カテゴリー: 声明

  • 2015年8月4日に吉田寮自治会が京都大学当局に対して出した抗議声明文

    吉田寮自治会

    2015年7月28日、京都大学当局(理事・副学長会議)より吉田寮自治会に対し、文書「吉田寮の入寮者募集について」が、一方的に通知されました。これは、吉田寮の現居住者は現棟から退去すべきとして2015年秋季以降の入寮募集停止を要請するものでした。また翌日29日には、吉田寮自治会との何らの話し合いも合意形成もないままに、同通知内容が京都大学公式HP上に掲載されました。

    吉田寮自治会は大学当局による一方的な募集停止措置要請の文書通告、及びHP上での掲載に強く抗議し、以下のとおり表明します。

    1,吉田寮自治会は、今回の大学当局の通告を受け入れることは決して出来ない。

    2,大学当局は、文書通告の大学公式HP上での掲載を即時に撤回するべきである。

    3,大学当局は、文書通告を取り下げ、吉田寮自治会と吉田寮現棟の老朽化対策について議論し合意形成をはかるための、団体交渉に応じるべきである。

    なお、吉田寮自治会は、2015年秋季の入寮募集を通常通り行う予定である。

    以下、理由を説明します。

    ◯ 募集停止措置は自治会の入退寮選考権を侵害する行為である。

    そもそも、吉田寮の入退寮選考権は歴史的に吉田寮自治会が担っています。寮生という当事者自らが入寮選考を行うのは、大学の審査にみられる実態に沿わない画一的な基準に基づく選別や排除を避けて、より入寮希望者の個別の事情に配慮した柔軟な選考が出来るからです。また大学当局が入退寮選考権を持つと、大学当局から不当な圧力を受けた者は寮に住めなくなる可能性が高まります。

    自治会が入寮選考権を持つことは、大学当局との間でも合意されていることです。今回のような大学当局による一方的な入寮募集停止の「通告」とHP掲載による既定路線化は、自治会のもつ入退寮選考権を剥奪しようとする行為であるといえます。

     文書による一方的通告とHP掲載による既定路線化は、当事者との合意形成プロセスを軽視している。

    元来吉田寮自治会は京都大学当局と、団体交渉というやり方で問題解決をはかってきました。「吉田寮の運営について一方的に決定せず、自治会と話し合い合意のもとに決する」ことは、吉田寮自治会と京都大学当局との「確約(※1)」の第1項目により保証されています。今回の京都大学当局の一方的な通告は、当事者である自治会との合意形成を無視するものであり、決して許容することは出来ません。

    大学当局は「通告は「提案」に過ぎず決定ではない」と主張しています。しかし大学がこのような「通告」をHPに掲載すれば、募集停止「通告」が既定路線化することは明らかです。自治会と議論し合意を目指す意思があるならば、まずは直ちに「通告」の公開を取り下げるべきです。

     募集停止は学生の福利厚生の縮小である。

    吉田寮の寮費が低廉なのは吉田寮が京都大学の福利厚生施設であるためです。福利厚生施設としての学生寮は、京都大学で学ぶ学生の経済負担の軽減を主な目的とする施設です。現状、京都大学の学寮に十分なキャパシティはなく、この事実は京都大学当局も認めています。また、京都大学にある全ての留学生寮(「国際交流会館」)は吉田寮に比べ格段に高い寮費になっています。こうした現状があるからこそ、私たちはこれまで入寮募集を続け吉田寮に住み続けてきたのです。そして、経済事情の悪化や授業料の高騰がある中で、今後とも吉田寮が提供する福利厚生を必要とする学生がいなくなることはありません。今回の入寮募集停止通告はこうした事情を顧みない、一方的な福利厚生の縮小でもあります。

     安全性を考えるならば大学当局は入寮募集停止措置を通告するのではなく、自治会の要求に応え、速やかに補修に向けた議論を行うべきである。

    京都大学当局は入寮募集停止と現棟からの住人退去について、寮生の生命・安全を確保するためであると説明しています。しかし、自治会が長年現棟の老朽化対策を訴えてきたにも関わらず補修がなされていないのは、京都大学当局の都合によるものです。私たちは建物を一度に補修するのではなく、耐震強度が低い箇所から、部分的に補修するという提案もしてきました。実際2007年には補修工事(当局の予算の都合により実行されませんでしたが)に向けて寮の3分の1を空けるといった柔軟な対応もしています。これは入寮募集を続けながら実行されたことです。

    加えて吉田寮自治会は既に2012年9月の段階で「吉田寮の建築的意義を出来うる限り損なわない補修の実現に向けて継続協議する」旨の確約を大学当局と締結し、2013年1月には「京都市歴史的建造物の保存及び活用に関する条例」を適用して現在の寮の様態を維持しながら耐震強度を上げる補修方法を提案しています。しかし、大学当局は2015年4月以降現棟補修に関する団体交渉に一度も応じていません。

    真に学生の安全を守るのであれば、入寮募集停止措置を講じ現棟からの退去を一方的に通告して議論を長期化させるような混乱を招くのではなく、現棟補修を速やかに実現するための議論を、吉田寮自治会と行うべきです。

     入寮募集停止が廃寮化・管理寮(※2)化につながるのは歴史的事実である。

    また京都大学当局は、今回の入寮募集停止は「廃寮化を前提としたものではない」と主張しています。しかし、歴史認識に基づけば入寮募集停止が廃寮化・管理寮化に繋がる行為であるのは明らかです。かつて1980年代に吉田寮が廃寮寸前まで追い込まれた際も、大学当局はまず入寮募集停止措置をとることから廃寮化攻撃を始めました。1970年代以降、全国の数多くの学生寮(例えば東大の旧駒場寮や山形大学学寮など)が廃寮化・管理寮化の憂き目にあってきました。そのほとんどが入寮募集の停止から始まったという事実が有ります。こうした数々の歴史的事実を鑑みれば、今後京都大学当局が自治会の解散や吉田寮現棟の取り壊し・縮小などの形で廃寮化・管理寮化を進めることが強く危惧されます。大学当局が一方的な通告を撤回し、速やかに補修に向けた議論を再開しない限り、その懸念は払拭されません。

    ※1 確約とは、団体交渉で締結する文面化された約束である。吉田寮自治会が2015年2月12日に締結した確約は、吉田寮公式ホームページ(https://sites.google.com/site/yoshidadormitory/)に掲載している。

    ※2 管理寮とは、大学当局が運営・管理する寮である。多くの管理寮では、共有スペースの廃止や高額な寮費設定、厳しい寮への立ち入り制限等が行われている。

  • 2014年11月13日の警視庁による熊野寮の家宅捜索について

    2014年11月13日、警視庁による熊野寮の家宅捜索が強行された。不必要な機動隊員を従えての家宅捜索は極めて威圧的なものであり、現場では熊野寮生及び駆けつけた教職員・学生らが、捜査員および機動隊員に対して抗議した。吉田寮自治会は、暴力を背景にして抗議の声を黙殺するといった警視庁の姿勢を容認することはできない。

    また殺到した報道陣が生活空間でもある熊野寮を無断で撮影・公開したことは、熊野寮生をはじめ現場にいる人たちのプライバシーを著しく侵害する行為であった。そしてその報道内容は、熊野寮及び自治寮全体に対してネガティブな印象を与え、一方的な偏見を助長するものであった。吉田寮自治会は、このような報道のあり方を容認することはできない。

    2014年12月5日

    吉田寮自治会

  • 2014年11月4日の私服警察官による京都大学構内への無断立ち入りについて

    11月4日正午ごろ、京都府警・警備2課に所属する私服警察官らが京都大学構内に無断で立ち入った。私服警察官(以下、この人物をAとする)による無断立ち入りがその場に居合わせた学生らに明らかとなったため、学生らはAに対して抗議を行った。その後、杉万副学長をはじめとする大学職員を交えてAから話を聞いたが、氏名や所属は明らかにしたものの無断立ち入りの目的については黙秘した。その間、京都府警が東山一条の交差点から西に機動隊の車両を展開するなど恫喝とも呼べる示威行動に出た。同日午後4時頃、杉万副学長・学生・教職員らの立ち会いのもとAは学外に退出した。同日午後9時前、杉万副学長は、「本日、警察官が無断で大学構内に立ち入ったことが分かった。事前通告なしに警察官が構内に立ち入ることは誠に遺憾」とのコメントを発表した。吉田寮自治会は、私服警察官による京都大学構内への無断立ち入りについて、大学の自治を脅かす極めて不当な行為であるとかんがえる。同月13日、京都府警は4日の無断立ち入りに関して「正当な職務執行であった」などとする見解を明らかにした。しかしながら、このような京都府警の見解は、単なる居直りの強弁で正当性を著しく欠いており、ゆるされるものではない。吉田寮自治会は、京都府警に対し、「正当な職務執行であった」などとする見解を取り下げ、今後このような行為をけっして繰り返さぬことを要求する。

    2014年12月5日

    吉田寮自治会