2026年6月5日
吉田寮自治会
先日5月29日に、京都大学当局は「令和8年5月29日付告示 第4号」1なる文書を発出した。
前提として、当該文書で言及されている照明の点灯やフェンスの損壊等は、吉田寮自治会が行なったものではなく、また原因についても関知していない。
そのうえで、当該文書のなかで、当局は現棟について「本建物および敷地は、所有権に基づき、現在、国立大学法人京都大学が管理・占有しており、在寮資格があるとされた者も含め、一切の立入りを禁じている」と述べているが、以下に説明する経緯を踏まえれば、これは不当である。
まず大前提として、当局が吉田寮生に対して提起した吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟は、昨年8月に和解をもって終結したが、この和解において吉田寮側が現棟への立ち入り禁止に合意したという事実は無い2。
その前提のもと、吉田寮自治会は3月末の現棟からの一時退去に先立って、一時退去後であっても必要がある場合には立ち入りを認めるよう当局に要求しており、必要がある場合として具体的には以下の2つを例示していた。
まず、現棟で火災等が発生した場合が挙げられる。この場合には、初期消火等を遅滞なく行なうために立ち入る必要がある。現棟は吉田寮食堂や学生集会所に隣接しており、これら2棟への延焼を防ぐことは人命救助の観点から重要である。また、文化財級の歴史的・建築的価値を有する現棟3を最大限保全するためにも、迅速な対応は不可欠である。
次に、吉田寮自治会として現棟の耐震工事案を当局に提示するのに先立って、検討段階において専門家を伴って現棟の視察を行なう場合が挙げられる。現在、当局は吉田寮自治会との交渉を拒絶しているが、本来であれば京都大学の理念に基づき、また両者間で結ばれてきた確約に基づいて、現棟耐震工事の内容を含む吉田寮に関することがらは対話によって決定されるべきである。吉田寮自治会と当局が現棟耐震工事の内容について交渉する際、当局側のみが現棟に立ち入って視察を行なうことができ、他方で吉田寮自治会側は視察を行なうことができないという状況は公正とは言い難いうえ、建設的な議論をもとにより良い耐震工事計画を策定するという観点からいっても多大な損失である。
吉田寮自治会が、以上2つの場合における立ち入りを認めるよう要求するとともに、本件について話し合いで決定されるまでの間は現棟外周にフェンスを設置しないよう要求したのに対し、京大当局は十分に応答しない段階でフェンスの設置を強行した。
今回、フェンス設置の強行に続いて、京大当局は「告示第4号」で一方的に「一切の立入りを禁じている」旨を表明したが、こうした行為が吉田寮自治会と京大当局との最新の包括的な確約書4の項目1「大学当局は吉田寮の運営について一方的な決定を行わず、吉田寮自治会と話し合い、合意の上決定する」に違反していることは明確であり、不当である。吉田寮自治会の関与していない事象を口実に当局が一方的な決定を行なうことは断じて容認できない。 吉田寮自治会は、京都大学当局に対し、「令和8年5月29日付告示 第4号」を、同様に一方的で不当な決定であった4月14日付けの「吉田寮現棟建替え・現棟建替えにより創出される敷地の活用方針について」5とあわせて速やかに撤回するとともに、一刻も早く対話を再開することを要求する。
- 「令和8年5月29日付告示 第4号」
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2026-05-29 ↩︎ - 2025年8月25日に京都大学と吉田寮の間に成立した和解の条項
https://www.yoshidaryo.org/archives/sosho/3838/ ↩︎ - 吉田寮、その価値は 「国の重文級」中川理・京都工芸繊維大名誉教授:朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASV3W124BV3WUCVL01VM.html ↩︎ - 150212確約書
https://www.yoshidaryo.org/archives/kakuyaku/397/ ↩︎ - 「吉田寮現棟建替え・現棟建替えにより創出される敷地の活用方針について」
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2026-04-14-1 ↩︎
声明のPDFはこちらからダウンロードできます。
https://drive.google.com/file/d/1AQz9EojOsf__s-Xkuxjp-JEKoD9fXuyb/view