投稿者: 吉田寮自治会

  • 総長選候補者に対する公開質問状への回答状況 ー候補者別回答一覧ー

    一部候補者から公開質問状への回答・反応があったため、回答があったものから順次公開しています。(公開質問状の回答期限は7月13日です)

    大嶋正裕氏(工学研究科)

    7月13日、吉田寮自治会宛に下記の文書が郵送で届きました。

    ====

    京都大学吉田寮自治会 様

     昨日、7月9日(木)に、貴自治会より公開質問状を受け取りました。 
     しかしながら、現在、総長選考期間中であり、有権者である教職員の方々には、既に第一次総長候補者としての所信をお伝えしておりますので、今回の貴自治会からの公開質問に関しては、回答を差し控えさせていただきます。

    令和2年7月10日

    京都大学工学研究科 教授 大嶋正裕

    北野正雄氏(現理事)

    公開質問状が受領拒否されました(郵送した公開質問状が、「受取拒絶」として返送されました)。

    寶馨氏(総合生存学館)

    〈大学運営における学生の関わり方について〉

    (1)学生への情報公開について

    (前提) 従来京都大学では毎月、副学長が公開の場で大学内の会議の議論について報告する「情報公開連絡会」が開かれてきました。これは、1997年に京大に副学長制が導入されたことを発端に、大学の中央集権化や学生に関する意思決定の不透明化への懸念に対し、実施されてきた制度です。当時の井村裕夫総長は、学生との話し合いを通じて情報公開の必要性を認め、1998年に宮崎昭学生部長(当時)が「情報公開の場として、学生部長が参加する連絡会を公開の場で開く(確認事項) 」ことを約束しました。以後も同様に、1998年の三好郁郎副学長(当時)と吉田寮自治会との確約書から、2015年の杉万副学長(当時)と吉田寮自治会の確約書などに至るまで、副学長が参加する連絡会を開き、情報の公開に努めることが約束されてきました。
     こうした確約にも基づいて、2016年2月まで毎月、情報公開連絡会は開かれ続けてきました。これによって学生は、大学内で行われている議論や決定プロセスなどにアクセスすることができ、学内の運営プロセスに一定の透明性が担保されていました。
     しかし、現任の学生担当理事が就任後に突然、連絡会を廃止とする意向を示し、学生の反対にもかかわらず、2016年3月より「諸般の事情につき中止」という不正常な状態が4年以上続いています。

    (質問1) 大学の決定プロセスの透明化について、またそれらを保障していくために、どのような方策が必要であるとお考えですか?

    【寶馨氏の回答】
     私は、所信にも述べたように、「自由の学風」を学内の隅々まで行き届かせて、風通しのよい京都大学を実現したいと考えています。そのためには「対話」が不可欠です。対話のない場所で優れた教育・研究・医療は生まれません。対話を通して様々な立場の方々と理解し合うことは、自己と他者の自由や多様性を尊重し、「自由の学風」をより強くすることにつながるでしょう。皆さんとともに京都大学の未来を創造していきたいと思います。準備が整い次第、できるだけ早く情報公開連絡会を再開したいと考えます。

    (2)学生との話し合いについて

    (前提) 従来京都大学では、学生寮の運営や学生生活に関して、学生など当事者向けの説明会、対話などが行われてきました。ところが現執行部体制になってより、学生など当事者への説明や話し合いなどなく、トップダウンで決定されることが増えました。結果、実状に沿わない方針が策定され、問題の根本的解決が遠退いたり、学内構成員の自主性・主体性が大きく損なわれてきました。立て看板規制やNFの日程短縮など、関わりのある当事者への説明会、話し合いによる合意形成などがなく進められたがために、学生からの反発の声も起こりましたが、一切黙殺されてきたことは記憶に新しいと思います。

     吉田寮自治会は長年、関係者・当事者間の話し合いを通じて意思決定を行ってきました。その経験から、大学においても各当事者・団体間で話し合いを行うことで、より実情に即した運営ができ、何らかのトラブルが起こった場合にもより直接的に解決することが可能になると考えています。

    (質問2) これからの学生との話し合いについて、どうお考えですか?

    【寶馨氏の回答】
     質問1への回答と同様に、「対話」の重要性を強く認識しています。学生との話し合いはもちろんのこと、学内の教職員、学外の市民との対話や合意形成を積極的に行っていく所存です。

    〈学生の福利厚生について〉

    (3)学生への経済支援について

    (前提) 京都大学に通う学生の中には、様々な経済的困窮を抱えた人がいます。中には学費や生活費を自ら負担している学生もいます。また実家の経済状況が一定以上の水準にあっても、実家との関係性から仕送りを受けられず困窮している学生もおり、この場合現行の奨学金・授業料免除制度では支援対象外となってしまっています。

    (質問3) こうした学生らが万全の状態で学術研究活動に打ち込めるために、京都大学として為すことができる学生支援について、どうお考えですか?

    【寶馨氏の回答】
     現時点の本学の財政状況では、支援対象となる学生に一定の厚生的条件が課されていることはやむを得ませんが、その条件が、有為の学生が教育を受ける機会を奪われることのないように、可能な限り広く支援をする必要があると考えます。ご指摘の事例についても、できるだけ丁寧に個別の状況に寄り添って支援の判断ができるような仕組みづくりを検討することによって解決をはかりたいと思います。

    (4)学生寮について

    (前提) 現京都大学執行部は、本学の学生である吉田寮生の一部を被告とし、訴訟を起こしています。吉田寮自治会としては、一刻も早く訴訟を取り下げ、吉田寮に関わる諸問題を、話し合いによって解決したいと考えています。

    (質問4) 吉田寮生に対する訴訟について、吉田寮生との話し合いの再開について、どうお考えですか?

    【寶馨氏の回答】
     同じご質問を「自由の学風にふさわしい京大総長を求める会」からいただいています。それに対する回答を以下に示します。
    「吉田寮裁判は、不幸なことに、京都大学における近年の「変化」を象徴する出来事となってしまいました。本裁判によって、告訴の対象とされた方々はもちろん、多くの学生とその家族・関係者、教職員が不安な気持ちを抱かれたことと思います。学内外の信頼を取り戻すためにも、まずは大学が学生を告訴しているという状態を一刻も早く解消し、あらためて当事者との対話を再開する必要があります。そして、これまで様々な形で吉田寮の課題に尽力されてきた学生・教職員の対話の蓄積をふまえて、できるだけ速やかな解決を図りたいと考えています。」

    〈学生生活について〉

    (5)CAP制について

    (前提) 京都大学では、1年間または1学期間に履修できる単位数あるいはコマ数を制限するCAP制を、2004年に法学部学部生に対して導入し、現在に至るまで順次導入範囲を拡げて来ています。CAP制の根拠は、文部科学省省令「大学設置基準」第二十一条の「一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、」といった文言にあると推察されますが、この時間数を算定した根拠については示されていません。学生にはそれぞれに興味関心の領域、得意・不得意分野、学習・研究のスタイルといった個性があり、画一的な時間数においてその教育効果を測ることは不可能です。大学現場における教育・研究の実態に疎い文科省が算定根拠を示すことは不可能であるのかもしれませんが、一方、学生の教育・研究を現に行って来た大学現場では、このような根拠の無い数字に振り回されることなく、学生の多様な現実を踏まえ判断をすることが可能であるはずです。根拠の無い学修時間数に固執することは学問に対する冒涜であり、学生や教員に対する制限を加えることで、本学における教育・研究活動が大幅に阻害されてゆきます。

    (質問5) 京都大学における今後のCAP制の運用について、どのようにお考えですか?

    【寶馨氏の回答】
     CAP制度の現状について、多くの学生諸氏から問題点の指摘があることは承知しています。現在の上限を30単位とする制度が定められた根拠について精査し、学生のみなさんの、よりよく学びたいという意欲を削ぐことのないような検討を全学的な対話を通じて行いたいと考えます。
    学生全員一律、とする必要はないと考えます。2回生で長期の海外渡航を考えている場合は、1回生でより多く単位を揃えておきたいでしょう。1回生の時に病気や怪我など健康面の理由で履修が十分できなかった人は、2回生の時に取り返したいでしょう。
     一方、30単位を標準の上限とする、ということで良いと考えるのであれば、その標準にしたがってさらなる単位取得に奔走せず、趣味や課外活動に時間を使うことも有益だと思います。
     多感な学生時代でもあり、読書や芸術やスポーツに取り組むのも有意義です。また、学生だからこそできるチャレンジも大いにやってみてください。

    (6)ハラスメント相談窓口の改善について

    (前提) 現在の京都大学のハラスメント相談窓口は、法務コンプライアンス担当理事がトップに据えられており、理事、副学長、総長らのハラスメントについては、客観的・公平に判断することが難しい構造になっています。

    (質問6) このような制度的欠陥を補うために、たとえば執行部や学内諸部局の利害とは独立したハラスメント対応窓口の設置の可能性などについて、どうお考えですか?

    【寶馨氏の回答】
     ご指摘の点については、十分に検討する意義のある問題点だという認識を持ちました。今後の検討課題とさせてください。
    なお、総長の解任に関する規程はすでに定められています。
    「国立大学法人京都大学総長解任規程」(平成27年1月29日総長選考会議決定)

    (7)留学生への言語保障について

    (前提) 現在、京都大学にはおよそ2,700人以上の留学生が在籍し、これは京都大学の学生全体のおよそ12%を占めます。留学生の中には日本語を第一言語としない者、日本語の使用が得意でない者も多く存在しますが、現在の京都大学による情報の発信や窓口での対応は、日本語の使用が得意である者を前提としており、日本語を第一言語とする者と日本語を第一言語としない者の間で明確に格差が生じています。

    (質問7) 今後、こういった格差を是正するための具体的な方策について、例えば通訳を専門とする職員の雇用・拡充、通訳機会の保障などについて、どうお考えですか?

    【寶馨氏の回答】
     これからの京都大学は、留学生に限らず多様な背景をもつ構成員が「よく学び、よく働き、よく楽しむ」ことのできる環境を整えていかなければならないと考えます。コミュニケーションの障壁によって学生教職員のあいだに情報格差が生まれる事態を避ける努力は「対話」をすすめるうえでも、非常に重要な要素だと考えます。各部局でも事務文書の英語版の作成、メール送信時の英語の追記などかなり努力はなされてきています。少しずつ国際化の波は起こっているのですが、まだ不十分です。ご提案の方法も含めて、具体的な方策を検討したいと思います。
     なお、日本語を第一外国語としない人でも、第二あるいは第三の外国語に日本語を位置付けていただき、京都大学にいる間に「日本語通」、「日本通」になってもらうことは、ご本人のためにも良いことだと思います。

    〈京都大学の今後のあり方について〉

    (8)今後の抱負について

    (質問8) 京都大学の今後の理想像、目指すべき方向性について、どのようにお考えですか?

    【寶馨氏の回答】
     このご質問につては、京都大学教職員組合から同様の問いをいただいていますので、それを以下に複写してお答えします。
    「世界規模で進む分断や対立を直視し、自由と自治の精神の下に、豊かな学知を生み出し、優れた人財を育て世に送り出して、地球社会の調和ある共存と持続的平和の確立に貢献していくことであると考えます。」
    所信の詳細にも京都大学の今後の目指すべき方向性について述べていますので参照してください。
    (詳細はこちら:http://www.gsais.kyoto-u.ac.jp/staff/takara/upcoming/)

    時任宣博氏(化学研究所)

    〈大学運営における学生の関わり方について〉

    (1)学生への情報公開について

    (前提) 従来京都大学では毎月、副学長が公開の場で大学内の会議の議論について報告する「情報公開連絡会」が開かれてきました。これは、1997年に京大に副学長制が導入されたことを発端に、大学の中央集権化や学生に関する意思決定の不透明化への懸念に対し、実施されてきた制度です。当時の井村裕夫総長は、学生との話し合いを通じて情報公開の必要性を認め、1998年に宮崎昭学生部長(当時)が「情報公開の場として、学生部長が参加する連絡会を公開の場で開く(確認事項) 」ことを約束しました。以後も同様に、1998年の三好郁郎副学長(当時)と吉田寮自治会との確約書から、2015年の杉万副学長(当時)と吉田寮自治会の確約書などに至るまで、副学長が参加する連絡会を開き、情報の公開に努めることが約束されてきました。
     こうした確約にも基づいて、2016年2月まで毎月、情報公開連絡会は開かれ続けてきました。これによって学生は、大学内で行われている議論や決定プロセスなどにアクセスすることができ、学内の運営プロセスに一定の透明性が担保されていました。

    しかし、現任の学生担当理事が就任後に突然、連絡会を廃止とする意向を示し、学生の反対にもかかわらず、2016年3月より「諸般の事情につき中止」という不正常な状態が4年以上続いています。

    (質問1) 大学の決定プロセスの透明化について、またそれらを保障していくために、どのような方策が必要であるとお考えですか?

    【時任宣博氏の回答】
     この質問は、大学当局と学生間の問題としてのものと受け止めて回答致します。
    「大学の決定プロセスの透明化」という視点は大事だと思いますが、京都大学の規模と構成員の多様性を考慮すると、全て対面型で情報共有を図ることは困難ですので、文書や電子媒体での情報公開という形になるものが多く、双方向での意見交換という面では機能が不足していることは事実です。
     大学執行部が学生との対話の機会を狭めているとのご指摘ですが、現在の状況を生み出した背景も含めてその要因をしっかりと検討した上で、本学所属の学生全体に平和な雰囲気での情報公開連絡ができる環境や仕組みを再構築できれば良いと思います。学生に関する事項にも色々な内容、規模のものがある上に、対象を限定するものなどもあるかと思いますので、対話のシステムを構築するにしても、フレキシブルで多様な窓口を用意しなければ機能しないように思います。

    (2)学生との話し合いについて

    (前提) 従来京都大学では、学生寮の運営や学生生活に関して、学生など当事者向けの説明会、対話などが行われてきました。ところが現執行部体制になってより、学生など当事者への説明や話し合いなどなく、トップダウンで決定されることが増えました。結果、実状に沿わない方針が策定され、問題の根本的解決が遠退いたり、学内構成員の自主性・主体性が大きく損なわれてきました。立て看板規制やNFの日程短縮など、関わりのある当事者への説明会、話し合いによる合意形成などがなく進められたがために、学生からの反発の声も起こりましたが、一切黙殺されてきたことは記憶に新しいと思います。

    吉田寮自治会は長年、関係者・当事者間の話し合いを通じて意思決定を行ってきました。その経験から、大学においても各当事者・団体間で話し合いを行うことで、より実情に即した運営ができ、何らかのトラブルが起こった場合にもより直接的に解決することが可能になると考えています。

    (質問2) これからの学生との話し合いについて、どうお考えですか?

    【時任宣博氏の回答】
     この質問の前提に書かれている問題点への対応は、質問1への回答である程度述べましたので、ここでは吉田寮関係の話し合いの現状について回答致します。
     質問4でも学生寮について質問が挙がっていますが、本来は問題点を解決する手段として当事者間での話し合いの場を持つということは重要と思います。但し、双方が解決に向けて努力する状況にならないと、相互不信を招くだけの場になってしまいます。従来の慣行や経緯があることは理解していますが、大学そのものの位置づけや運営体制も時代に合わせて変化せざるを得ない状況にありますので、当事者がそれぞれの現状を理解し、意見交換できる仕組みを作る必要があるように感じます。

    〈学生の福利厚生について〉

    (3)学生への経済支援について

    (前提) 京都大学に通う学生の中には、様々な経済的困窮を抱えた人がいます。中には学費や生活費を自ら負担している学生もいます。また実家の経済状況が一定以上の水準にあっても、実家との関係性から仕送りを受けられず困窮している学生もおり、この場合現行の奨学金・授業料免除制度では支援対象外となってしまっています。

    (質問3) こうした学生らが万全の状態で学術研究活動に打ち込めるために、京都大学として為すことができる学生支援について、どうお考えですか?

    【時任宣博氏の回答】
     学生の修学支援に関しては、今まさに国(政府)の施策も変革されようとしている時期ですが、現行の奨学金や授業料免除制度が良い意味で再整備されることを期待します。また、今回の新型コロナウィルス感染拡大への対応で本学が実施した緊急的な事態に即した学生への支援策に見られるようなフレキシブルな学生支援は常に心がけるべきだと思います。経済的に困窮している学生の支援は大変重要な視点ですが、支援対象学生の支援申請要件の設定に当たっては、日本人学生と外国人留学生の公平性や困窮学生と一般の学生との公平性も念頭に置いて制度設計に当たる必要があると思います。

    (4)学生寮について

    (前提) 現京都大学執行部は、本学の学生である吉田寮生の一部を被告とし、訴訟を起こしています。吉田寮自治会としては、一刻も早く訴訟を取り下げ、吉田寮に関わる諸問題を、話し合いによって解決したいと考えています。

    (質問4) 吉田寮生に対する訴訟について、吉田寮生との話し合いの再開について、どうお考えですか?

    【時任宣博氏の回答】
     吉田寮生に対する訴訟の問題については、京大の現執行部が訴訟を起こし裁判に至っているという現状を踏まえますと、裁判の当事者ではないものとして軽々に意見を述べることは控えたいと思います。裁判の場を通じて、双方の考え方の違いが明確化される部分もあるかと思いますので、その進捗状況を受けて状況が変化する可能性はあると思いますが。

    〈学生生活について〉

    (5)CAP制について

    (前提) 京都大学では、1年間または1学期間に履修できる単位数あるいはコマ数を制限するCAP制を、2004年に法学部学部生に対して導入し、現在に至るまで順次導入範囲を拡げて来ています。CAP制の根拠は、文部科学省省令「大学設置基準」第二十一条の「一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、」といった文言にあると推察されますが、この時間数を算定した根拠については示されていません。学生にはそれぞれに興味関心の領域、得意・不得意分野、学習・研究のスタイルといった個性があり、画一的な時間数においてその教育効果を測ることは不可能です。大学現場における教育・研究の実態に疎い文科省が算定根拠を示すことは不可能であるのかもしれませんが、一方、学生の教育・研究を現に行って来た大学現場では、このような根拠の無い数字に振り回されることなく、学生の多様な現実を踏まえ判断をすることが可能であるはずです。根拠の無い学修時間数に固執することは学問に対する冒涜であり、学生や教員に対する制限を加えることで、本学における教育・研究活動が大幅に阻害されてゆきます。

    (質問5) 京都大学における今後のCAP制の運用について、どのようにお考えですか?

    【時任宣博氏の回答】
     現在導入されているCAP制をどのようにとらえるか、という点で、学生にしても教員にしても立場が異なってくると思います。CAP制の根拠がこの質問の前提に書かれている一単位の学習要件のみかという点では、少し違った意見もあるように聞いております。本学の学生に、多様なカリキュラムの中から進級、卒業に必要な単位の中から自主的・自発的に履修計画を立てさせることは、大学学部教育として理想的なシステムであると思いますが、履修コマ数制限なしに登録と実際の履修を進めた場合に、履修科目の授業進度についてゆけず却って進級要件等を満たせなくなる学生も多くいます。その結果、再履修や留年という状況に陥って学習意欲の低下を招くというケースもあります。CAP制の履修科目数上限等に問題がある場合は、当該学部の制度担当教員等と相談して上限の変更や緩和の提案をすることは可能だと思います。

    (6)ハラスメント相談窓口の改善について

    (前提) 現在の京都大学のハラスメント相談窓口は、法務コンプライアンス担当理事がトップに据えられており、理事、副学長、総長らのハラスメントについては、客観的・公平に判断することが難しい構造になっています。

    (質問6) このような制度的欠陥を補うために、たとえば執行部や学内諸部局の利害とは独立したハラスメント対応窓口の設置の可能性などについて、どうお考えですか?

    【時任宣博氏の回答】
     理事、副学長、総長らのハラスメントについて、現行の法務コンプライアンス担当理事が所掌するハラスメント相談窓口では、客観性、公平性の点で問題があるとの指摘ですが、規程上は、担当理事が独立性を担保して問題解決に当たることになっていると思いますので、独立の対応窓口を常設する必要はないと考えます。また、総長の業務執行状況については、総長選考会議が毎年1月に執行状況を確認し、総長の業務が適切に遂行されているかどうかを確認すること、さらに就任後3年を経過した際に監事監査に基づく総長からのヒアリングを行うことになっています。監事監査においても、京大全体の監査事項の中には総長並びに執行部の業務活動の監査が含まれていると思います。監事は、京大執行部からは独立した存在だと認識しておりますので、公平性は担保されていると思います。

    (7)留学生への言語保障について

    (前提) 現在、京都大学にはおよそ2,700人以上の留学生が在籍し、これは京都大学の学生全体のおよそ12%を占めます。留学生の中には日本語を第一言語としない者、日本語の使用が得意でない者も多く存在しますが、現在の京都大学による情報の発信や窓口での対応は、日本語の使用が得意である者を前提としており、日本語を第一言語とする者と日本語を第一言語としない者の間で明確に格差が生じています。

    (質問7) 今後、こういった格差を是正するための具体的な方策について、例えば通訳を専門とする職員の雇用・拡充、通訳機会の保障などについて、どうお考えですか?

    【時任宣博氏の回答】
     前提で指摘された、京都大学による情報の発信や窓口での対応が外国人留学生等(教員でも同様の不利益を感じている方がおられると思います)に不利ではないかという点ですが、我が国の社会活動のほとんどが日本語という独自の言語で成り立ってきていることに起因して、どうしても外国人の方が不利に感じる機会が多いことは確かです。本学においても、大学の国際化、教育の国際化を目標の一つに掲げており、外国人留学生の受入システム、受入後の相談窓口、英語による教育カリキュラムの充実など、種々の施策を講じています。そして、各部局等の協力も得て、多くの相談窓口、担当委員会も設置されています。しかしながら、全学的な統一した運営体制が未整備であり、色々な国際教育・交流関係の部署間での情報共有が不十分であることは事実です。今後の職員採用にあたり、言語能力等でより高度な知識と能力をもつ職員の採用は積極的に進めるべきだと思いますが、通訳という専門職を配置するとなると全学的な規模ではかなりの人件費負担が生じる点が実現に向けての障害になると思います。

    〈京都大学の今後のあり方について〉

    (8)今後の抱負について

    (質問8) 京都大学の今後の理想像、目指すべき方向性について、どのようにお考えですか?

    【時任宣博氏の回答】
     総長選挙の所信表明書にも書かせて頂いたものと同様の内容を下記に再掲致します。

     京都大学は、国内外に誇る総合研究大学として発展しており、その先進性、独創性は、世界的に卓越した知の創造と行動力豊かな有為な人材の輩出につながっています。そして、自由の学風に基づく京都大学独特の雰囲気が、学生、教職員を問わず構成員各自の日々の活動の源になっていると思います。しかし、国立大学法人化後に直面した大学改革、機能強化等の各種政府施策への対応は、ともすれば大学を構成する各部局、教職員、学生の活動を委縮させる状況を生み出し、本学が理想とする大学運営に少なからず負の影響を与えてきたと言わざるを得ません。私は、教職員、学生の皆さんが、本学の一員であることに誇りと自信をもって、その独創性に富んだ活力を最大限発揮できる研究教育環境を整えるべきだと考えています。その結果、多様な学術分野を包含する京都大学が、各部局の特色に配慮しつつ多分野共同体としての教育研究活動を国内外にアピールすることで、世界に冠たる総合大学としてさらに大きく飛躍することができると考えています。

    湊長博氏(現理事)

    公開質問状が受領拒否されました(郵送した公開質問状が、「受取拒絶」として返送されました)。

    村中孝史氏(法学研究科)

    (7月13日現在)回答なし

  • 公開質問状(吉田寮自治会より京大総長選候補者へ)

    【質問状への回答状況について】
    2020.7.13 一部候補者から公開質問状への回答・反応があったため、回答があったものから順次公開しています。(公開質問状の回答期限は7月13日です)
    候補者別回答一覧はこちら
    質問別回答一覧はこちら

    【誤植の訂正】
    2020.7.13 公開質問状に以下2点の誤植があったため、訂正します。なお、本ページ及び問状への回答状況のページに掲載する文面は、公開時のままです。
    ・「(1)学生への情報公開について」「(前提)」一段落目  
       ☓「確認事項」→◯「確認事項8」
    ・「(6)ハラスメント相談窓口の改善について」「(前提)」一段落目 
       ☓「法務コンプライアンス担当理事」→◯「法務コンプライアンス担当副学長」
    以上です。大変失礼いたしました。


     

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    公開質問状(吉田寮自治会より京大総長選候補者へ)

    吉田寮自治会

    京都大学の福利厚生施設である吉田寮は、寮生全員で構成する吉田寮自治会が自治・自主管理による運営を行ってきました。長年、様々な立場の京都大学の学生が関わり、それぞれの学生の立場にとって必要なことを寮内で共有し話し合って意思決定を重ねて来た経験を踏まえ、今回の京都大学総長選に際して候補者各位のお考えを質問させていただきたいと思います。

    ご多用の所恐縮ではありますが、候補者各位におかれては質問へのご回答にご協力いただくようお願い申し上げます。質問の内容、前提となるこれまでの経緯についての詳しい説明が必要であれば、誠意をもって応対しますので吉田寮自治会〈yoshidaryo.jichikai@gmail.com / 070-3870-3599 / 京都市左京区吉田近衛町69番地 京都大学吉田寮〉までご連絡ください。

    ご回答は、2020年7月13日までに、吉田寮自治会まで郵送ないしメールにてお送りください。

    なお、この質問状へのご回答は、京都大学学内外への情報共有を目的として、公開させていただくことをご承知ください。

    ― 質問 ―

    〈大学運営における学生の関わり方について〉

    (1)学生への情報公開について

    (前提) 従来京都大学では毎月、副学長が公開の場で大学内の会議の議論について報告する「情報公開連絡会」が開かれてきました。これは、1997年に京大に副学長制が導入されたことを発端に、大学の中央集権化や学生に関する意思決定の不透明化への懸念に対し、実施されてきた制度です。当時の井村裕夫総長は、学生との話し合いを通じて情報公開の必要性を認め、1998年に宮崎昭学生部長(当時)が「情報公開の場として、学生部長が参加する連絡会を公開の場で開く(確認事項) 」ことを約束しました。以後も同様に、1998年の三好郁郎副学長(当時)と吉田寮自治会との確約書から、2015年の杉万副学長(当時)と吉田寮自治会の確約書などに至るまで、副学長が参加する連絡会を開き、情報の公開に努めることが約束されてきました。
     こうした確約にも基づいて、2016年2月まで毎月、情報公開連絡会は開かれ続けてきました。これによって学生は、大学内で行われている議論や決定プロセスなどにアクセスすることができ、学内の運営プロセスに一定の透明性が担保されていました。

    しかし、現任の学生担当理事が就任後に突然、連絡会を廃止とする意向を示し、学生の反対にもかかわらず、2016年3月より「諸般の事情につき中止」という不正常な状態が4年以上続いています。

    (質問1) 大学の決定プロセスの透明化について、またそれらを保障していくために、どのような方策が必要であるとお考えですか?

    (2)学生との話し合いについて

    (前提) 従来京都大学では、学生寮の運営や学生生活に関して、学生など当事者向けの説明会、対話などが行われてきました。ところが現執行部体制になってより、学生など当事者への説明や話し合いなどなく、トップダウンで決定されることが増えました。結果、実状に沿わない方針が策定され、問題の根本的解決が遠退いたり、学内構成員の自主性・主体性が大きく損なわれてきました。立て看板規制やNFの日程短縮など、関わりのある当事者への説明会、話し合いによる合意形成などがなく進められたがために、学生からの反発の声も起こりましたが、一切黙殺されてきたことは記憶に新しいと思います。

    吉田寮自治会は長年、関係者・当事者間の話し合いを通じて意思決定を行ってきました。その経験から、大学においても各当事者・団体間で話し合いを行うことで、より実情に即した運営ができ、何らかのトラブルが起こった場合にもより直接的に解決することが可能になると考えています。

    (質問2) これからの学生との話し合いについて、どうお考えですか?

    〈学生の福利厚生について〉

    (3)学生への経済支援について

    (前提) 京都大学に通う学生の中には、様々な経済的困窮を抱えた人がいます。中には学費や生活費を自ら負担している学生もいます。また実家の経済状況が一定以上の水準にあっても、実家との関係性から仕送りを受けられず困窮している学生もおり、この場合現行の奨学金・授業料免除制度では支援対象外となってしまっています。

    (質問3) こうした学生らが万全の状態で学術研究活動に打ち込めるために、京都大学として為すことができる学生支援について、どうお考えですか?

    (4)学生寮について

    (前提) 現京都大学執行部は、本学の学生である吉田寮生の一部を被告とし、訴訟を起こしています。吉田寮自治会としては、一刻も早く訴訟を取り下げ、吉田寮に関わる諸問題を、話し合いによって解決したいと考えています。

    (質問4) 吉田寮生に対する訴訟について、吉田寮生との話し合いの再開について、どうお考えですか?

    〈学生生活について〉

    (5)CAP制について

    (前提) 京都大学では、1年間または1学期間に履修できる単位数あるいはコマ数を制限するCAP制を、2004年に法学部学部生に対して導入し、現在に至るまで順次導入範囲を拡げて来ています。CAP制の根拠は、文部科学省省令「大学設置基準」第二十一条の「一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、」といった文言にあると推察されますが、この時間数を算定した根拠については示されていません。学生にはそれぞれに興味関心の領域、得意・不得意分野、学習・研究のスタイルといった個性があり、画一的な時間数においてその教育効果を測ることは不可能です。大学現場における教育・研究の実態に疎い文科省が算定根拠を示すことは不可能であるのかもしれませんが、一方、学生の教育・研究を現に行って来た大学現場では、このような根拠の無い数字に振り回されることなく、学生の多様な現実を踏まえ判断をすることが可能であるはずです。根拠の無い学修時間数に固執することは学問に対する冒涜であり、学生や教員に対する制限を加えることで、本学における教育・研究活動が大幅に阻害されてゆきます。

    (質問5) 京都大学における今後のCAP制の運用について、どのようにお考えですか?

    (6)ハラスメント相談窓口の改善について

    (前提) 現在の京都大学のハラスメント相談窓口は、法務コンプライアンス担当理事がトップに据えられており、理事、副学長、総長らのハラスメントについては、客観的・公平に判断することが難しい構造になっています。

    (質問6) このような制度的欠陥を補うために、たとえば執行部や学内諸部局の利害とは独立したハラスメント対応窓口の設置の可能性などについて、どうお考えですか?

    (7)留学生への言語保障について

    (前提) 現在、京都大学にはおよそ2,700人以上の留学生が在籍し、これは京都大学の学生全体のおよそ12%を占めます。留学生の中には日本語を第一言語としない者、日本語の使用が得意でない者も多く存在しますが、現在の京都大学による情報の発信や窓口での対応は、日本語の使用が得意である者を前提としており、日本語を第一言語とする者と日本語を第一言語としない者の間で明確に格差が生じています。

    (質問7) 今後、こういった格差を是正するための具体的な方策について、例えば通訳を専門とする職員の雇用・拡充、通訳機会の保障などについて、どうお考えですか?

    〈京都大学の今後のあり方について〉

    (8)今後の抱負について

    (質問8) 京都大学の今後の理想像、目指すべき方向性について、どのようにお考えですか?

    吉田寮自治会

    住所:京都市左京区吉田近衛町69番地 京都大学吉田寮

    電話番号:070-3870-3599

    メールアドレス:yoshidaryo.jichikai@gmail.com

  • 2020年6月29日:吉田寮の感染症対策に関する大学当局との交渉についての報告

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    吉田寮の感染症対策に関する大学当局との交渉についての報告

    2020年6月29日

    吉田寮自治会

     吉田寮自治会は4月1日、「吉田寮における新型コロナウイルス対策と京都大学への協力要請」を発表し、大学当局に対し新型コロナウイルス(COVID-19)感染症対策の協力を求めた。本件に関するその後の大学当局の対応と交渉状況の概要について、ここに報告する。

    1、衛生用品(マスク、消毒液など)の支給について

     4月14日時点の大学当局の回答は「現時点では衛生用品の備蓄がなく支給できない」とのことだったため、入手でき次第他の学内団体と同様に支給を行うよう求めた。しかし29日現在に至るまで、大学当局から本件についての連絡はなく衛生用品の支給も行われていない。

    2、寮生名簿の受領について

     大学当局は感染症対策の一環として寮生名簿を受領することに前向きな姿勢を示した。これを受けて寮自治会は、これまで大学当局が、寮生が吉田寮を退去せざるを得なくなるよう保護者や指導教官への通知などの圧力行為を行ってきたことを鑑み、名簿の提出に先立って「提供した寮生情報を感染症対策以外の目的に使用しないこと」を書面で確約するよう求めた。具体的には、今回提供された寮生の情報について「①新型コロナウイルス対策以外の目的での利用をしないこと ②情報を取り扱う部署を明らかにし、それ以外に提供しないこと ③理事が交代する際には以上のことを引き継ぐこと」を大学法人として約束するという確約文面案を提示した。

     しかし、大学当局(役員会)は、寮自治会の案は受け入れないとして却下し、また疫学上の根拠もなく、寮生の部屋割りに関する情報を含む名簿でなければ受領しない、とした。このため本件については合意に至れていない状態である。

    3、寮自治会との協議について

     寮自治会は、感染症対策について迅速な意思疎通が必要であるという考えから、川添学生担当理事ら決定権をもつ責任者との直接の話し合いを再三求めてきた。しかし大学当局はこれを拒否し、厚生課窓口を介したやり取りでしか協議をしないという姿勢を取り続けている。

  • 2020.6.25 : Request for equal treatment of local and international students when providing future financial support for students affected by COVID-19

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    Request for equal treatment of local and international students when providing future financial support for students affected by COVID-19

    Dear Professor Yamagiwa, President of Kyoto University

    Dear Professor Kawazoe, Vice-President for Student Affairs and Library Services

    On May 19, the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT) announced a plan that the ministry offers a financial support for the university students who suffered economically due to COVID-19. The plan got criticized soon after the announcement for treating Japanese and international students differently. Japanese students are required to submit only financial papers, whilst international student must also meet strict academic requirements to apply for the support. Facing the criticism, MEXT left the matter up to universities to decide whether they would enforce the additional requirements on international students or not.

    On June 2, Kyoto University announced that they would not impose the academic requirements on international students. According to the Asahi Shinbun, President Yamagiwa explained the decision saying that the COVID-19 financial support is different from scholarships for academic achievement as it is for all students facing financial problems. We agree with Kyoto University President Yamagiwa’s view that students should not be discriminated against based on their nationality or academic achievements. However, there are still other hurdles for international students in the application process that Kyoto University has not removed.

    1. Despite Kyoto University waiving the requirement, international students were still urged in the application form to give information as to whether they met the academic requirements set by the MEXT. Furthermore, a technical glitch prevented the application form from being downloaded in English and there was no English-speaking officer at the scholarship bureau to assist. As the application period was only one week, students withoutJapanese proficiency were effectively excluded from the application process.
    2. Students who do not belong to regular programs such as research students or guest students, known by the university as“unofficial students”, were excluded from the scheme. All students are at risk of financial hardship as a result of COVID-19, so it is not justifiable to treat students differently based on their official/unofficial status. Considering the fact that the majority of “unofficial students” at Kyoto University are international students, the exclusion represents discrimination against international students.

    Kyoto University has announced that it will also use its own budget to offer more financial supports for students in addition to the financial support from MEXT. In order to prevent discriminatory treatment against international students, Yoshida Ryo Residents Committee, as a student group at Kyoto University, requests our university to fulfill the four points below.

    We ask that when providing future financial support Kyoto University:

    • not exclude “unofficial” students from the application process.
    • not discriminate against students based on their nationality or academic achievements.
    • improve multilingual services so that students who do not speak Japanese can also apply.
    • extend the application period long enough so that international students have a chance to become aware of the scheme and apply.

    June 27, 2020

    Yoshida Ryo Residents Committee

  • 2020年6月25日:新型コロナウイルス(COVID-19)感染症対策としての経済支援に関する要求書

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    京都大学総長 山極寿一 殿
    京都大学学生担当理事・副学長 川添信介 殿

    新型コロナウイルス(COVID-19)感染症対策としての経済支援に関する要求書

     5月19日より文科省が実施した、<「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』>(以下「給付金」)は、留学生に限って成績や出席率の要件を課しました。これは明らかな外国人差別に他なりません。
     これに対して京都大学は6月2日、京大においては留学生についても成績にかかわらず申請可能とすると発表しました。『朝日新聞』の報道によれば、山極寿一・京大総長は「(給付金は)生活困窮者への支援だ。成績を重んじる奨学金とは目的が違う」「留学生も、経済事情が逼迫している人に支給するのが本筋」と述べて、給付金の留学生要件を批判したとのことです(参考:6月14日付『朝日新聞』「京大総長、学生給付金を批判『留学生差別、おかしい』」)。

     給付金が生活困窮者への支援策であり、国籍や成績により差別されるべきでないという点はそのとおりです。しかし実際の京大の給付金運用においては、以下に述べる2点から、山極総長のこうした主張が反映されていたとは言い難いと考えます。

    ① 留学生(非日本語話者)への対応が不十分であったこと。
     京都大学は上記のように、留学生も成績・出席率にかかわらず申請可能とすると発表しました。しかし実際には、京大ウェブサイトからダウンロードできる提出書類様式は、変わらず留学生に対して成績・出席率の条件を満たしているか申告するよう求めていました。成績に関する情報を審査に用いる可能性も否定されていません。
     また英語版ページでは様式がダウンロードできない、奨学掛窓口では日本語での対応しかされない、などの問題も多発しました。わずか一週間あまりという申請期間において、事実上高度な日本語読解能力が要件となっていたと言わざるを得ません。

    ② 学部・院の正課に属さない、研究生、聴講生、科目等履修生などの学生(大学当局が「『非正規』生」として呼称している学生)が給付対象から除外されたこと。
     京都大学は近年、「正規」生と「非正規」生との福利厚生面での差別化をより強める姿勢を取っています(※1)が、「非正規」生であれ、学部生・院生と同様に、授業料や入学金(それも学部生・院生と異なり決して免除されることがない)の負担に苦しみ、新型コロナウイルス感染症による影響で経済的に逼迫し、大学での学びの継続が困難になっています。こうした人に対して福利厚生の門戸を閉ざすのは学籍種別による差別であり、困窮した学生の切り捨てに他なりません。現大学執行部は「費用負担の違い」を差別化の根拠としています(※2)が、大学とは営利企業と異なり万人の学ぶ権利を保証すべき公的機関です。大学で学ぶために必要な福利厚生は困窮する人があまねくアクセスできるべきであり、支払う金額により待遇を変えることは、経済力による差別でもあり不当です。
     加えて「非正規」生の差別とは、実質的な留学生に対する差別でもあります。なぜなら留学生は、日本人学生に比べ、研究生など学部生・院生以外の学籍で在学する機会が圧倒的に多いからです(※3)。
     以上の理由から、山極総長の言うように「留学生を差別しない」「生活困窮学生への支援」としての給付金事業において、学部生・院生以外の学生を排除してはならないと考えます。
     
     京都大学は5月20日に、感染症による困窮への支援策として学生に一人12万円の給付を行うことを発表しています。吉田寮自治会は、今回の文科省による給付金の問題点を踏まえ、京都大学の一学生自治団体として以下要求します。

     
    (要求)

    今後新型コロナウイルス感染症対策として京都大学が独自に実施する経済支援について、

    1. 全学生を給付対象とし、学部生・院生以外の学生を対象から排除しないこと。
    2. 国籍や学籍種別、学業成績による差別的要件を設けないこと。
    3. 非日本語話者への対応を充実すること。
    4. 十分に余裕をもった申請期間を設けること。

    ※1 授業料免除が学部・院の正課に属する学生のみを対象としていること等が代表的である。直近では、大学当局が吉田寮生に対して立ち退きを一方的に通告した際に、退去期限や代替宿舎の斡旋について、いわゆる「正規」「非正規」の別や在学年数により露骨な差別化がはかられた。

    ※2 2019年1月17日の記者会見で、吉田寮が「非正規」生を含む困窮した学生のセーフティネットとなってきたという指摘に対し、川添信介・学生担当理事は「京都大学の福利厚生施設として、『非正規』学生を受けいれるようにすることは現時点では考えていない」「支払ってもらえるコストによって受けるサービスは違って当然だと理解している」と答弁した(出典:2019年2月16日付け『京大新聞』)。

    ※3 2019年時点で、京大の総学生数の12%である留学生が、学部生・院生以外の学生総数の58%を占める。留学生全体の約2割が学部生・院生以外の学籍である(出典:「京都大学への留学案内 2020-2021」

    2020年6月25日
    吉田寮自治会

     なお、これらの要求を実現するためには、吉田寮自治会だけではなく学内外の様々な主体から声が上がることが重要である。ぜひ、あなたがたの声を京都大学に届けてほしい。

    〈京都大学における関係各所の連絡先〉
    ●代表
     〒606-8501 京都市左京区吉田本町
      075-753-7531

    ●教育推進・学生支援部 学生課 奨学掛
     075-753-2536
     075-753-2532
     075-753-2535
     075-753-2495

    ●教育推進・学生支援部 厚生課
     840kousei@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp

  • 2020年4月6日:吉田寮生・元寮生の追加提訴に対する 抗議声明

    2020年4月5日

    抗議声明

    京都大学

    総長 山極 寿一 殿

    理事 阿曽沼慎司 殿

    同上 稲葉 カヨ 殿

    同上 川添 信介 殿

    同上 北野 正雄 殿

    同上 久能 祐子 殿

    同上 佐藤 直樹 殿

    同上 平井 明成 殿

    同上 湊 長博 殿

    吉田寮自治会

    去る3月31日、京都大学当局は吉田寮生および元吉田寮生(*)のうち、新たに25名を相手取り、吉田寮現棟・食堂にかかる明渡請求訴訟の提起を強行した。これは2019年4月26日の提訴に続く第二弾である。

    さて、現在、新型コロナウイルス感染症の流行は拡大を続け、京都市内においても日増しに多くの感染例が報告されているところである。寮で100人規模の共同生活を営むわたしたちにとっても、これは目下最大の懸案事項となっている。しかしながら、京大当局は、吉田寮への衛生用品の支給をはじめとして、対策のいっさいを拒否している。そのため、わたしたちは独力で感染の予防や対策を講じざるをえず、日々忙殺されている状況にある。

    そもそも、感染症が流行する以前から、わたしたちは進行中の訴訟の対応に労力を割くことを強いられてきた。したがって、現在のこの混乱において京大当局がなすべきだったのはその訴訟の取り下げでこそあれ、けっして新たに訴訟を開始しようとすることではない。京大当局は、吉田寮での感染症対策に協力しようとするどころか、わたしたちがいっそう不要不急の訴訟対応に追われるような結果を招き、喫緊の重大な問題への対応を手薄にさせる状況をつくりだしている。寮生のみならず広く京大の学生や教職員、近隣住民の健康・生命にさえもかかわる問題であるだけに、きわめて悪質であるといえる。

    このように、京大当局がいま再び提訴に踏み切ったことは、非人道的かつ著しく公共性を欠く行為であり、わたしたちは最も強い言葉でこれに抗議する。京大当局においては、ただちにこれらの訴訟を取り下げることを求める。

    *2019年3月時点で京大の学籍があったが、その後卒業し吉田寮からも退寮した者。

  • 2020年4月1日:吉田寮における新型コロナウイルス対策と京都大学への協力要請

    吉田寮における新型コロナウイルス対策と

    京都大学への協力要請

    文責:吉田寮自治会

      新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、吉田寮自治会は寮生の感染防止のために消毒液の設置、寮生へのマスク配布等の対策をおこなってきました。2020年春季入寮希望者に対しては、発熱のある方、感染の可能性が考えられる方への面接延期の対応をとりました。しかし、全国的な感染爆発の可能性も排除できないとされている現状において、多くの学生が生活する学生寮ではより一層の警戒と対策が必要になると私たちは考えています。

      そのためには大学との連携が必要不可欠ですが、現状ではそのような協力ができていないという事実があります。先日も寮担当の窓口で衛生用品の支給と寮生を把握するのに必要な寮生名簿の受け取りを要求しましたがどちらとも拒否されてしまいました。これらは従前定期的に行われてきましたが、現在の状況下においてはいっそう切実に必要なものであると考えています。京都大学に対して一刻も早く吉田寮自治会との連絡の再開、協力体制の構築に努めることを強く求めます。

      そこで吉田寮自治会は新型コロナウイルスへの対策のため京都大学に以下の要求を行います。

    • 消毒液やマスクなど衛生用品の支給
    • 吉田寮生名簿の受領再開
    • 新型コロナウイルス対策のための吉田寮自治会との迅速な協議開始
  • 2020年3月6日:2020年春季入寮面接について/2020 Summer Semester Application for Yoshida Dormitory(Yoshida Ryo)/关于2020年春季吉田寮入住面试/요시다 기숙사 2020 년 여름 학기 신청 (요시다 료)

    (日本語)既に告知している通り、吉田寮は2020年春季も予定通り入寮募集を行います(詳しくは、以下のウェブページに掲載している募集要項をご覧ください:yoshidaryo.org/enter/)。入寮面接も予定通り行います。

    ただし、新型コロナウイルスの感染が拡大している昨今の状況を鑑みて、特別な措置を取ることとします。吉田寮への入寮面接を希望している方で、新型コロナウイルスに罹患した方及びその疑いのある方、感染を避けるために正規の面接期間に寮に来られない方に関しては、事前にその旨メールしてください。メールを送って頂いた方には期間外の面接を実施します。

    なお、自治会としてはマスクや消毒用アルコールを確保するなどの対策を講じており、今後も感染拡大防止に努めていきます。

    そのほか、個別に懸念事項・質問事項などがある方は下記アドレスまでご連絡ください。感染症が流行しており先行きも不透明な状況ですので、個々の状況に応じて柔軟に対応いたします。入寮を検討しておられる方にはできる限りのサポートをしたいと考えておりますので、ためらわずに相談をしてくださいますようお願いします。

    2020年3月6日 吉田寮自治会

    yoshidaryo.nyusen@gmail.com

    (English)

    As we announced, we will conduct the selection for new residents this 2020 spring. (The detail information is here : yoshidaryo.org/enter)We will also conduct the interview.

    However, taking in account that corona virus is now spreading, we conduct special support.

    To students who want to take the interview but cannot come to the dormitory because they are catching corona virus or avoiding chances of catching it. You can take the interview on extra date only if you send us an email in advance.

    Of course now we try and will try not to spread it by preparing medical masks and hand alcohol.

    Please feel free to consult us everything. We will take every measure as flexibly as possible.

    2020.03.06 Yoshida Dormitory Residentsʼ Association.

    yoshidaryo.nyusen@gmail.com

    (中文)

    在此重申,吉田寮2020年春季的入住申请也在照常募集(详细信息请浏览链接内的募集要点:yoshidaryo.org/enter)。入住面试也将如期举行。

    但是考虑到最近新型冠状病毒传播不断扩大的情况,我们打算采取特别的应对措施。在申请入住吉田寮希望接受面试的申请者中,如果有存在因为罹患了新型冠状病毒肺炎以及疑似感染的,或者是为了降低感染的风险而在近期无法来到吉田寮等情况的,请事先通过邮件与我们取得联系。我们会为通过邮件说明情况的申请者在另外的时间段安排面试。

    另外,自治委员会当下也在推行保证口罩以及消毒用酒精供应的措施来应对今后感染规模的扩大。

    如果还有除上述以外的个别的疑虑以及问题的申请者,请通过下方的邮箱和我们取得联系。在病毒流行的当下,我们会针对每个个人的情况灵活处理。对于考虑入住的潜在申请人我们愿意提供尽可能的帮助,因此如果有任何问题请和我们联系。

    2020年3月6日 吉田寮自治会

    yoshidaryo.nyusen@gmail.com

    (한국)

    일전의 공지대로, 요시다료는 2020년 봄학기도 예정대로 기숙사생 모집을 진행합니다. (자세히는 아래 웹 페이지에 게재되어 있는 모집 요강을 참고해주세요.:yoshidaryo.org/enter). 요시다료에 들어오기 위한 면접도 예정대로 진행합니다.

    다만, 코로나19 바이러스 감염이 확대되고 있는 최근 상황을 고려해 특별조치를 취하게 되었습니다. 요시다료에 들어오기 위한 면접을 희망하시는 분 중에서, 코로나를 앓거나 의심되는 분, 감염을 피하기 위해 정규 면접기간에 료에 오기 어려운 분은 사전에 메일로 연락해주시길 바랍니다. 메일을 주신 분은 기간 외에도 면접을 실시합니다.

    더욱이, 자치회는 마스크나 소독용 알코올 확보 등의 대책을 강구하여, 앞으로도 감염확대 방지를 위해 노력할 것입니다.

    그 외에도 개별적으로 걱정이나 질문거리가 있다면 무엇이든 아래 주소로 연락주시길 바랍니다. 감염증이 유행하고 있고 그 전망도 불투명하기 때문에, 개별의 상황에 맞추어 유연하게 대응하겠습니다. 요시다료에 들어오는 것을 검토하고 계신 분들께는 가능한 한 서포트 해드리고 싶다고 생각하고 있으므로, 망설임 없이 상담을 요청해주셨으면 합니다.

    2020년 3월 6일 요시다료 자치회

    yoshidaryo.nyusen@gmail.com

  • 2020年吉田寮紹介パンフ完成!

    2020年吉田寮紹介パンフ完成!

    吉田寮紹介パンフ完成しました

    2020年版吉田寮紹介パンフレット(143MB)

       Yoshida Dormitory Introduction Pamphlet 2020

    (紙媒体のものは吉田寮にて配布しています。郵送などについては下記参照)

    過去のパンフレットなどはこちら

  • 2020年2月20日:京大当局による吉田寮生・元寮生への脅迫に対する抗議声明

    京大当局による吉田寮生・元寮生への脅迫に対する抗議声明

    2020年2月20日 吉田寮自治会

    2020年1月21日、「吉田寮現棟に係る占有移転禁止の仮処分の執行とその後の状況について」と題する書面が京都大学学生担当理事・副学長川添信介名義で発出され、吉田寮現棟・食堂の占有権限を持つ債務者の一部とその保護者宛に送付された。

    本声明は上記の事実を報告しかつこの度の書面送付における種々の問題点を提起するものである。当該の書面については、宛名の債務者個人名のみを伏せ末尾に添付する。

    この書面は、2019年1月17日及び同年3月4日の吉田寮現棟・食堂に対する「占有移転禁止の仮処分」において、吉田寮現棟・食堂の債務者として固定された全80名のうちから、現在進行中の現棟・食堂明渡請求訴訟の被告として選抜された20名を除き、かつ3月4日以降に吉田寮からの退去を報告する「誓約書」を京大当局に対して提出した者を除いた者達に送付されている。

    この書面で京大当局は、2020年2月10日という期限を一方的に定めて「退去報告書」を出すよう迫り、「期日までに提出のない場合又は退去報告書に不備がある場合は、本学は、貴君を被告として現棟の明渡請求訴訟を提起する方向で検討する」と述べている。「退去報告書」とは、京大当局が書式を指定しており、吉田寮退去後の住所の証明書類の提出と、「京都大学に許可された場合を除き、吉田寮現棟・食堂に一切立ち入らないことの誓約」を求めている。

    今回京都大学が送ってきた書面は、大学当局に話し合いを求め続けている寮生のうち被告とされていない者に対して、提訴をちらつかせて圧力を掛け、なかば強制的に誓約書にサインさせ、吉田寮から追い出そうという大学の姿勢の表れである。何度も大学に対して話し合いを求めてきた(※1)寮生達に対して、話し合いに応じるのではなく、更に脅迫を重ねるという強圧的な姿勢を取っている。

    川添理事らは”歴代の学生担当理事がサインしてきた吉田寮自治会との『確約』は有形無形の圧力の下個人が勝手にサインしたものなので京大としては無効”だと主張している(※2)。このように、過去に京大当局の役職者と寮自治会が交わした約束を勝手に反故にし、吉田寮自治会との合意形成はしないと言い張り、寮生を恫喝をもする川添理事が、寮生に対しては「学生担当理事・副学長 川添信介殿」に誓約しろと迫る姿勢は、理事自身の発言とも矛盾している。一方的に短期間の期限を定め法的措置をちらつかせたこの状況で、仮に寮生が誓約書にサインしたとしても、これこそまさしく「有形無形の圧力」下のサインであり、自由意志による拘束力のあるサインとは言えないことは、言うまでもない。

    「占有移転禁止の仮処分」当時に債務者とされた寮生の一部は、2019年3月に京都大学を卒業したことに伴って吉田寮を退寮し、他府県に進学・就職した者もいるが、京大当局はそれらの学生に対しても京都大学を卒業したことを把握した上で尚上記書面を送り付けている。

    卒業生の中には、2019年3月に「京都大学を卒業するので吉田寮を退寮し、他県の大学に進学する」と京都大学厚生課窓口に自ら進路報告を行った学生もいたが、京大当局はその学生の進学先である他大学の教務に対してまで、この書面を送り付けた上で「当該学生が確実に書面を受け取ったか京大に報告せよ」と伝達していたケースまである。

    京都大学が提訴するとしている明渡請求訴訟とは、建物を居住するなどして占有している者に対して起こすものである。既に京都大学を卒業し他府県への転居を報告した卒業生が吉田寮の建物を占有していないことは、何より当該の卒業生から直に進路報告を受けた京大当局こそが把握しているはずである。また、吉田寮自治会は大学との約束通り(※3)、毎月寮生名簿を作成し厚生課窓口に提出し続けており、この名簿は各寮生個人の入退寮報告としての意味も持つ。この寮生名簿を、京大当局の都合で2018年4月より受け取りを拒否し続けているのである。

    このような経緯の上で京大当局が卒業生に書面を送付した行為は、京都大学を卒業し新天地で生活を送っている卒業生に対する迷惑行為であり嫌がらせに他ならない。

    そもそも吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟は京大当局が寮生からの話し合いの要求を無視し続けた挙句、現寮生の中から20人を選択し訴えたものである。経緯の不当性もさることながら、自ら被告とした学生たちを見せしめに使用する行為は大学として、教育者としてあるまじき行為であり、これを吉田寮自治会は断じて許すことはできない。

    吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟は、京大当局のたった8人の現執行部のみで決定されたものであり、吉田寮生、寮関係者はもちろんのこと、学内外の地域の人々や卒業生から教授陣に至るまで広く反対の声が上がっている。

    吉田寮自治会は京都大学当局に対して改めて、このような自分たちの大学の学生を見せしめとまでするような恫喝訴訟を取り下げ、一刻も早く現棟の改修を含め吉田寮の今後の在り方について寮自治会との話し合いを再開するよう要求する。

    (※1)吉田寮自治会から京大当局に対する話し合いの要求は、以下に紹介する公式発表文書や、山極総長・川添理事らへの直接的な伝達、および厚生課窓口を通した間接的な伝達など、幾度にも及ぶ。

    • 2018年10月17日 吉田寮自治会「公開質問状ならびに要求書」
    • 2019年1月19日 吉田寮自治会「京大当局による『占有移転禁止の仮処分』申し立てに対する抗議声明」
    • 2019年2月20日 吉田寮自治会「表明ならびに要求」
    • 2019年3月16日 吉田寮自治会「要求書」
    • 2019年5月5日 吉田寮自治会「吉田寮現棟の明け渡し訴訟に対する声明文」

    (各声明文は吉田寮公式サイトに公開されている)

    (※2)川添理事「確約書はこれまで『団交』という場で結ばれてきた。その団交というものが…(中略)…数の力による有形無形の圧力のもとで、長時間かけて、自治会の主張を何とか大学側に認めさせる、そういう形態をとっていたと理解している。だから、サインしてきたというのは事実だろうけれども、お互いの自由意志に基づく形の確約書であるとみなせない。また、確約書が、大学の公式な手続きを経て、サインされてきたわけではない。これらのことから、私としては、それ(確約書)に拘束されるものではないと理解してきた。」

    (京都大学新聞社「2019年1月17日川添理事記者会見」http://www.kyoto-up.org/archives/2813

    川添理事の主張に対する反論は2017年12月26日付け「『吉田寮生の安全確保についての基本方針』に対する抗議声明」で述べているため参照されたい。なお「確約書が大学の公式な手続きを経ていない」という主張に対する明示的な反証の一つとして、大学評議会の承認を受けた、河合隼雄学生部長(当時)との合意事項(後述)が挙げられる。

    (※3)「1989年4月以降、在寮者名簿の提出、及び寄宿料の支払いを毎月初め、一括して行う。/寮自治会と確認した以上の諸点に関して、学生部長名文書に記述し次期以降の学生部長に引き継ぐ。/今後も継続して、学生と公開の場での話し合いを行う。他の厚生施設に関しても、当事者と話し合うことなく一方的な決定を下さない。」

    (河合隼雄学生部長「吉田寮問題について」(1989年)https://zaiki.github.io/p512.html より、合意事項の一部を抜粋)

    添付資料

    200121吉田寮現棟に係る占有移転禁止の仮処分の執行とその後の状況について_抗議声明用