2026年4月16日
吉田寮自治会
昨日、京都大学公式サイトにて「吉田寮現棟建替え・現棟建替えにより創出される敷地の活用方針について」なる文書1が掲載された。この文書において、京大当局は現棟建て替えの方針を一方的に表明した。
当該文書は、昨年8月25日の吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟の第二審における和解成立以降、当事者である吉田寮自治会との一切の話し合いもなく、唐突かつ一方的に発出されたものであり、受け入れられるものではない。和解成立以降、吉田寮自治会として幾度にもわたり、耐震工事の検討状況を開示すること、および話し合いを再開することを求めてきたが、現在に至るまで当局から前向きな回答は得られていない。このような状況において、現棟からの一時退去が完了したタイミングで発出された当該文書からは、当事者との対話に基づいて建設的に問題を解決していこうとする姿勢が全くうかがえない。
また、当該文書において京大当局は、吉田寮現棟の老朽化により、学生の安全を確保できない状況にあったため、2019年にやむを得ず訴訟に踏み切った、と説明している。しかし、吉田寮自治会は2019年、現棟の老朽化対策のための一時的な退去を含めた包括的かつ建設的な提案を大学当局に対して行っている2。にもかかわらず大学当局は寮自治会の提案を無視して訴訟を起こしており、大学が老朽化を理由に掲げる「学生の安全確保」は自治寮を攻撃するための口実であったと考えざるを得ない。
寮自治会はかねてより、現棟のもつ歴史的・建築的価値を説明し、それを踏まえた具体的な補修・改修案を提出し、大学に応答を求めてきた。2026年3月には、対話の再開と現棟補修を求める9,000筆近くの署名3を提出している。また、大学当局が主張する耐震性の問題に関しても、外部の専門家が補強は必要なものの、建て替えは必要ないとの見解を示している4。こうした寮自治会や広範な大学構成員・市民からの提案・要求への応答もないまま、現棟からの一時退去直後に、実地調査や当事者との対話を経ることなく建て替えという結論を出すことは、適切な検討過程や真摯に説明責任に向き合う姿勢を欠くものである。
京大当局は広く学内の意見を聞くとしているが、まずは当事者である寮自治会との対話を一刻も早く再開することが最重要事項である。吉田寮自治会は、京大当局に対して、寮自治会との対話に基づき、歴史的・建築的価値や福利厚生の保障など様々な観点を踏まえ、十分に調査を行ったうえで、現在の吉田寮現棟の構造を最大限残す形で耐震工事の計画を策定していくことを再度強く要求する。
- 吉田寮現棟建替え・現棟建替えにより創出される敷地の活用方針について
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2026-04-14-1 ↩︎ - 2019年2月20日:吉田寮の未来のための私たちの提案
https://www.yoshidaryo.org/archives/seimei/495/ ↩︎ - オンライン署名「吉田寮の自治と歴史的建築を未来へ! 和解した今こそ対話の再開を!」https://www.change.org/SaveYoshidaryo ↩︎
- 吉田寮、その価値は 「国の重文級」中川理・京都工芸繊維大名誉教授:朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASV3W124BV3WUCVL01VM.html ↩︎
【PDF】https://drive.google.com/file/d/1b9YKH9a98KMLwEdFXXWvPxDvEDxQijGY/view?usp=sharing






