文責:マタヒバチ 丹生 みほし
年: 2021年
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International Conversation ~違いを知ろう~
文責:M45
吉田寮は対話を重んじる。この「対話」は、勿論単なる会話と思ってもらっても差し支えないと思うのだが、「吉田寮は」という主語の元ではその限りではない、と寮生と付き合い、会議したりして意見を交えることで感じるようになってきた。およそ一年間寮で生活した私の稚拙な理解をあえて述べるならば、対話とは、「異なる背景を持つものが、常識を押し付け合うことなく、双方が納得するまで意思疎通を継続すること」である。このステップはどれも難しく、大変なエネルギーを弄するもので、普段の会話とは完全に異なる。中でも困難であるのが「異なる背景」を知ることで、留学生は言うまでもなく、同じ日本人でも真剣に対話してみるとここまで価値観が違うのか、と驚き半分うんざりさせられる。そこで本稿ではこの背景の違い、即ち吉田寮の多様性に目を向け、日本人と留学生の寮生にインタビューした内容を対談形式で書くことにする。私が言うのもおこがましいが、本稿を通じて多様性の幅広さやその奥ゆかしさを少しでも感じ取ってもらえればと思う。こんなに多様な考え方に我々は晒され、そしてもしかするとあなたも晒されることになるかもしれないのである。
M45(著者)「皆さん、今回は快くインタビューを受けてくださってありがとう!簡単に自己紹介をしようかね。まず俺から、名前はM45、男、華僑二世で生まれも育ちも日本です。専攻は材料工学でビリヤードが趣味。日本語と英語、中国語を少し話せます」
Noemi「Noemiです!生まれも育ちもスイスです。性別は女。いろんな風習に興味があって、東南アジアの地域研究をしています。趣味は裁縫。フランス語話者です!」
チョウ「チョウです。中国出身で向こうで育ちました。男。専攻はコンピュータサイエンスで京大で修士号と博士号を取り、今は卒業して働いています」
M45「OB枠ですな。ちなみにビリヤード仲間!」
Otherwise Homeless March「Otherwise Homeless March(著者注:以下OHM) です。ニックネームの由来は後程、、」
M45「乞うご期待(ゴクッ、、)」
L「フランス系イスラエル人(ユダヤ系)のLです。フランス語とへブル語、英語を話せます。あと日本語を話す振りができる。歴史、文化、農業に関心がある」
M45「NoemiとLは時々フランス語で話してるのを見かけるな。何言ってか全くわからん(笑)」
S「25歳の秋田人。仏教徒で社会福祉を専攻しています」
M45「いわゆる日本人寮生は僕とSの二人やな」
SuzuTong「中国人の女性です。母語は中国語で、英語も話せます。日本語もある程度。あとわずかにイタリア語。外向的で人当たりがいい。新しい物好き。料理好きで歴史とか旅行にも興味あるね。『食彩の王国』と『月曜から夜更かし』が好き!大気科学を専攻していて、自身は東アジアのモンスーンや日本の梅雨について研究しています」
M45「自己紹介はこんなもんやね、では質問していきます!Q1:みんなはなんで吉田寮をえらんだんですか?理由とかありますか?そもそもどこで寮のことを知ったんですか?」
S「恋に落ちるように、知らぬ間に入寮してました、、、」
M45「詩人か!寮好きすぎるでしょ(笑)入寮の経緯と動機は?」
S「なんか面白そうなところをネットで偶然見つけて、高校のときね。そこからは芋蔓式。気が付いたら入寮してた(笑)恋っていうのはわくわく感が強いからだね。あと寮をネットで見つけたときビビッと来た。入寮動機は人と違う大学生活を送りたかったから、ウン」
OHM「これは僕のニックネームにかかわる話だね」
M45「早速聞けるのか!」
OHM「最初京大に入学しようと思ったときに寮のこと知ったんだけど、大学の公式サイトで、そこは入寮募集してないと書いてあって、いったん諦めたんだよね。でもその後吉田寮が実は入寮募集してることを知って、いろいろ理由はあるけど、主に経済的な理由で入寮したね。」
M45「それは本質情報やな、当局は別に入寮募集を停止させる権利を持ってないから、昔も今も自治会として入寮募集をしてるんや。本質情報やぞ!!受験生読者諸君!!!」
OHM「そうだな。しかもパンデミックがこんなに長引くとは思ってもなかったし、バイトもなくなってしまったから、もし入寮してなかったら完全に詰んでたと思う。 Otherwise Homeless March
だよ!!」
M45「Otherwise Homeless Marchなるほどもって。実際寮生は経済的に困窮してる人が多いから、寮費が安いのは魅力的やんね。他にもそういう人多いんでない?」
Noemi「私も。ある年、来年の経済状況がはっきりしなくなって、安い寮に引っ越そうと決めたましたね。理由として他にも、一人暮らしに飽きたからっていうのと、吉田寮の包括的な意思決定が魅力的だったことがありますね」
M45「包括的っていうのはウマいな。例えば、吉田寮の定例会議は全会一致で、みんなの意志をできる限り反映した意思決定するという方針が取られてるしね」
チョウ「安いのはマジで大きい。僕の場合、他にもキャンパスに近いことと、寮外との交流の機会が多いこと、あとCoolなヤツらとイベントが多いからだね」
L「はいはい。私が入ったのは経済的な理由でもキャンパスに近いからでもない。僕はここの歴史に価値があると思っていて、本当にその一部になりたいんです。最初、数年前にここにきたとき、すぐにこの場所は特殊だと感じた。でも当時私は学籍を持っていなかったので、数年後実際に入学して自分の部屋をもらったときは本当に幸せな気分になったね」
M45「なんか吉田寮愛を語る企画みたいになってきたな。入寮動機は人の数だけあるよな。俺もLと似てる。浪人一年目の三月(現役で不合格まちの一週間の間)の時に寮をみてビビッと来て京大受験を決意したね。ここに入るためなら、もし今回落ちたら、一年ぐらい屁でもねーわと(笑)ワンチャン阪大落ちてないかなーと思ったらマジで落ちたからこれはめぐり合わせ」
SuzuTong「日本に来る前にテレビで寮のことをやってて強く興味をひかれた。いつか住みたいと思ったね。吉田寮のことを知れば知るほどそこに住みたいと強く感じるようになった。実際に住んでみて雰囲気は最高だしみんな優しくしてくれる。平常時ならイベントもたくさんあって、いろんなバックグラウンドの人と考えを共有したり日本文化を学ぶのに有益だよね。」
M45「コロナがないときはイベントだらけだよね!歴史のパネル展示から、ただただはっちゃけるだけのものとかいろいろあって楽しい(笑)」
「さて次の質問に行きますか。Q2:さっきもちらっと話に上がりましたが、皆さんはどのような形で自治に参加してますか?できてない人もいると思いますがそれはなぜですか?ちなみに僕は評議会です。寮内の定例会議、総会を取り仕切る委員やね。やっぱり意思決定に積極的にかかわりたいから」
Noemi「最近は研究が忙しくて参画できてないねー。でも評議会は信頼できるし、寮を動かしてくれる全寮生に感謝!」
S「隣人関係の基本は持ちつ持たれつ。いつもほかの寮生に支えられているので、自分の得意なことで自分の属するコミュニティに貢献出来、そういう実感を持ちながら生活できるのは素晴らしいことですね。自分は例えば通訳や郵便物仕分け、廊下の掃除、とか好きなことをやる。役割があると存在意義を感じれて、居心地がいい」
M45「吉田寮は、住居と言うよりコミュニティ感を日々強く感じるな。やっぱり自分一人では何もできないし、だからこそ自分ができることを少しでも多くやろうと思える。でも留学生にとって言語の壁は大きいのでは?」
チョウ「全力を尽くしたが、言語の壁は大きかった。日本語苦手だから、、、(著者注:彼はよくこれを言ってましたね)なので自治には積極的に関与しなかったけど、寮内のイベントとかには活発に参加したよ!バンドもやってたし」
S「これは寮の課題だな。マジョリティの日本語話者が積極的にサポートする必要がある」
L「私も時々議題を通したいときに総会に出るけど、日本語能力に長けていないことと、総会の雰囲気がピリピリしてるせいもあってかいつも苦労する。」
M45「確かにLはいつも総会で苦労してるね。」
L「大体は議題が却下されて、そのたびにすべてを投げうっちゃいたくなる。皆新しいこと提案するより批判することを好むんじゃないかな。そんなんでは寮がとても保守的になってしまうし、昔からあるルールに盲従し疑いもせず、新しいアイデアは生まれる前に潰されるよね。だから私は個人によるイニシアチブが自治の参画にはより効果的だと思う。あまり賛同は得られないだろうけど。例えば鶏を自分たちで育てて食料の足しにしたり、本当の自治は食料の自給自足、文化的活動を通したコミュニティの活性化そして紙面による現状への反映がリンクしている。」
M45「評議会にとっては頭が痛くなる意見や。でも変化がゆっくりとしか起こらないのは対話を重んじる寮にっとては避けがたい。みんなの意見を通そうと思うと自ずと反対意見も考慮しなくちゃならない。労力がエゲツナイから嫌がる人も多いのもまた真なり。一方で、他人の意見があまり関係ないところで個人的に寮に働きかけるのも大切。このインタビューも僕が勝手にやってるからなぁ。勝手に何かする人がいて寮内も多様性に満ち溢れる。中庭の鶏は寮の名物、卵も美味しい!」
「つぎ行きますQ3:文化の違いを経験したことは?これは大なり小なりあると思います。文化と言ってもテーマ性が広いので自由に体験談を教えてください!」
OHM「文化っていうよりは慣れ不慣れのために起こること、ととらえる方が適切じゃないか?」
M45「そう思うならそういう筋の話でもいいよ。文化ってワードは方便に過ぎないから」
チョウ「寮生はたばこ一本にわざわざ10円20円払ってくる。中国じゃタダで分けるけど、なぜなんだろう」
M45「貧乏だからお互い物をもらうと申し訳なくなっていくらか払うんかな?(笑)これは吉田寮特有やね。ビールもお菓子も大体いくらか払うよな。まえチョウくんが卒業するときにご飯いっぱい作ったけど、その時も他の寮生はなんぼか払ってくれたわ(笑)」
チョウ「あと日本人は寛容かもしれない」
M45「と言うと?」
チョウ「僕は前ロン毛の時期があったんだけど、中国では皆不思議そうに見てくる、特にトイレに入るとき(笑)」
M45「小さいことだけど、寛容な視線があるとないとでは大違いやな。俺の中国の親戚も俺がロン毛にしたとき、女みたいだから早く切れって言ってたな。少なくとも俺の経験上、日本ではバイトや就活とかだと男は髪が短くないと印象が悪いこともあるけど、日常レベルではなにも起こらない」
L「文化の違いは日々感じるよ。印象的だったのが、二年前、授業で京都市動物園に行った時の話だね。先生が明らかに間違った指導をして、そのまま行くとグループ全体の動きが悪くなるのに、誰も指摘しないんだよね。みんな子供じゃない、大人なんだぞ?フランスでは7歳の子供でも先生の間違いを指摘するもんだが、こういった文化の違いは、自分がどれほどフランスの文化を価値あるものと考えているかを教えられるね」
M45「7歳から!それは見てみたい。まあでもそれにはいろんな要因があるだろうね、日本人は周りの目を気にするから、自分が間違えてたらどうしようとか思っちゃって抑制がかかるんよなぁ。あと目上の人の顔を立てがち。その人の立場を考えて困らせないようにしようという、これまた抑止的効果。」
L「逆の経験がある。一回調査のために日本の限界集落に後輩と行った時の話だ。村人への聞き込みをやったとき、もちろん会話は後輩がメインでやってくれるけど、私が何か無礼なことをしてなかったか後で聞くんだけど、いつも『うーん、まあ大丈夫です、そんなことないっす』みたいに何も言ってくれなくて改善のしようがない(笑)同様に教授も授業の改善ができないと思うから生徒がいろいろ言った方がいいと思うんだよね」
M45「そうか、逆に困るのか!敬語の問題もあるんじゃない?吉田寮は敬語を使わないやん?」
L「吉田寮は特殊だね。ヒエラルキーがなくてフラット。総会でも先輩とか関係なくズバズバモノ言うでしょ(笑)」
M45「Noemiは何かある?」
Noemi「やっぱりなんでも文化の違いよ。特に日本人は簡単なことでも遠回しに言いますね。スイスでは簡潔に言えば十分なことが多いのに、日本ではいつもばつの悪そうな文章が好まれるんですよ。お手数おかけしますが、よろしくお願いいたしますってね。そんなことしてるとビジネスの業界では関係性を上手く構築できないでしょ。」
M45「俺もうんざりやわ(笑)バイト先にメールするにも、冒頭に『お疲れ様です』とか『お世話になっております』、最後に『お忙しいこととは存じますが、よろしくお願いいたします』とか書く。正直、大体の場合、角が立たない以上の意味はないよ」
Noemi「コミュニケーションで言うと、日本のハイコン社会に慣れるのに時間がかかったわね」
M45「ハイコン?」
Noemi「High Context文脈以外の情報を重視するってことよ」
M45「要するに日本人が本音を言わなかったり、空気を読んだりするってことか」
Noemi「そうね、最後まで言い切らずにこちらに理解を求めてくるでしょう?実家にかえったときに文章を半分で切って話してみたら家族はおろか弟も私の言いたいことを誤解してたのよ!しかも日本人も私の話を途中で遮っておいて結局正しく理解できてなかったこともありましたね!(笑)」
M45「迷惑すぎるww」
SuzuLing「中国ではケツポケットとか口の空いた鞄に貴重品をいれたりすることは絶対ない。注意不足で物をなくすなんてありえない。だから日本人は外国ではターゲットにされるのよ。でもそれは日本の集産主義と倫理観やモラルがしっかり教育されてるためでしょうね。中国とかヨーロッパのいくつかの国では貧富の差が激しく、モノが足りないために、不適切な方法でモノを奪取しようとするのが傾向としてある」
M45「それはよく言われるね。やっぱりいいカモなんだよな。僕もツアーで欧州に行ったとき団体の人が危うくカモられかけてた。中国にも数年に一度帰るけどまだそんな経験はないな。」
チョウ「確かに日本の治安はいい」
「Q4:日本について受け入れがたいと思うことは?これは前問に続く感じやな。誰から行くか?」
SuzuLing「受け入れがたい、というよりは、理解できないことならあるよ。ヒエラルキーが強いのと"No-no"現象ね。グループでデスカッションするときに日本人はとりあえず『そうですね』って言って終わるの。でもそれで本当にいいのかわからないしこのまま自分が喋っていいのかと不安になる」
M45「さっきのLと同じやないか(笑)やっぱり日本人は主張がないと言われるのは留学生も強く感じてるんやな。でも稀有な人もいて、一回の夏、世界の環境問題について、英語論文を読んでディスカッションしよう、みたいゼミの話。初回授業の終わりに60手前の教授が「質問とかありますか」って言ったら、対面のおないくらいの男子が「先生は環境にやさしくしたいですか?ならエアコンを消せばいいと思います」って言うんやで!?こいつマジかぁ思て笑いこらえるのに必死やったわ(笑)そのあと教授もテンパってなんも言えんくなってたらそいつが「消さないんですか」って。んで教授が消したな」
L(爆笑)
L「それヤバいね。私も言うと、これまた多々ある。特に日本社会におけるの女性の立ち位置にはhorrifiedね」
M45「立ち位置?」
L「そう、日本の女性はBeautifulよりもCuteになろうというのが現代のスタンダードだろう。しかもこのCuteと言うのは子供っぽさを形容するもので、日本女性は子供っぽい外見と行動を社会から求められていて、ジェンダーロールもそれに批准すべきだと信じている。そうなると彼女たちは権利と正当性を失って男性支配のもとに置かれてしまうよ。2020年の日本の世界男女格差指数は過去最低で153か国中121位だったんだ。先進国なら物質的な富だけではなくて、国民が社会の中でどういう状態に立っているかにについても目を向けるべきだよ。」
M45「なかなか極端な意見だな。でもCuteとBeautifulの違いも国によって認識がさまざまやけど、具体的にどういうとき、日本人はCuteに振舞ってると思う?」
L「電話口。日本に来て最初の彼女はほんとにパワフルな人で、体つきもしっかりしてたけど主張も強かった。僕に対しても語気が強くて、Cuteという感じではなかった。でも電話に出るときはネズミみたいな小さい声で話すんだよ(笑)そういう時はやっぱCuteって感じるかな」
M45「それはわかる、中川家のコントでもオカンは電話口でハイトーンボイスになるしな(笑)フランスでBeautifulというとStrongみたいなことも含むの?」
L「そうかも。あと日本人はKawaiiって言葉よく使うじゃん。Sexyとかより、女性の容姿を評価するときにKawaiiっていうよね。男の容姿を言うときもそうでしょ」
M45「確かに!Beautifulっていうとキザというか、そもそも日常的にもKawaiiが好まれるね。Kawaiiは何かを愛でるというニュアンスが強いから、それ自体日本人の趣向を反映してるかもな」
S「ゴキブリと言う謎の生命体」
M45「そうかSは秋田から来たからGは未確認生物やな(笑)感想は?」
S「一匹いたら百匹いると思えって感じ。特に寮はおおいよね(笑)あ!あと関西特有の『知らんけど』にはほんとに何回も裏切られた。関西の人ってストレートに物申す印象が強かったから、最後に一言『知らんけど』って言われると、そこは押さんのか!って言いたくなる(爆笑)最近は慣れたけど最初はほんとに結論をはぐらかされた感じがして戸惑ったな、真面目に受け取ってしまうから」
M45「あれはスルーしていい(笑)関西人はストレートやけどいい加減でもあるから、とりあえず『知らんけど』を使えばいいと思ってる。いわゆる『そんな感じ』とでも思っとけば?(笑)知らんけど」
チョウ「僕は特になかった。日本は過ごしやすいね、しいて言うなら役所関係かな」
OHM「僕もないね、受け入れられないと言っても共生のためには忍耐がとても大切だと思う。皆個性があるし、考えも行動も違う。だからこそ多様性が生まれて、世界はこんなにも興味深いものになるんだ。違いがあることに感謝して、全ての違いと調和の内に生きていたい。日本にいるとそういう刺激が多いね。そもそも日本語を学んでこっちで勉強したいと思ったのが、日本の豊かな多様性のためだったから」
「Q5:日本は様々な宗教が混在しているけど、それについて考えや体験談を話してほしいです。」
Noemi「私は福音派のプロテスタントの家で育てられたので、他人を自分たちの宗教に引き込むワザを知っているし、証をしたり讃美歌を広める方法を教えられました。でも、そういうのはほんとにイヤで、私は、自分の宗教が正しいといって人を説き伏せようとする人たちと繋がりを持たないようにしてるの。ドグマとか裁きとかは、人を苦しめるためにあるようなもので、どの宗教もあまり信じる意味がないと思う。一方で私はスピリチュアルとか日本の神道なんかの伝統的な信仰の違いを学ぶことが好きね。私や他人を巻き込まないなら宗教とスピリチュアルの議論は大歓迎ですよ」
チョウ「日本では好きなものを信じて他人のことは気にしないという感じがある」
Noemi「同意見!」
M45「熱心な人ほど他者の救済にも励むよね。僕の実家も僕自身も改革派のプロテスタントに属しているけど、こないだも実家に帰って人の価値観は相対的でしかなく、自分が正しいと思うことって危ないよな、って言ったら、両親に『神の教えを絶対的と言わないその考えはこの世に蔓延るもので、終わりの日には裁かれるぞ』と言われたな。目の前に違う価値観を持つ人がいてもこの有様なんだよね。でも家族が一つの宗教を信じる前よりは家族がまとまって、父も母に対して優しくなったから必ずしも意味がないわけではないとも思う。良し悪しだなぁ」
S「もっとオープンに宗教について話すことができる社会になれば、自分とは異なる宗教を持つ人への理解も深まり、偏見などもなくなっていくのではないかな」
M45「チョウとNoemiからは日本人は人の宗教を気にしないという意見が出たが、Sはむしろ日本では宗教に関してオープンじゃないと言いたいんやな?なるほど、二つは両立するな。実際日本人は気にしないというより話さないだけだと感じる。僕の両親は僕にいろいろ話して来るけど、高校とかで友達と宗教の話をすることはまずない」
S「二面性だよね。よく言えば日本人は人の宗教のことを気にしない、でも悪く言えばそれはマイノリティに対するイマジネーションの欠如だと思う。相手がどうゆう宗教を信じてるか、とかいう理解が育まれないわけだし、それって不透明だよね」
M45「確かに!僕は高校で日曜に礼拝があるから休みたいって言ってもあまり教員にその重要性が伝わらなくて、『そうはいっても来れるんだろ?』みたいにあしらわれた。以前にもキリスト教の生徒がいてその人は日曜も来てたとか言われて。でも信仰の厚さは人それぞれだし、それこそイマジネーションの欠如やな」
SuzuTong「私は無宗教だけど、異なる宗教を持つ人同士のコミュニケーションは大切ですね。まえ食堂でご飯を食べていたら、アメリカから来たインド人とアメリカ人でキリスト教のことを広めてる二人の女性が同じテーブルに座ってきてしばらく話しをした。別にイヤじゃなかったし、今でも連絡を取り合ってるよ。個人的に異なる宗教の友達ができるのはうれしいし、困ったときは自分とは違うものの見方をシェアしてくれる。意思疎通って大事ね。文化とか宗教を超えたものってこういう絆を育んでくれる」
M45「そういうつながりはいいよね。僕にもそういう知り合いがいるな、彼らは今何をしてるんだろ、、、」
「Q6:最後の質問!皆の故郷の自慢を教えてください」
S「秋田は冬の日照量が極端に少ないからそれに関連した文化が育まれてる。冬は長くて暗いから耐え忍ぶんだよ。で夏にいろんな祭りがあって、はっちゃける。東北は特に祭りが多いね。僕の地元には曳山祭りってのがあって、町内ごとにお囃子とかをのせた台を引っ張て道を練り歩く。道は封鎖するし、祭りの二日は学校も休みになる。町一丸って感じ。地元は文化が豊かで土地に息づく暮らしが実感できる」
Noemi「給料がいいこと。購買力は日本より強いと思うよ」
L「パリはよく誤解されてる。寮生もバカげたアメリカの映画とかで見たパリしか知らないから、私を裕福な白人と思ってるね。皆パリの生活がどれほど苦しくて危険なものか知らないんだよ。行ったこともないようなところから来た人へのイメージを決めつける前によく考えてほしい。豪華絢爛な通りというよりは、パリをフランスの中心と考えてほしい。市民はそこで王や皇帝、大統領と戦ってきた。幾千人という人々が我々のために通りで自由と権利のために命を落とした。ブランドショップなんかじゃなくて、その歴史が大切なんだ」
チョウ「変化が速いことかな。それもいい方向に。生活や治安はよくなってるし、何より貧富の差が縮まった。経済成長の恩恵」
M45「僕は神戸の多様な文化が大好きやぁ。150年前、江戸の終わりに開国と同時に神戸港も開かれて、いろんな文化が輸入された。ゴルフは神戸だけから入ってきたとは言わないけど、六甲山の上に日本最初のゴルフコースがあったりするのは自慢やな。六甲山にはイングリッシュガーデンもあるな。他にも昔の貿易商の別荘がある北野坂もいい(手塚治虫の『アドルフに告ぐ』の舞台にもなった(ドイツ軍の家の子と移民のユダヤ人の子どもの話は因果なものよ))。宝石、コーヒー、洋菓子、マラソン、ジャズ、いろいろ入ってきた。楽しい街」
M45「皆さんいろんな意見をありがとう御座いました!インタビューしていて本当に楽しかったです。次回もこういう機会を設けられるといいですね。最後に何かありますか?」
Noemi「日本はお人形さんの家だね!全てがミニサイズ(笑)道路、家、車、人、買い物かご、お土産、全てが小さくてまるで靴箱の中の象ですよ!デスクと椅子も小さいから大体は寮にいるし、前のアパートのキッチンは腰より低くて、料理してると背中が痛くなったよ。極めつけは和式便所ね。しっかり座ろうとすると壁にキスすることになるの。和式便所は他の地域にもあるけどこんなの日本で初めてですよ!」
OHM「このパンフ記事を読んでくれた人がインスパイアされるといいな。自分の興味、関心に沿って勉強する一方で、多様性を享受してほしい。寮に来て色んな発見をして、色んな考えを探ってみて、お互いに将来に向けて、世界がより良い場所になるように刺激し合ってほしい。Welcome!」
L「私の意見は批判的でしたね。フランスではなんでも批判の対象とし、自分で考えるように教わるんです。日本ではcriticsは嫌がられるけど、私はやめないよ。過去から学び、今を批判せずに未来をいいものにすることはできないからね。自分たちを批判するのは自分たちのためで、あなたを批判するなら、それはあなたのことを気にかけているからなんですよ。だからどうぞ私のことも批判してください」
チョウ「Viva la Yoshida!!!!」
S「日本に吉田寮があってよかった」
SuzuTong「こないだの福島の地震のことが心配ですね。皆さん大丈夫でしょうか。あと吉田寮がもっと長く存続できますように。ここは寮生だけじゃなく多くの人に知られ、守られるべき。ここには守られて理解されるべき豊かで多様な価値がある。」
M45「皆さん、ありがとう御座いました!!!楽しかった!!」
ここまで読んでくださってありがとうございます。ここに挙がった違いなんてものはほんの一部にすぎませんし、フランス人やスイス人、中国人は「皆」こう考えると思わないでくださいね。人の数だけ違いがあるし、別に相手が留学生だから違いを感じるわけでは決してない。それは我々の個性であり、おそらくあなたの最も親しい日本人ですらあなたとは考え方や感じ方、行動の仕方も違うでしょう。また、多様性は良いとか悪いとかではなく、それ自体コミュニティの豊かさや楽しさにつながるものだと思います。違うって面白い!と思った方は是非一度吉田寮に来てみてください。ここで読むよりももっと面白いですよ!
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オヘンロ・ボール・ラン ~GO GO OHENRO~
文責 玉置高円寺
石ころ蹴飛ばし 夕陽に泣いた僕 夜空見上げて 星に祈ってた僕 あぶらにまみれて 黙りこんだ僕 仕事ほっぽらかして 頬杖つく僕
…この『オヘンロ・ボール・ラン』レースは この瀬戸内海『徳島県』の霊山寺をスタートし ゴールを『香川県』大窪寺とする人類史上初の歩きによる四国一周レースである。総距離約1,400km, 優勝者には功徳(priceless)が支払われる!順打ち(時計回り)、逆打ち(反時計回り)、通し打ち(一気に全部回ること)、区切り打ち(少しずつ分けて回ること)など 細かい各賞が決められている。 詳しくはあとでルールブックを遍照してくれ。
参加者は18歳以上なら 国籍 人種 性別 プロ アマチュアを問わない。参加料が必要で、命である。質問にうつってくれ
Q. この大会の発端を教えてください
A. 弘法大師が齢四十二にして四国を遍歴、修行をして、八十八の寺院を開創したッ!お大師様の入定後、弟子たちが足跡を辿ったのが原型とされる
Q. ドイツ貴族 ロッカチェゴ男爵が「自動車」と呼ばれる機械での参加を表明しましたが
A. ああ…参加を認めたよ このレースはアイデンティティーに開拓の精神がある 四国に汽車が開通したとき、人々はこういった 「歩きの時代は終わった」…と… このレースはその挑戦を受ける… どんな機械だろうとかかってこいとね!
このレースは史上初だ 何が起こるか誰も予測できない 毎日休まず1日40kmから50kmの道を他人と競い合って これまで1,400kmもの距離を横断した人間はいないからだ
Q. 歩きの距離は一日40kmか50kmが限界ですか?するとゴールまでの距離は約30日から35日になりますが
A. 今もいったように データはなにもない 紀元前450年のペルシア戦争のマラトンの戦いでアテナイ人のフィデピディスという兵士が 1日で40kmという距離を駆け抜けたという記録もあるが、彼は極度の疲労で死んでしまったという このレースでは未だ開拓されていない場所も通過する つまり道のない山ということだ とはいえ、ゴールまでの予測日数が30-35日というのは妥当だろう 他に質問は?
Q. 参加料が命というのは大袈裟との批判がありますが
A. そうは思わない もし参加者が山深いところでヤマカガシに噛まれた場合、どうやって下山するんだ? 山中で熱中症で倒れたら?焼山寺の遍路墓(行き倒れた行者の墓)をみろ
Q. 距離がすごすぎます……もしゴールまで…『大窪寺』まで 誰一人到達できない事態が起こったとしたなら レースは大失敗!レースの信用の失墜につながる そのときあなたはどう責任をとられるつもりですか?
A. 消されるかも…『なんちゃって』…… 失敗というのは……いいかよく聞けッ!真の『失敗』とはッ!開拓の心を忘れ!困難に挑戦することに無縁のところにいる者たちのことをいうのだッ!このレースに失敗なんか存在しないッ!存在するのは挑戦者だけだッ!この『オヘンロ・ボール・ラン』レースは 世界中の誰もが体験したことのない競技大会となるだろうッ!!!
杖はここにいる 杖はどこへもいかない
…余ったので 以下 お遍路で文責が経験したこと
- 日焼けが痛すぎて中学生ぶりに泣く
- 大窪寺までの山道深くで絶壁下から泣き声交じりの話し声がきこえる
- ボディービルシルバー世代部門チャンピオンに監禁される
- 太龍寺で滑落する
- 10km痩せる
- 川で沐浴しながらストゼロ飲んでたら泥酔して三途の川をみる
- 自らのドッペルゲンガーを目撃される
- 自分が弘法大師だと思う
- 金剛杖に自らを仮託する
- やさしさにつつまれる
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おすすめ漫画
文:の
おすすめというか自分が好きな漫画をとっつきやすいと思われる順に並べてみた。
『子どもはわかってあげない』田島列島 上下巻
お気楽ハードボイルド・ボーイミーツガール。二冊完結なので気軽におすすめできる。作者が落語の三題噺みたいに「恋愛」「新興宗教」「父親捜し」で考えた話らしい。個人的に「受け取ったものを次の人に手渡す」ということの意味をいろいろな角度から描いているところが好き。せりふ回しが印象的。
『A子さんの恋人』近藤聡乃 全7巻
アラサー三角関係の恋愛漫画。と書くとドロドロしそうな印象だけど、登場人物たちの一筋縄ではいかない性格と絵柄のおかげか生々しい感じがしない。全部の線と構図がきれいだし、小道具の選び方使い方がうますぎてほれぼれしちゃう。時間がかかっても、自分が何を考えているのか、どう感じているか考えて、言葉にして伝える。勉強になります。
『青野君くんに触りたいから死にたい』椎名うみ 7巻~連載中
切ないエロい怖い優しい面白い怖い。一つの作品でここまでいろんな気持ちにさせられるのすごすぎる。主人公のぶっ飛び具合がおもしろくて読み始めたはずが、いつのまにかこんなに切実な気持ちで主人公が自変化していくのを見守ることになるとはね。人間を好きな人が描いてる漫画だと思う。でもかなり怖いので昼に読んだほうがいいです。
『ヒストリエ』岩明均 11巻~連載中
『寄生獣』の作者である岩明均が2003年から連載している歴史漫画。古代ギリシア世界を舞台に、マケドニア王国アレクサンダー大王に仕えた書記官エウメネスの生涯を描いている。岩明均を完全に信用して読んでほしい。私はもし願いが叶うならヒストリエの完結を願います。一緒に新刊を待とう!! ちょっとグロいので注意。
『百日紅』杉浦日向子 上下巻
葛飾北斎の娘が主人公の江戸オムニバス。あっさりした描写、あっけらかんとした人間関係。初めて杉浦日向子作品を読んだとき、自分が今まで経験していないような人間関係の機微を読み取ることができなくてよくわからなかったけど、読み返すうちにだんだんわかるようになる気がする。漫画読んでいてこういう体験できることなかなかないのでスゲーってなった。あと作者が江戸風俗研究家なので言葉遣いや道具、空気感なんかもしっかり描かれていてそういうところもおもしろい。
『動物のお医者さん』佐々木倫子 全12巻
獣医学部コメディ。動物死なない恋愛要素ほぼない。ドライで低体温で愉快。絵柄が古いので読みづらいと思う人もいるかもしれない。動物のお医者さんは私にいろいろなこと(家畜伝染病予防法における法定伝染病の覚え方や犬ぞりや犬に薬を飲ませるやり方など)を教えてくれた。
『高校球児ザワさん』三島衛里子 全12巻
強豪硬式球部唯一の女子部員であるザワさんとその周囲を描き出す短編集。短編と言っても一話数ページで、映画のワンシーンみたいな話が多い。隠喩が多用され、写実よりの抒情的なカットがよく入る。自分も高校生の頃はこういうふうに景色が意味を持って迫ってくるように感じることがよくあった気がする。無口なザワさんの心情はほとんど言葉として現れず、部活仲間、地元の人、電車で乗り合わせただけの人などいろいろな人の視点からザワさんのいる世界を描写する話がほとんど。高校生の残酷さや体育会系部活動のあれこれ、また性的なことにまつわる部分でしんどくなる人もいるかもしれないので注意。
『コーポ・ア・コーポ』岩浪れんじ 2巻~連載中
大阪の安アパートに住む訳ありの人々の群像劇。ちゃんと読んでも登場人物たちが何を考えているのか、何が起こっているのかよくわからないのが現実みたいでよい。登場する人たち全員の服や癖や体つきが細かく考えられている感じがするし台詞にぜんぶ生々しいリアリティがある。冷たくて雑な人間関係。おもしろいけど現実がしんどい時はおすすめしない。昔の邦画とか好きな人におすすめかも。
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居合或問
文責:剣心先生の弟子
居合道
一 或るひと居合道を問う。子曰く、刀にて速やかに敵を討つ、之を居合と謂う。古の武士の皆修むる所なり。
【解説】
―ある人が、居合道とは何かと先生に尋ねた。先生「日本刀を用いて瞬時に敵を討ち取る技を居合という。かつての武士は皆学んでいた」。―
武士は最後の最後まで抜刀してはならない。しかし、それでも、敵に襲いかかられて戦わねばならない時に、初めて抜刀する。敵が斬りかかって来てから、こちらは動くのである。したがって、それに対処する動作は極めて迅速であることが求められる。
二 或るひと問うて曰く、何に依りてか居合道を学ばん。子曰く、先ず形、而る後、組太刀・試斬。形を学び、組太刀・試斬を為さざれば、則ち敵を斬ること能わず。組太刀・試斬を好み、形を学ばざれば、則ち古の技を失い、動作は粗雑。
【解説】
―ある人「どのように居合道を学んだら良いでしょうか」。先生「まずは形を稽古して、その後、組太刀と試斬を稽古しなさい。形を学んでも、組太刀や試斬を稽古しなければ、実戦では勝てない。組太刀や試斬ばかりを好んで稽古していたら、先人が作り上げた洗練された技を忘れ、乱雑な動作になってしまう」。―
無外流において、形(かた)と、組太刀・試斬とは車の両輪である。継承されてきた形を忠実に習得しつつも、常に実戦で勝つことが意識される。
三 子曰く、剣友の遠方より来たる有り、亦た楽しからずや。
【解説】
―先生「居合道を追究する仲間が遠くからもやって来る、なんと楽しいことではないか」。―
居合道を熱心に稽古していると、年齢、性別、国籍、職業などの枠組みを超えて、同じ価値を共有する人々と自然と結びつくことができる。これほど素晴らしいことはない。
形
一 子曰く、常に対敵動作を意識し斬れる居合であれ。
【解説】
―先生「常に敵の動作を意識して、実戦で勝てる居合を追求しなさい」。―
これは、無外流門下は心得として暗唱する一文である。対敵意識を失った形は、武道ではなく単なる踊りに過ぎないと、口酸っぱく指導される。
二 或るひと曰く、形時に理に合わず。我此れを変うべきか。子曰く、不可なり。先人、技を究むること三百年。形は其の産む所なり。豈に一剣士の管見、之に勝らんや。
【解説】
―ある人「形は時々非合理に思えます。形を変更して稽古しても良いでしょうか」。先生「だめだ。形は偉大な先輩方が300年かけて生み出したものだ。一人の剣士の浅はかな見解がそれより優れていることはありえない」。―
無外流の歴史は300年あり、その分の先人の叡智が蓄積されている。形は、一人の人間では到底辿り着けないほど洗練されている。そのため、その変更には慎重に慎重を期す必要がある。このような認識がある一方で、無外流は非常に柔軟な流派でもあり、上段の先生の間には、形を盲信してはならず、明らかな誤りは正すべしという気風がある。
三 子曰く、初段にして形を覚ゆ。二段にして技、益正確。三段にして、緩急を得る。四段にして、気迫現る。五段にして、敵を斬って気品有り。
【解説】
―先生「初段では、形をしっかりと覚える。二段では、形の細部までより正確に動けるようにする。三段では、形の動きに緩急がつけられるようになる。四段では、気迫が感じられるような形を習得する。五段になると、敵を斬る動きにも気品が現れて来る」。―
当然のことながら形は覚えて終わりでない。覚えた先には、果てしない形の追究が待っている。その中で、自分の個性が現れるようになり居合道の魅力をますます感じるようになる。
組太刀・試斬
一 或るひと曰く、組太刀に於いて、肝心たる所は何ぞや。子曰く、間合いを読み、後の先で斬るべし。
【解説】
―ある人「組太刀で重要なことはなんでしょうか」。先生「敵との距離を意識することと、敵の動作を待ってから斬りに行くことである」。―
組太刀は、形稽古で薄れがちになる敵のイメージを鮮明にするために、敵役を置き、撃ち合う稽古である。そこで肝心なのは、敵に適切に対処できるポジショニングを行うことと、敵の次の動きを確実に読んでから撃ち込むことである。
二 或るひと曰く、巻藁を両断すること能わざる所以は、力の足らざることか。子曰く、唯だ巻藁を両断せんとするのみに、力は要らず。
【解説】
―ある人「巻藁を両断できない理由は腕力の不足でしょうか」。先生「巻藁を両断するだけなら腕力などいらない」。―
試斬で上手く斬れない時に腕力をつけてしまえば、無理矢理に巻藁を切断することができるかもしれない。しかし、試斬の稽古の目的は日本刀の特徴を体得して、上手く扱えるようになることであって、巻藁が切断できれば良いわけではない。斬れない時には、振り方、手の内、体重の乗せ方など他の原因を探ってみるべきである。
京大居合道入門 Twitter: @knock_on_gate
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アークナイツCC\#2 旧約24等級クリア例
アークナイツCC#2 旧約24等級クリア例
文責 TD初心者
はじめに
アークナイツとはHyperGryphが開発しYostarが運営しているスマホでできるタワーディフェンスゲームである。タワーディフェンスとして様々な戦略を組み立てる事ができる奥深さ、面白さがあるのはもちろん、キャラの良さ、重厚なストーリーやBGMもおすすめできる。また低レアでも攻略可能で、高レアの単なる下位互換ではなくちゃんと低レアには低レアのメリット(場に出すコストが低いとか、独自の性能があるとか)があり個性的なキャラばかりである。またガチャもかなり優しい部類で微課金でもほぼ欲しいキャラは引ける。あと他人と競うことはないので自分のペースで楽しめる。アークナイツの良さは他により分かりやすく魅力的に紹介されているところは多いと思うので、概要はこのあたりにしておく。
攻略例紹介
本記事では現在(※2/14)開催中のイベント、危機契約(Contingency Contact)#2の旧約24等級の攻略の一例を紹介したいと思う。危機契約とは敵にバフ味方にデバフを色々つけて難易度を通常より跳ね上げて縛って遊ぶイベントである。アークナイツ未プレイの方に言っておくとこれはエンドコンテンツなのでストーリーと普通のイベントは気軽に(クリアするだけならあまり頭を使わずに)できるので注意されたい。特化こそしているが比較的レベルが低くてもクリアできたので参考になればと思う。(クリアされた方も結構いると思うがそういう攻略もあるんだと思ってもらえれば幸いです) 術師、特殊(安心院S3使用)、リスカム電池編成。契約は蛇目一瞥Ⅲ(特殊狙撃の方)、怨刃攻勢Ⅲ、縦深攻撃(狙撃前衛が重い方)をとっている。リスカムとウィーディの置き方は先人の動画を参考にしました。これ思いつくの賢くて尊敬。
クリア時の編成は以下の通り。全部E2。ウィーディ、安心院、マンティあたりはもうちょいレベル低くても大丈夫だと思われる。
オペレーター lv 凸 skill 仕事 バグパイプ 50 2 3(M3) 序盤のブロック、術狩、ファウスト対策 テンニンカ 25 完 1(M3) コストを稼ぐ、たまにデコイ エリジウム 20 3 2(M3) 左下からくる敵の速度調整、吹き飛ばした敵の遅延 フィリオ 40 1 1 SPブースト、リスカムとウィーディ回復 ケオベ 50 0 2(M3) 対ファウストメイン火力、術師と侍を少し削る 安心院 60 1 3(M3) 左下からくる敵の速度と数調整、吹き飛ばした敵の遅延 リスカム 40 0 1 拳闘士をかかえる電池 ウィーディ 40 0 3(M3) 充電先、敵を吹き飛ばして術士とファウスト以外処理 マンティ 60 0 1(M3) 吹き飛ばした敵の遅延 グラベル 20 完 2 ファウストの強撃を受け止める(受け止めきれない) 次にさすがに文章だけでは分かりづらいので、地図を載っけておく。○が防衛ライン、△が敵出現マス、白地が地面、灰色が高台、×が配置不可マス、網目が換気口(敵の遠距離攻撃を受けない)。高速再配置等差し込みやデコイで一時的にしか置かないマスには特にアルファベットはふっていない。敵はαからはボスのファウストが下を通って反時計回りに、後半になると偵察兵がまっすぐゴールに向かってくる。βからは真ん中を通って対角線のような向きで進行してくる。γからは術師が時計回りに外周を最短で、侍系(中ボス的な奴)がS字を書くようにやってくる。

上に表示される倒した敵数のカウンターをタイムテーブル代わりに使って紹介する。
0/52 テンニンカをDなど敵の進行ルートにない場所に配置しスキル発動。エリジウムをIに下向き配置(少しでもファウストを殴るため一応)。バグパイプをBに左向き配置。エリジウムのスキル発動(2体に減速)。フィリオプシスをFに左向き配置。安心院をHに上向き配置。2体目がバグパイプにさしかかったところでバグパイプのスキル発動。
3/52 テンニンカのスキル発動、コストたまり次第ウィーディをCに左向き配置。
5/52 スキル発動中にちょうど凶悪シシリアン5体を倒しきるので撃破後バクパイプを撤退しマンティをAに右向き配置。術剣闘士がマンティの攻撃範囲に入ったらグラベルをAの右下のマスに差し込んで足止め。重装兵が安心院の攻撃範囲に入ったら安心院スキル発動。
6/52 テンニンカスキル発動。コストたまったらケオベをJに右向き配置。テンニンカ撤退。
8/52 リベンジャーがウィーディ(B)の左に来たらウィーディスキル発動。吹き飛ばした先でエリジウムスキル発動で減速をかける。
10/52 エリジウム(I)の下あたりのマスに術が入りかけたらグラベル差し込みで止める(蓄水砲の事故を無くし、ブロック不足によるすり抜けを防ぐため)。リベンジャーがウィーディでブロックされる直前にフィリオのスキル発動。(これでリベンジャーなどの攻撃でしばらく落ちない) これ以降スキル貯まり次第フィリオのスキル使った方がリスカムが落ちづらい。バグパイプをGに下向き配置、リスカムをEに左向き配置。(偵察兵もウィーディで止められるのでシビアなら配置順逆でも問題なし) 蓄水砲をエリジウム(I)の上に、拳闘士がエリジウムの右の上1/4くらいに来たら設置。二回蓄水砲を発射したら撤退。安心院のスキル発動できるようになったら使う。ウィーディが落ちない範囲で待って、術剣士をできれば巻き込んで撃つ(巻き込めると処理が楽)。バグパイプのスキルが貯まり次第発動。飛ばしたリベンジャーが戻ってきたら、ウィーディでブロックする前にグラベル差し込んで直前で止める。下から2体目のリベンジャーが横に並んだらグラベル戻してウィーディのスキル発動。以後ウィーディのスキルは貯まってリベンジャーにあたるようなら発動。下からくる追加の侍がいたら少し早めに発動して新たな侍とまとめて吹き飛ばすようにする。
15/52 拳闘士が先ほど同様エリジウム(I)右マスの上1/4くらいにきたら蓄水砲設置し二回撃ったら撤退。すぐにグラベルをHの二つ左かもう一つ上のいずれかに設置。(これ以降グラベルが再配置可能になってすぐ出せばちょうどファウストの強撃を受けてくれる) ウィーディのスキル発動、エリジウムのスキル発動。ケオベの攻撃範囲にリベンジャーが来たらスキル発動。
20/52 安心院のスキル貯まったら発動。
23/52 ウィーディ(C)の左マスBに蓄水砲入れる余裕あったら入れてスキル打つと侍を遠くに送れるから精神的に安心。以降も余裕あったらそれを使う。バグパイプのスキルが貯まって術師が攻撃範囲に来たらスキル使って術師2体を片付ける。
33/52 ファウストのステルスが解けて少し経ったくらい。安心院のスキルがたまったら撃つ(ちょうどファウストにもあたる)
37/52 ファウストがエリジウムスキル範囲内に入ったら発動。
40/52 フィリオのスキルがたまったら使う。
42/52 安心院のスキル貯まったら発動。
45/52 エリジウムのスキル貯まったら発動。スキル使い終わった後撤退。
あとは適宜安心院のスキル発動してヴェンデッタを早めに処理し、テンニンカ、エリジウムで
ファウストをちまちま削る&矢を受けてリスカムのダメ軽減。
48/52 ファウストがケオベ(J)の攻撃範囲に入ったらスキル発動。
ラストのヴェンデッタを1割以下くらいまで削ればマンティは下げて(たぶん)ok。
49/52 ラストのヴェンデッタ倒したらウィーディ撤退。ファウストがバグパイプ(G)の攻撃範囲入ったらスキル発動。それで倒しきれるはず。
50/52 残った拳闘士は適当にオペレーター再配置して倒して終了。
最後に
フィリオS2でもいいが、リスカムS1の発動タイミングが悪いとリスカムが落ちるのでS1の方が安定する。右の術師の処理は割とテキトーにケオベとバグパイプのスキルを使えばどうにかなる。あとは心配だったら途中テンニンカで少しファウスト殴ったりすればどうにかなる、たぶん。危機契約は頭使って疲れるけどできると楽しいよ。エンドコンテンツではあるので自分のできる範囲で楽しもう。アークナイツはとてもおすすめできるいいゲームなので、よかったらやってみてね。
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🐾吉田寮ねこねこ超会議2🐾 ――猫が語る学問の自由と自治@時計台記念館屋上――
🐾吉田寮ねこねこ超会議2🐾
――猫が語る学問の自由と自治@時計台記念館屋上――
主催 吉田寮の行く末を憂うるネコ科連絡協議会(C連協)
共催 京大猫科協同組合(京C組)
京大全ねこ自治公認同猫会
協賛(順不同) 神楽ヶ丘緑地野生動物連盟
自由を守るネコ科有志斗争委員会(C斗委)
開 会 あ い さ つ
アレク「みなさま、本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございますニャ!ただいまから第二回「吉田寮ねこねこ超会議――猫が語る学問の自由と自治」を開催するニャ。わたくしは司会のアレクと申しますニャ。2018年まで寮猫として吉田寮に住んでおりました寮猫OPですニャ。本日は寮猫とその他六匹の方々に御臨席をいただいておりますので、御到着順に御紹介いただきますニャ。」
ボンちゃん「寮猫のボンですニャ。南寮です。よろしくニャ。」
ところてん「中寮のところてんですニャ。」
じゃじゃ丸「北寮のじゃじゃ丸だニャ―。」
トド「公認同猫会委員長のトドですニャ。総人図書館の裏の藪に住んでいますニャ。寮外猫として寮裏門のエサ場を利用させていただいておりますニャ。」
ちゃっぷりん「京猫連会長のちゃっぷりんですニャ。学内のねこハウスに住んでますニャ。我々が直面している問題を広く学内で共有したいと思いますニャ。」
とらちゃん「C斗委のとらちゃんですニャ。自由を重んじる学風を何とか守りたいニャ。」
アレク「また、学外からの特別招待者として神楽ヶ丘緑地野生動物連盟会長の狸さんにも来て頂いていますニャ。」
狸「近隣住民の狸です。吉田寮にはよく遊びに来ます。どうぞよろしくお願いしますポコ。」
アレク「それでは、開会に当たりまして、主催者を代表し、南寮猫長のボンちゃんからご挨拶をいただきますニャ~」〔ボンちゃん 登壇〕パチパチ
ボンちゃん「皆様、こんニャちは! 御紹介をいただきました南寮猫長のボンと申しますニャ。本日集まってもらったのは、昨今、国会をにぎわせている日本学術会議の六学者任命問題について協議するためである。目下の状況として、政治の不当介入によって学問の自由が危機に晒されており、文学部のキリスト教学研究者である芦名定道先生も任命拒否の憂き目にあっている。今日は学問の自由が何故大切であるのか、改めて考え直し、その必要性を相互に確認する機会としたいと思う。首相・政府の学術任命に関する恣意的権力行使という政治問題こそが焦点であるのに、いつのまにか学術会議のあり方について、科学技術大臣と学術会議会長が「真摯に」話し合いを続けるさまを呈しているのは一体なんなのか。本日は皆で様々な意見を出し合いましょう。」パチパチ
日 本 学 術 会 議 任 命 問 題
ところてん「ではさっそく、任命拒否問題について話していこうか。」
アレク「そうだね、そもそも任命拒否問題とは、今年2020年9月に菅義偉首相が、学術会議の推薦した会員候補105人のうち6人の任命を拒否した問題のことだ。」
とらちゃん「現在、国会で審議が行われているね。何故任命を拒否したのだろう。」
ところてん「政府は1983年、首相の任命は「形式的にすぎない」と国会で答弁しており、野党から法解釈を変更したと批判されている。」
ボンちゃん「衆参両院の代表質問でようやく首相が国会で説明したが、到底納得できるものではなかったな。」
ところてん「菅首相は「必ず推薦通りに任命しなければならないわけではない」と述べ、学術会議の会員構成を「旧帝国大学に所属する会員が45%」「民間出身者や若手が少なく偏りがある」などと強調し、「多様性を念頭に判断した」と、任命拒否の正当性を主張している。」
トド「しかしそれなら、なぜ元々少ない女性会員や私立大所属の候補を拒否したのだろうか。拒否された6人の中には会員が1人もいない大学の研究者も含まれており、首相の説明は矛盾に満ちている。」
とらちゃん「「多様性」という言葉がどんどん陳腐なものになっていくね。」
ちゃっぷりん「そもそも、法律の定める会員の選考基準に所属大学や地域性の規定はない。首相が言うように、学術会議に「多様性」が必要と考えるのであれば、直ちに任命を拒否するのでなく推薦の在り方を学術会議と議論すべきだっただろう。」
アレク「83年の国会答弁の件についてもう少し詳しく。」
ところてん「1983年、会員の推薦制度について、当時の中曽根首相は、聞かれてもいないのに「政府が行うのは形式的任命にすぎない」と国会答弁していた。2004年の制度改正の際も、内部文書で「首相が任命を拒否することは想定されていない」と明確に記載している。これを見ればわかるように、首相が従来の法解釈を逸脱して任命拒否したことは明白だ。だが首相は、その理由を最初は「総合的、俯瞰的に」と曖昧に語り、国会では「多様性」を持ち出した。後付けの理由で切り抜けようとしている印象を拭えない。」
ボンちゃん「このまま有耶無耶にしてしまうつもりなのだろうか。」
ところてん「首相は10月26日のNHK番組で、この問題について「説明できることとできないことがある」と述べたが、任命拒否は学問の自由を侵しかねないほか、首相による違法な権力行使が疑われる問題だ。」
ボンちゃん「学問の自由を侵害する憲法違反行為なのだから、「説明できないこともある」で済ませてはならないだろう。」
ちゃっぷりん「だから、政府は問題発覚後、有耶無耶にするために、国費10億円が投じられていることを理由に会議を行政改革の対象としたんだ。年内に改革の方向性を打ち出すとして検討を加速しているよ。」
トド「アホノマスクでいくら無駄にしたんだよ…260億円ですよ! 検品だけで8億近くかかったわけだし…」
とらちゃん「しかし、これは学術会議の在り方について考える良い機会になったのではないかな。」
「「「ナンセーンス!!!」」」
トド「本当に貴様はあまちゃんだな。」
ところてん「会議の予算の多くは関係省庁から出向する事務局職員の給与などだそうだ。その運営に問題がないかの検証は必要だが、それと任命拒否は別の問題である。論点のすり替えを許してはならない。」
じゃじゃ丸「まあたしかに、日本学術会議は、2010年以降、政府の諮問が無くても出せる「勧告」を一度も出さず、お伺いを立てながら、拘束力のない「提言」ばかり出して政府と馴れ合ってる。その上、内閣府に専門家から成る「総合科学技術会議」が存在しているので、日本学術会議の内閣への助言や相談という役割は、今現在はほぼ無いに等しい。しかも、各省庁に各種審議会が設置されていて、学術会議を通した政策決定は今現在ほとんどない。結局、×極は学術会議の仕事すらろくにやってなかったわけだ。」
ボンちゃん「じゃあ、「学術会議と国大協の仕事が忙しくて、大学の仕事ができないよ~」とか言ってたあの人は、一体何をしてたのだろうね。」
ちゃっぷりん「レジ袋廃止は学術会議主導で決まった、とかいうデマもあったな。」
ボンちゃん「評判の悪かったことは全部他人のせいにするんだな。」
アレク「我々猫民が聞きたいのは、6人の任命を拒否した具体的理由であり、「多様性」といった漠然とした説明ではない。首相としても、この問題で時間を取られるのは本意ではないだろう。」
ボンちゃん「首相は、拒否に深く関与したとされる杉田和博官房副長官も加え、予算委で丁寧に説明すべきだ。任命拒否問題を放置して携帯電話料金引き下げなどの「看板政策」を推し進めても、国民の目をごまかすためとしか映らない。」
とらちゃん「挙句の果てにハンコ廃止に収入印紙廃止だからね。反発の少なそうなところに手を入れて、やってる感の演出。」
アレク「それでは、ところてんちゃん、この辺で任命拒否事件について議論すべき点について説明してもらえますか。」
ところてん「はい、10月26日に臨時国会が召集され、日本学術会議の会員任命拒否問題も重要なテーマとなっているが、争点は大きく分けて二つある。
第一に、日本学術会議法(以下、「日学法」)は日本学術会議の定員を「210人」と定めるのに対して(7条1項)、現在は任命拒否による欠員が生じ、違法状態となっていること。
これを是正する方法としては、(1)任命拒否の撤回か、(2)別の6人の任命しかない。首相には(1)の意思は今のところないようだ。ただ、首相は学術会議が推薦した人物しか任命できないため(同2項)、(2)を実現するには、学術会議に推薦のやり直しを要求せねばならない。しかし、学術会議には推薦を翻す意思はないようで、それを強引に変更させることは、次の三つの理由で不可能だ。
まず、日学法3条は、学術会議が「科学に関する重要事項の審議」(1号)・「科学に関する研究の連絡」(2号)という職務を「独立」して行うと定める。候補者選定は、ここに言う学術会議の職務の一つと解すべきだろう。また仮にそう解釈しないとしても、科学者の研究・業績の評価が学問に基づく判断である以上、3条の職務独立の趣旨は、候補者選定にも及ぶと解される。首相が自分の望む推薦基準を示し、推薦をやり直させるのは、学術会議の独立を侵し、3条違反の可能性がある。
次に、日学法17条は、科学者としての「研究又は業績」に基づき候補者を選定すると定める。
首相が、研究や業績とは無関係な「政治的見解のバランス」や「首相自身の総合的俯瞰的視点」等の基準による推薦を要求するのは、17条の定める基準に反し違法だ。仮に首相が任命拒否された6人の候補と同等の研究・業績のある別の人物の推薦を要求したとしても、学術会議側が、「研究・業績の観点から、そのような人物はいない」と判断すれば、それ以上の要求はできない。
さらに、日学法は、首相が再推薦を命じた場合に、推薦をやり直す法的義務が学術会議にある、とは書いてない。学術会議が新たな推薦を拒否すれば、首相は別の者で欠員を埋めることはできない。」
ちゃっぷりん「なるほどニャ―」(棒)
ボンちゃん「それなら国会では、首相に「どのようにして7条1項違反の欠員状態を是正するのか」と問うべきだろう。結局のところ、(2)の方法は違法または不可能で、欠員による違法状態の是正には、(1)任命拒否の撤回以外の選択肢はない。」
アレク「二つ目の争点についてはどうですか。」
ところてん「第二に、このような検討の上で、従来の政府解釈を変更すべきではないと言うことだ。政府は、首相の学術会議会員の任命権は形式的なもので、推薦を拒否することは想定されないと解釈してきた。学術会議が定員と同数の候補者を推薦した場合に、7条1項違反の欠員を避けるには、首相が推薦通り任命する以外に道はない。従来の政府解釈は、条文の必然的な帰結であって、この解釈を変更することは、解釈の限界を逸脱した強弁でしかない。
国家公務員の任免は内閣・大臣の権限だという憲法原則に照らすと、こうした日学法の構造に違和感を持つ人もいるかもしれない。この点、政府は、学術会議の人選の自律を、学問の自由によって根拠づけてきた。」
ボンちゃん「先の大戦での政治主導の学問研究による惨禍に対する反省から、日本学術会議が発足したという経緯と照らしてみれば当然のことだ。」
ところてん「10月28日の野党代表からの質問で、「学術会議法7条2項は、『推薦に基づいて内閣総理大臣が任命する』と明記しており、推薦された方を任命しないことは、条文上明らかに違法だ。何故任命しなかったの?か」という質問が出たが、菅首相は「必ず推薦の通りに任命しなければならないわけではない、という点については、内閣法制局の了解を得た、政府の一貫した考えです」とか、「任命を行う際には、総合的、俯瞰的な活動、すなわち、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立って、バランスの取れた活動を行い」云々などと述べた。」
ちゃっぷりん「まるで独裁者だな」
ボンちゃん「票集めとか人気取りとか、非常に狭い視野の中でしか物が見えていない人がよく言うよね。」
ところてん「29日の衆院代表質問でも同様に、「日本学術会議法上、会員の任命は、必ず推薦通りに任命しなければならないわけではないという点は政府の一貫した考えだ」と述べ、会員候補の「名誉棄損にはあたらない」と強調した。」
ちゃっぷりん「ふむ。」
ところてん「井上信治科学技術担当相は29日、所管する日本学術会議(東京都港区)を視察し、会議の在り方を巡り幹部と会談した。梶田隆章会長は「幹事会を中心に在り方の検討を本格的に始める」と述べ、年末の政府への報告に向けて作業を加速させる考えを示した。井上氏は「意見交換しながら、共に期待される役割を考えて検証したい」と語り、双方で連携して取り組むことを確認した。」
ボンちゃん「何やってんだよ、「問題提起」だなんて、ノコノコ出向いていくなんてアホかな。」
とらちゃん「ナンセーンス!」怒
ところてん「菅義偉首相は、30日午後の参議院代表質問でも同じ答弁を繰り返し、「現在の会員は、旧7帝国大学所属が45%、それ以外の173の国立・公立大学所属は17%、615ある私立大学所属は24%にとどまっている」と指摘。会員に偏りがあるとの持論を強調した。会員の任命にあたっても「推薦のとおりに任命しなければならないわけでないというのが内閣法制局の了解を得た政府としての一貫した見解」との従来の見解を繰り返した。」
トド「もういいって。」
ところてん「そして、菅首相の「全集中の呼吸で答弁させていただきます」」(失笑)
ボンちゃん「極めて幼稚だね、うんざりする。」
ちゃっぷりん「同日の答弁で、菅首相は「私は、加藤陽子先生以外の方は、承知していませんでした」というが、では業績のある科学者は、誰がどう判断したのだろう。自分で判断したり、名簿を見ていなかったり、大臣が判断したり、コロコロ変わるから意味不明だ。」
アレク「菅首相は「人事に関することで、答えは差し控える。多様性が大事だと念頭に置いて任命権者として判断した」としているが、6人には安保関連法や共謀罪の新設に反対したことが共通する。首相周辺が気にくわない学者を意図的に弾いたという感じだろう。」
ところてん「菅首相は「閉鎖的で、既得権益のようになっている」と述べ、会議のあり方に疑問を呈したが、一体どういう点を指して既得権益呼ばわりするのか。お前が言うかと思う。」
ボンちゃん「うーん、しかし、学術会議の任命拒否問題で、105人の推薦名簿を見てもいないのに既得権になっているとどうして言えるのか」
アレク「それに除外した6人のうち5人を名前も業績も知らないのになぜ拒否したのか。菅首相の答弁は矛盾だらけだ。一つ嘘をつくとどんどん嘘をつかなくてはならなくなる。泥沼から抜けるには正直に話すことだ。」
ところてん「政府は11月4日の衆院予算委員会で、日本学術会議の会員任命を巡り、法解釈が以前から一貫しているとする主張を裏付ける記録や根拠を出すよう求められたが、示せなかった。」
じゃじゃ丸「そりゃ出せないよな。」
ところてん「政府が1983年に、首相による日本学術会議への指揮監督権を否定する文書を作成していたことが11月4日に分かったんだけど、これは首相の「一定の監督権行使」を認め、会員候補の任命拒否を可能とする見解をまとめた18年の内閣府見解と齟齬を来しており、過去の国会答弁と同様、矛盾しているとの批判が強まりそうだ。」
アレク「内閣法制局の『法律案審議録』に収められた「日本学術会議関係想定問答」。首相は「日本学術会議の職務に対し指揮監督権をもっていないと考える」と記されている(国立公文書館所蔵)今回の文書により、監督権を巡っても、ひそかに解釈を変更していた可能性がある。」
ところてん「自民党の伊吹文明元衆院議長は「『学問の自由』といえば、みんな水戸黄門の印籠の下にひれ伏さないといけないのか」と苦言を呈した。」
アレク「マジで言ってんのかね。なぜ水戸黄門とか、無条件でひれ伏すとか、そんな低次元の話になるんだろう。」
ボンちゃん「実力行使できる政治組織が学問の自由を守るための組織に不当に介入したという点が問題なのに、むしろ構図が逆ではないか。」
ちゃっぷりん「そうそう、印籠を見せて「ひれ伏せ、言うことを聞け」と言うてるのは菅首相の方でしょ。」
ところてん「7日、首相官邸が日本学術会議の会員任命拒否問題で、会員候補6人が安全保障政策などを巡る政府方針への反対運動を先導する事態を懸念し、任命を見送る判断をしていたことが分かった。安全保障関連法や特定秘密保護法に対する過去の言動を問題視した可能性がある。複数の政府関係者が明らかにした。」
とらちゃん「反政府運動!?」
ちゃっぷりん「カジュアルな反政府運動やな。」
ところてん「学術審議会任命問題、問題は6名を任命しなかった政府の「意図」が何だったかではない。政府が6名を任命しなかったことそのものが、学問的基準で行われるべき選択への「政治的介入」であり、事実として、政権の意に沿わない学者の排除であるということ以外にない。」
アレク「6名拒否について総理に説明し、そのプロセスの当事者である杉田官房副長官を国会で説明させて困る理由があるのなら、それについて是非知りたいね。」
トド「ああ、それについても菅首相は頑なに拒否しているね。」
アレク「新会員候補の任命拒否問題をきっかけに、自民党は日本学術会議のあり方を検討するプロジェクトチーム(PT)を設置し、年間約10億円の国費を支出する妥当性や組織形態の検証を進めている。年内をめどに政府に提言を出すと言っているが、どういう提言になるのだろうか。」
ところてん「下村博文大臣は毎日新聞のインタビューに答えて、「全員任命なら欧米型の非政府組織にすべきだ」とか「軍事研究否定なら、行政機関から外れるべき」と述べているね。」(毎日新聞2020年11月10日付)
ボンちゃん「マジで言ってんのかよ!」
ちゃっぷりん「本音がでてるなあ…もう大臣がこういうことを言っても許される世の中になってしまったんだなあ。」
とらちゃん「軍事研究を進めて経済活性化というのは、自民党の方針でしょ。政権の私物化も甚だしいね。」
ところてん「11月11日午前の衆院内閣委員会で、日本学術会議事務局幹部は学術会議の会員任命を拒否された6人について、再び政府に推薦することは排除されないとの認識を示した。」
とらちゃん「ふむ。」
ところてん「一方、加藤勝信官房長官は再推薦された場合の対応に関して回答を避けた。」
ボンちゃん「まあ拒否されたら、全員辞めればいいわな。」
トド「12月4日には、菅首相が学術会議の件について記者会見で問われ、「反発が大きくなることはわかっていた」と答えているが。」
ところてん「反発が大きくなると「思っていたかどうか」などと「お気持ち」を聞いて何の意味があるのか?違法性を徹底して追及すべき。パンケーキ如きで飼い慣らされて、法律に違反してもニヤニヤ笑ってる首相を前にして、記者は恥ずかしくないのか。」
天 皇 機 関 説 事 件
じゃじゃ丸「政府による恣意的な解釈変更という点について言えば、戦前の天皇機関説事件が有名だね。」
ちゃっぷりん「天皇の政治的立場についての解釈にも触れておいた方がいいだろう。」
ところてん「そもそも天皇機関説というのは、明治憲法の解釈において、主権は国家にあり、天皇は法人である国家の最高機関であるという学説で、法学者の美濃部達吉(1873-1948)ら、一木喜徳郎()門下の学者が唱えた説である。国民の代表機関である議会が内閣を通して天皇を拘束しうるというこの学説は、1920年代においては国家公認の憲法学説であった。」
ボンちゃん「へー、それは知らなかった」
ところてん「しかし、天皇制ファシズムの台頭とともに、天皇の神格的な超越性を否定するこの説が貴族院の議場で「国体に反する」として非難され、1935年、右派国会議員や軍部によって機関説排撃事件を引き起こすことになる。その結果美濃部の三著書(『日本憲法』(1921)、『憲法撮要』(1923)、『逐条憲法精義』(1927))は発禁となり、美濃部は不敬罪で告訴され、34年に貴族院議員を辞任することになる。36年には右翼に襲撃され、負傷している。」
ちゃっぷりん「散々だよな。」
ボンちゃん「個人攻撃みたいな感じや。」
ところてん「35年8月と10月には、岡田内閣が第一次・第二次国体明徴声明を出し、政府公式見解として天皇が内閣・議会に優越することが認められたわけ。その結果どうなったかというと…」
ボンちゃん「軍部が発言力を高め、陸軍内でも皇道派と統制派の対立が激化し、226事件へと到ると。」
とらちゃん「結局、戦争への道を突き進んでいき、誰もそれを止めることができなかった。」
アレク「陸軍も海軍も予算をとらないといけないからね。公益を無視し、省益だけを追求するから、どんどん戦線を拡大し、各地で事変を勃発させてしまう。天皇の統帥権を後ろ盾にして、軍部大臣現役武官制などで内閣に圧力をかけるようになると、もうデモクラシー勢力ではどうにもならない。軍隊や警察というのは実力組織だから、強権的になってしまうと手が付けられないからね。」
ちゃっぷりん「だから何故に天皇機関説事件を持ち出してきたのかというと、理性と倫理の担い手であるはずの学者や研究者が弾圧され、学問の自由や学問研究が侵害されると、非合理的で強権的な政治勢力の台頭と管理強化、ひいては人民に対する大弾圧を許してしまうということを言いたかったのだ。」
とらちゃん「学者や研究者がみんな人格者で良心の持ち主というわけではないから、そこは注意しないといけないね。」
瀧 川 事 件
アレク「次に京大とも関係する「瀧川事件」について話しましょう。」
ボンちゃん「それでは私の方から。まずこの事件の起こった1932~33年頃というのは、司法官赤化事件など共産党や左派勢力への苛烈な弾圧が行われており、そのなかでも右翼団体の原理日本社などはリベラルな帝大教授を「赤化教授」として攻撃していた。」
とらちゃん「どこかで聞いた話だ。ネットで「反日大学」とか「パヨク教授」みたいなレッテル張りをするのと似ているな。」
ボンちゃん「32年10月に京大法学部の瀧川幸辰教授が行った講演「トルストイの『復活』に現れた刑罰思想」の中の、「犯罪は社会に対する制裁である」という点が槍玉にあげられ、国家批判的言辞が不穏当だとして、文部省が京大を批判した。」
ところてん「犯罪は社会システムの不備による綻びだという見解だね。犯罪が多発する原因は社会制度上の問題にあるというものだ。」
ボンちゃん「さらに33年3月の第64議会で政友会の宮本裕が、瀧川の著書である『刑法読本』を取り上げ、赤化教授の取り締まりを鳩山首相に求めた。それに追随して、文部省も『刑法読本』の客観主義刑法観や内乱罪及び姦通罪についての記述を攻撃し、内務大臣によって瀧川の『刑法読本』と『刑法講義』が発禁となった。続く文部省からの瀧川辞任要請を法学部教授会は一旦拒否するが、5月25日の高等文官分限委員会で瀧川の休職が一方的に決定され、それに対して法学部教授会が学問研究の自由と自治の蹂躙に抗議して、25名の教授が小西重直総長に辞表を提出した。」
とらちゃん「胸熱やな。」
ボンちゃん「法学部をはじめ、各学部の学生は学生大会を開いて、教授会支持と文部省への要請行動を行い、運動は全国に拡がっていった。世論も瀧川教授を擁護し、文部省を批判していたが、6月14日に小西総長が辞職した後、松井総長の時代に切り崩し策が行われ、瀧川教授ら7名が辞職、その他運動にかかわった学生組織も警察の弾圧によって潰された。」
とらちゃん「こういう歴史的な経緯を知ると、まさに今の我々も歴史のターニングポイントに置かれているんだなということが分かるね。」(しみじみ)
じゃじゃ丸「文学部の芦名教授が日本学術会議に会員として任命拒否された事件を思い出す。何かアクションが必要だな。」
ところてん「今の京大関係者に、「瀧川事件をみよ!大学自治を守れ!」と言いたいね。」
とらちゃん「当時の学生たちは学内で大反対集会を開催し、文部省まで直談判に行ったグループもあったようだけども。今の学生はどうだろうか。」
学 問 が 戦 争 に 協 力 す る と き
ボンちゃん「政治が学問に介入する際にどのようなことが起こるかは、先の大戦における原爆開発や731部隊における人体実験を見ても明らかだ。学問や研究は本来、非常に危険なものである。学問は応用の仕方によって、人類の幸福に寄与することもあれば、大量殺戮に用いられることもある。研究者がきちんとその用途を監視し、研究結果が人倫を踏みにじるようなことに用いられないように注視しなければならない。こういう研究をしたけど、あとは知らんよという態度は、研究者としては片手落ちだ。研究者が軍事研究に反対したり、大量破壊兵器を拒否するのは当然のことだ。」
アレク「上でも見てきたように、理性の府である大学の政治への馴致は、そのまま止まることなく、統制国家化と軍備増強による破滅へと続いている。」
ところてん「1949年に開催された第一回日本学術会議において採択された決意表明にはこうある、「これまでわが国の科学者がとりきたつた態度について強く反省し」「わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の工場発達を図り」「日本国憲法の保障する思想と良心の自由、学問の自由及び言論の自由を確保するとともに、科学者の総意の下に、人類の平和のためあまねく世界の学界と提携して学術の進歩に寄与するよう万全の努力を傾注」することを謳っている(「日本学術会議の発足にあたつて科学者としての決意表明」1949年1月22日)。」
トド「日本中の大学人が肝に銘じておくべき文言だ。」
ボンちゃん「ある意味では大学や学者が政治の暴走という大きな流れを食い止める最後の抵抗拠点でありうる潜在力を有しているわけだ。逆に、大学や研究者が政治に追随してしまった場合は、大きな責任を負うことになる。」
ところてん「最初にも述べたが、学問研究というのは、本来非常に危険なものだ。これは研究者が一番よく分かっていなければならないことで、学者自身が研究による知識や成果に対しても責任を持たなければならない。だから、学者は象牙の塔にこもっていてはいけないし、ましてや積極的に悪行に手を貸すなどということは許されないことだ。真理を追究し、人類の幸福を目指す研究者としてありえないことなのだ。」
任 命 拒 否 事 件 に 対 す る 当 局 の 姿 勢
じゃじゃ丸「任命拒否問題に対する世間の反応はやや冷たいように感じるね。」
ところてん「学者は特権階級で、既得権益を貪っているという認識なんだろうな。」
トド「そこに斬りこむ菅首相流石だ!という印象を与えたいんだろう。」
狸「大学人たちは、大学で学んだり研究したことを社会に還元したいと思って大学に通っているだろうに。」
とらちゃん「なんだかやるせないね。」
ボンちゃん「学内一致団結して、この問題に取り組むべき時に、学生をいじめている場合じゃない。早く正気に戻って訴訟を取り下げ、話し合いを再開するべきだ。学内が分裂したり内紛を抱えた状態というのは、外部からの干渉や介入を容易に招いてしまう。」
じゃじゃ丸「執行部が早く正気に戻って、学生との裁判などというバカげたことをさっさと止めるべきだ。」
懇 親 会 @ 寮 食 堂
アレク「みなさん、今日はおつかれさまでした。では乾杯しましょう。」カンパーイ!
トド「酒は天の美禄だ。」
ところてん「まあどうぞどうぞ」
ボンちゃん「いやもう私なんぞは手酌で結構でございます。」
狸「いやしかし、少し寒いですな。」
とらちゃん「うーん、zZZ」
じゃじゃ丸「クリスマスツリーに上ろう。あら?」メリメリメリ
ちゃっぷりん「うわー倒れるぞー」ドグシャアッ!!!
ボンちゃん「アホか―!犬猫は医療保険がきかないから怪我したら大変なんだぞ!」
アレク「興も乗ってきたところで、本部棟に遊びに行こうか。」
トド「そうやな。」
〔 本部棟前 〕
アレク「こんニャちはー」ウィーン
ボンちゃん「とりあえず総長室に遊びに行こうか。」
じゃじゃ丸「エレベーターで行こう。」\ピンポーン、ハチカイデス/
とらちゃん「学内が一望できるね。」
アレク「ここが会議室だね、ちょっと覗いてみよう。」ガチャ
ところてん「誰もいないね。」
アレク「会議は今オンラインでやっているそうだよ。」
ボンちゃん「なーんだ。」
とらちゃん「壁がヤニで黄ばんでるね。」
トコトコ
ちゃっぷりん「ここが総長室か。」コンコン
秘書「はい、どなたですか。」
アレク「吉田寮の猫ですニャ。」
秘書「アポはとっておられますか。」
ボンちゃん「とってないですニャ。」
秘書「アポをとってからお願いできますか。」
トド「アポ―ッ!」ウギャー
ちゃっぷりん「とりあえず入りますね。」
湊総長「何ですか。」
アレク「遊びに来ました。」
湊総長「そうか。」
ボンちゃん「吉田寮の裁判取り下げてください。」
湊総長「それは担当者と話すべきやろうな。」
じゃじゃ丸「でも話し合ってくれないんです。」
湊総長「やり方がまずいんちゃうか。」
ボンちゃん「どのような条件でもいいので話し合いをと言っているんですが。」
ところてん「話し合いが再開されるなら、退去する用意はあると伝えています。」
湊総長「そうか。」
トド「何故学生と話し合いができないんですか!」
湊総長「そうやな。」
アレク「本当に学生とドンパチやるんですか。吉田寮潰しは、総長としての進退をかけてまでやる仕事なんですか?」
湊総長「それは…」
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ジャラジャラジャラ
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チュウレンポウトウヤ
ウワーオハライイカナ
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~
とらちゃん「ハッ!…夢か…」
とらちゃん「いつの間にこたつに…」
ジャラジャラジャラ
ワハハハ
ジャラジャラジャラ
とらちゃん「本当に潰すのかここを」
【終】
参考文献
日本学術会議>>「日本学術会議>提言・報告等」(http://www.scj.go.jp/ja/info/index.html)
天皇機関説事件>>山崎 雅弘『「天皇機関説」事件 』、集英社、 2017年。
瀧川事件>>二六会(編)『滝川事件以後の京大の学生運動 』、西田書店、1988年。
世界思想社編集部『滝川事件―記録と資料』、世界思想社、2001年。
松尾 尊兊『滝川事件』、岩波書店、2005年。

