2019年9月21日:190912学生処分に対する抗議声明

2019年9月21日

190912学生処分に対する抗議声明

2019年9月21日

吉田寮自治会

9月12日、京大当局が「学生の懲戒処分について」という文書を公式サイト上で公開し、3人の学生に対して無期停学処分を下したことを公表した。今回の処分について京大当局は、当該学生が「学生の本分を守らない」行為をしたためだと主張する。このように、曖昧な規程を恣意的に運用し学生を処分することは、学生の自主的・主体的な活動に対する抑圧であり、仮にも教育機関であるはずの京大の行為として、あるまじきものである。私たちは、学生の立場から、意見や考え方の違いをこのように暴力的に「解決」しようとする京大当局の姿勢に強く抗議する。

京大当局は当該学生の行為を一方的に非難しているが、まず批判されるべきは、当事者との対話を放棄し権力の行使をためらわない京大当局の姿勢である。「立看板規程」の制定と、それに基づく職員による立て看板の強引な撤去は、学生など当事者から意見を一切聞くことなくなされている不当なものである。また、昨年10月18日に「不審者」を取り押さえようとした職員の「業務」は、警察を大量に導入したうえでそれに協力するために行われた。当時、吉田寮自治会が出した声明にある通り、そもそも「学外者」を暴力的に排除し逮捕勾留という人権侵害を促す行為を京大当局が積極的に行ったこと自体が、大学自治への破壊行為である(「京大当局による大学構内への警察大量導入に対する抗議声明」、2018年10月26日)。

今回の処分は、学生に対するハラスメントであり到底許されるものではない。学生と、教員や総長・理事との間には厳然たる権力差がある。実際、教員らは、単位認定から学位授与、休学など各種申請の受理など様々な場面において、学生に対し、いとも容易く権力的に抑圧的にふるまうことができる。また、現に、2017年2月の「学生懲戒規程」の制定や、処分を決定する「懲戒委員会」の設置は、総長・理事が専権的に行ったのである。このように権力の非対称な関係のなかで、京大当局は学生を一方的に非難し処分を下し、さらには公表しているのであり、これは学生に対する悪質な嫌がらせ、人権侵害に他ならない。直ちに、処分の撤回および当該学生の人権恢復に向けて動くことを求める。