殿
国際渉外、海外同窓会担当理事 久能 祐子 殿
オープンイノベーション担当理事 澤田 拓子 殿
研究、評価担当理事・副学長 時任 宣博 殿
広報、地域貢献・社会発信担当理事 野崎 治子 殿
教育、情報、図書館担当理事・副学長 平島 崇男 殿
財務、施設、入試、産官学連携担当理事・副学長 村上 章 殿
2022年8月5日
吉田寮自治会
私たち吉田寮自治会は、これまで吉田寮現棟の老朽化対策を希求し、大学当局に対して具体的な現棟改修案を提出して、改修方法について協議することを求めてきました。2015年に杉万俊夫学生担当理事(当時)は、担当理事として寮自治会の現棟補修案に賛同し、両者は具体的な補修方法の議論を進める段階に至っていました。しかしその後京都大学役員会は、寮自治会との話し合いを一方的に打ち切り、寮自治会の現棟補修案に対して約7年間にわたり「検討中」という以外一切のレスポンスを行わなくなりました。この状況は現在も続いており、当局は2019年2月の文書「吉田寮の今後のあり方について」で、現棟について「将来、安全確保に加えて収容定員の増加や設備の充実等を図りうる措置を講じた上で、学生寄宿舎として供用する」と述べたのみで、現棟改修に向けた具体的な代案は一切提示されていません。
私たちは一貫して、現棟老朽化対策のための協議の再開を求めていますが、同時に抜本的な老朽化対策が行われるまでの間、現棟の適切な維持管理を行うことも必要不可欠だと考えています。従来、現棟の継続的な小中規模の補修・メンテナンスは、吉田寮自治会と大学当局との協議に基づいて、基本的には大学の経済的負担により行われてきました。これは吉田寮が京都大学の福利厚生施設であるためです。大学の負う補修義務は確約書においても明記されています。
ところが2018年秋以降、京都大学はほぼ全ての現棟の小中規模の補修を拒否するようになりました。2021年には教育推進学生支援部厚生課窓口を通じて、”現棟については建物の躯体整備を含め補修を行わない”という内容の見解が示され、寮自治会として即時抗議の意思を表明しています。直近では2022年7月16日にも、現棟の居住棟の屋根の損傷を修繕するよう改めて要望しましたが、「修繕は行わない」との回答を受けました。
吉田寮現棟は京都大学の重要な福利厚生施設であり、また歴史的建築的にも大きな価値をもつ建物でもあります。日本建築学会近畿支部・建築史学会の現棟保存活用要望書をはじめ、現棟の改修方法や今後のあり方には学内外の多くの人々も関心を寄せています。
大学が現棟の修繕やメンテナンスを行わず、また抜本的老朽化対策を先延ばしにし続けることは、寮生の生活環境を脅かすのと同時に、現棟の老朽化を進行させ、将来的な補修存続を困難にすることを意味します。本来であればとうに実行できていてもおかしくない、寮自治会の現棟改修案を無視し、自らはなんら具体的な改修計画を示さず、その上継続的な補修義務すらを放棄して、結果現棟の存続可能性が失われるようなことになれば、これは京都大学として重大な責任問題ではないでしょうか。またこれは、大学当局自身が2012年から2015年の確約において現棟の建築的価値を認め、前述の「吉田寮の今後のありかたについて」でも「現棟の建築物としての歴史的経緯に配慮する」と明言したこととも明らかに矛盾するのではないでしょうか。
私たちは、京都大学当局が、吉田寮自治会からの現棟補修の要望を頑なに拒否していることに抗議し、以下2点を改めて要求します。8月12日までに文書で回答してください。
なお大学当局がこれらを拒否し続ける以上、私たち吉田寮自治会は、吉田寮に居住している立場として、また吉田寮の運営と維持管理に責任をもつ立場として、現棟の生活環境を維持し、また歴史的建築的価値を有する現棟の将来的な補修存続の可能性を絶たないために、できうる限りで、独自に現棟の修繕・応急処置(自力補修)を行わざるを得ないと考えています。
現在別紙「吉田寮現棟の補修に関する京大役員会への要求書提出と現棟屋根の自力補修計画について」のとおり、現棟居住棟の屋根の修繕を業者に依頼することを予定しています。繰り返しますが本来であれば大学の経済的負担により行われるべき修繕であり、寮自治会としてもこのように規模の大きい補修を寮自治会の負担において行わざるを得ないことは遺憾でなりません。しかし、吉田寮と吉田寮現棟の未来が役員会により全く不透明な状態に置かれている中、みすみす現棟の老朽化を看過することはできません。
大学当局が現在の方針を見直し、現棟老朽化対策や継続的補修について前向きな対応を行うことを切に願います。なお自力補修に関してなにがしかの意見がある場合は、相当する合理的な理由と代替措置を提示することを求めます。
吉田寮自治会執行委員会
2022/05/23
5月11日付「2022年5月11日:吉田寮におけるコロナウイルス感染者について」の続報です。当該報告にて、皆様には吉田寮への訪問を控えていただくようお願いしておりました。その後、12日から17日にかけて13人の感染が新たに判明しましたが、それぞれ順次回復に向かっています。また、陽性者・濃厚接触者は指定された期間の隔離を経て、5月18日以降は寮内で新たな陽性者が判明しませんでしたので、通常通り訪問いただけます。
しかしながら寮内のトイレなど一部設備についてゾーニングを継続していますので、来寮の際はイベント主催者や寮生に確認をとるようお願いします。
皆様にはご心配おかけしました。ご協力ありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。