文責:dim
カテゴリー: 2021紹介パンフ
-

学生の声を聞かないという愚は京大だけじゃない!(一橋大学中和寮より)
文責:仲路由子と中和寅次郎
2020年は新型コロナウィルスによる影響が各所でみられた。それは大学界でも例外ではなかったであろう。そのひとつとして大学での生活を送ることに不自由さが生じたり、コロナの影響による経済的不安などの声があがっていたりしたことは比較的多くのものに知れ渡ったであろうと推測する。だが、こうした問題は、そもそも本邦における高等教育に対する政策・制度が脆弱あるいは改悪されていったことに端を発するといえよう。コロナウィルスによってこうした問題が生じたというよりは、むしろそれによって顕在化したというほうがふさわしい。ただでさえ教育という場に関しては、高い壁が設けられていた本邦であるが、この一年間はそれを強く認識させられるものであった。
以下に紹介するのはここ近年の一橋大学での動きである。ここ数年、一橋大学ではさまざまな問題が起きていた。紙幅の都合で、詳細を記述することを省くが、一連の問題の最も根たる点を指摘するのであれば、それは大学における意思決定のプロセスに大学の構成員たる学生および教職員の声が排除されていたことにある。詳細については全国大学院生協議会のHPに連載された「シリーズ 一橋大学から見る近年の大学諸問題」(https://www.zeninkyo.org/archives/category/report/)を参照していただくとして、ここではダイジェスト的に一部を紹介しよう。
ここ数年で起きたこととしては寮費値上げの問題と授業料値上げの問題がある。前者は2018年に一橋大学の一部の寮で次年度入学者の寄宿費がこれまでの金額より4~5倍値上がることが一方的に通達されたことを指す。後者は2019年に起きたことで、2020年度以降の学部入学者の授業料が535,800円から642,960円まで引き上げられることが一方的に通達されたことを指す。どちらも反対運動が展開され、大学当局に再三の会合開催を求めたがどれも一度とて聞き入れられることはなかった。つまり学内構成員の声を聞かないという選択を大学当局は採ったのである。
そもそもこのような状態は2015年以降より見受けられた。その前年2014年に学長・副学長が変わり蓼沼学長―沼上教育・学生担当副学長体制がスタートした。それ以前は副学長と学部自治会・院生自治会などとの間で定期的な会合が開かれており、そこで学生側は意見を届けることができた。しかし前述の体制となってからは、多忙を理由に会合開催の要望に応じないという態度を採ることで、学内の意思決定に関して学生側の声が反映されないという状態となってしまった。繰り返すように、その詳細は上記URLを参照していただくとして、ここでは省略するが、2015年から2020年までで一橋で過ごしたものは年々縮小していく支援制度や一方的な通達に苦しむこととなった。
しかし2019年10月、当時学長であった蓼沼氏が突然、任期満了以前の2020年8月に辞任すると発表した。これにより、新学長は2020年9月から任期を開始し、学長決定が3月末となることが判明した。新学長候補には上述の沼上氏も含まれていた。学生側としてはここで沼上氏が学長に就任することを阻止しなければならないと考え、学生参考投票を実施し、沼上氏が学長として就任するのにふさわしくないという結果を提示し、学内世論の喚起を促した。その後教職員の意向投票や学長選考会議を経て、新学長となるのは、比較的学内の声を聞いてくれるであろうという期待がもたれた中野氏となった。この結果はここ数年の体制に対するNOの声を反映するかのようであった。
しかし、こうして前体制が終焉し、新体制となったことを喜んでばかりではいられない。なぜなら新体制となってからもまだ学生との大学執行部との会合は開かれていないし、この一年のコロナをめぐる対応についても学生側の意見に応えているとは必ずしも言えないからである。さらに、2020年10月におきた中曽根の葬儀に際し、文科省は弔意を示すよう国立大に通達を出したが、残念なことに一橋はそれを受けて半旗を掲げてしまった。有志学生が抗議集会を開いたが、こうした決定を事前通告もなく行っていたことにも現執行部に対し懐疑の目を向けざるを得ない。 By仲路由子
~おわりに~
一橋大学中和寮は大学院生の自治寮である。人文系の大学院生が100人ほど住み、そのうちおよそ半数が博士課程(アラサーですが何か?)である学生寮は全国的に見ても稀だろう。大学院生はそれなりに長い間大学にいるから近年の大学の変化を肌で感じてきた。正直、私が大学に入学した2011年はもっと一橋にも自由があったように覚えている。副学長選挙の時は大々的に学生の投票所があったし、2012年に一橋祭が禁酒と決定されたときは学生側の反対署名運動が盛り上がった。当時の寮自治会の資料など見ても、当局との交渉がまだそれなりに維持されており、もはや隔世の感を抱く。いつから大学に物申してもどうせ受けあってくれないという諦念を抱くようになってしまったのだろう。もちろん否をつきつけるべきときは迷わず反対の声を上げ続けていくことだろう。だが、どうせこの声は届かない――そんな諦めに似た気持ちを抱きながら行動を起こしていくのも、それなりに辛い。当局の言い分には唯々諾々と従わねばならない――そんな服従の命題が私たちの内面を蝕んでいないか。本稿で述べられているような近年の一橋の様々な運動のほとんどが大学院生によって担われていることにも私は危惧を持つ。これから入学する学部生には一人でも多く内面を蝕まれてほしくないと祈るばかりだ。そしてそれは他でもなく私たち自身にも向けられている抵抗の言葉でもある。 By中和寅次郎@中和月報もよろしくね(https://5f0530d0109f6.site123.me/)
-

ラーメン評伝:吉田寮・熊野寮付近
文責:右神秀辛(熊野寮在住、吉田寮の方が好き・25歳)
右神は大変困っていた。締め切りをオーバーし、パンフ編集掛に急き立てられた挙句、会議の場でそれを暗に追及されていた。しかし、モチベーションが起きない。日々、勉強と仕事とに追われて時間が無く、そんな寸暇を惜しんで読書に励み、結果としてパンフ記事を書くのをおろそかにした。ただし、会議で暗に言われては書かないわけにはいかず。そこで右神はラーメン屋の評価について書くことにした。
ここに載せるのは右神が今まで行ったラーメン屋についてのレビューである。今回は将来吉田寮・熊野寮に住むであろう、これを読む受験生に向け、吉田寮・熊野寮周辺のラーメン屋を紹介する。熊野寮の入寮パンフにも同名の記事があるが、ここでは吉田寮周辺のラーメン屋についても書いた、書き下ろしである。なので、熊野寮の入寮パンフもどうぞ。
まぁ、あくまで「それってあなたの感想ですよね」なので軽い気持ちで見てほしい。異論は認めない。それでは、どうぞ。
◇熊野編
①第一旭 熊野店
☆☆☆★★
味はオーソドックスな醤油をはじめ、いくつか種類がある。学生証を提示するだけで、なんと学割ラーメンという500円のラーメンを食べることができるので、ぜひお金がないときは行ってもらいたい。
②濃厚麺 楽楽楽
☆☆☆☆☆
濃厚なとんこつ醤油ラーメンが食べられる。とんこつラーメンはいくらか見かけるが、とんこつ醤油ラーメン、殊にここまでこってりなのは京大付近ではそうそう無い。
③からこ
☆★★★★
ラーメンもなぜかメニューにある唐揚げ屋さん。唐揚げは大きく、衣もカリカリで、噛めば肉汁あふれて美味しい。だけどラーメンは…… “味を感じない”のだ。食い逃げメニューという食べ放題かつ無料の副菜は一応美味い。夜に学生5人がラーメンを食べると唐揚げが無料で付いてくる。
◇吉田編
④総代 麺家 あくた川
☆☆☆★★
いわゆる「家系ラーメン」の京大支部。クリーミーながらもコクのあるスープに麺が絡み、これがお替り無料のご飯に合う。バンバン頼んでほしい。あと、ランク制度があり、それが高いとサービスもしてもらえる。
⑤キラメキJAPAN
☆☆☆☆★
京都各地において展開されている台湾まぜそばの店「キラメキグループ」の一つ。途中で調味料を加えてアレンジしたり、最後の〆として少量のご飯を入れて食べてみてほしい。
⑥伝丸 百万遍店
☆★★★★
京大付近では珍しく、味噌ラーメンを食べることができる店。だが、麺はブヨブヨ、まるでゴム!!食えたものではない。あと野菜はあまり味がしない。比較的コスパが悪いので行くなら別の店に行く。
いかがだったろうか。他にもラーメン屋は寮の周辺にある。是非自分で行ってみるか、先輩に頼み込んで連れてってもらうかして舌を肥やしてください。それでは皆さん、吉田寮・熊野寮に入寮して、多くのラーメンを食してください。君たちの入寮を楽しみにしています。
P.S.
18きっぷを使った旅、面白いよ
あと熊野寮にも記事があるので、そっちも4649!
-

『重度障害者』の介護に入っていただけませんか?
私は京都市のある地域で一人暮らしをしている、“重度の身体障害者”です。
進行性筋ジストロフィー、という身体中の筋肉が動かなくなる難病のため身動きに重い障害があり、車イスでの移動など日常生活のあらゆる動作に介護が必要です。健常者の介護が無ければ食事も排泄もままならず、人としての日常生活が送れません。
介護の主な内容を挙げますと、
1、車椅子で出かける時の“外出介護”
2、食事介助や排泄時での“日常介護”
3、夜から朝の“泊まり介護”
などです。
私はこれらの介護を大学生・社会人を問わず、様々な立場の人たちに介護に入ってもらいながら日常生活を十数年送り続けています。とくに京大生の介護者との関わりは長く、介護を通じて障害者と介護者の間でしか生まれ得ない、一風変わった人間関係を作ってきました。
『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(映画 2018年)
という、私と同じ筋ジストロフィーの人の自立生活をモデルにした作品がありますが、私の生活も多少の差こそあれ、その映画で描かれている内容に近いものです。
ただ、ここ数年、介護に入ってくれる学生さんが少なくなっており、非常に危機感を持ってこのお願いを伝えています。
新入生の皆さん、どうか私に力を貸してもらえないでしょうか?
☆ 湯口 真(ゆぐち まこと)☆
☆ 連絡先:090-5362-4045 ☆※はじめは、既に介護に入っている寮生の人と一緒に、実際の介護の様子を見てもらうだけでも大歓迎です。よろしくお願いします。
2021年春
-

介護者募集
文責: gkm
以下では、私がなぜ介護をはじめたのか、介護に関わらせていただきながら何を考えているのかについて書きたいと思います。時間がなければ、ここは読み飛ばして、湯口さんの文章を読んでください。
私は、2017年1月から、湯口さんの介護をさせてもらっています。
寝る(起きる)ための体位を取るのを手助けしたり、食事を準備したり、車いすに移乗して一緒に買い物に行ったり、トイレに行ったり、おむつの交換を手伝ったり、一緒にテレビを観たりと、日常の様々なことに介護者という立場から関わっています。
介護のなかで、自分自身の無神経さや無知に気づかされることもしばしばです。そして、この社会はいかに健常者中心に設計されているか、ということも考えます。私は、健常者としての特権を持って生きてきたゆえに、知らずにきたことがたくさんありました。
私が介護に携わるようになったきっかけは、2016年に起きた事件の後にありました。最近、公判が行われ、ニュースなどでも目にしたことがある方も多いかと思いますが、相模原の障碍者施設で、19名もの障碍者の命が植松聖という一人の人物によって殺されました。この事件のあと、サークルの先輩の誘いで、金満里さん(障害当事者で「劇団態変」というグループを立ち上げ、身体表現芸術で優生主義を問うてこられた方)の話を聞く機会があり、私は衝撃を受けました。金さんは、相模原の事件が起きたのは、今も社会が障碍者を見下す優生思想にどっぷり浸っているからだと喝破されました。施設を無条件で必要としているように、「いまだに社会は障碍者を脇に押しやる健常者中心的なものであり、日常的な介護でも感覚的に優生思想、健常者のペースでモノを考えて体を動かそうとする感覚や感性、価値観をとても感じる」とおっしゃっていたことを記憶しています。この話を聞いて、自分の中にも潜んでいる優生思想や自分の気づいていない健常者中心主義的な考え方・ふるまいに、実際に関わりながら向き合っていかなければならないと感じました。
少し話は広がりますが、私は、大学に入って、金さんや湯口さんとの出会いなども含めて、さまざまな出会い・経験のおかげで、自分の持つ特権について考えるようようになりました。健常者としての特権のみならず、男性特権、日本人という国籍を持つ特権、などなど、を享受してはじめて、今こういう場にいて考えたり学んだりする機会に恵まれているということを、私は大学に入ってやっと明確に認識・言語化できました。高校までの教育課程や入学試験を経て大学という場にいることは、本人の努力が一つの要因ではあることは否定できませんが、決してそれのみで実現したのではなく、むしろそれ以外の多くの与えられた環境・資源などがあってこそ、のものです。
そして、こうした自分の持つ特権について問われることもなく考えなくて済むことこそが、その特権性を証明しています。私は、駅や町中の段差の多さにうんざりしたり、介護者がいる時間に便をもよおすように睡眠や食生活を考えたり、泊まるホテルのトイレの仕様を事前に入念に確認したり、といったことせずに済んできたことを介護に携わりながら学びました。とことん社会は健常者中心に(そして、そのようなマジョリティ中心に)設計されていて、そのような制度の中で抑圧は不可視化されたりなかったことにされたりしたままです。それは、競争を煽られ負けたら、能力が足りない、努力が足りない、自己責任だ、と片付けられる息苦しい社会と一体です。
金さんの講演を聞いた後、知り合いのつてで、湯口さんの介護に入らせてもらうことになりました。介護に関わるなかで考えることは、まだまだ言語化できていないこともありますが、今では私にとって、なくてはならないものになっています。
この文章を読んでいるあなたも、ぜひ共に湯口さんの介護に関わりましょう。
あなたの大学生活が、良き出会い、経験、学びに恵まれることを心から祈っています。