年: 2021年

  • 吉田寮で見つけた、学生自治・学内民主主義の可能性

    吉田寮で見つけた、学生自治・学内民主主義の可能性

    文責:チョシウン(趙時恩)

     私は韓国の大学生です。現在は正規課程を修了し、フェミニズムを勉強したり、大学独立メディアの記者として学内外の問題を取材したりしています。2018年の9月からは、東京で1年間留学していました。

     吉田寮の問題を知ったのは、2018年の秋、東京の高円寺の再開発反対デモのコンパで吉田寮生と出会ったのがきっかけでした。その後、ネットで情報を調べて、12月に京大で集会が開催されることを知りました。「踊らされるな、自分で踊れ」という表現に強く惹かれたのを今も覚えています。集会に参加したいという旨のメールを吉田寮自治会に送ったら、快く受け入れてもらえたのが嬉しかったです。当日は、当時私が居住していた一橋大学の国際学生宿舎の寮費値上げ問題について発言させていただくこともできました。集会をきっかけに、翌年3月行われた学寮交流会に参加し、7月の第一回目の口頭弁論を傍聴したりもしました。帰国してからは吉田寮自治会が主催する裁判のオンライン報告会に何回か参加しています。

     留学先の修了式でも、韓国に帰国してからも、吉田寮が直面した問題についてレポートやプレゼン発表などの形で紹介する機会が何回かありました。吉田寮生との交流や吉田寮の取り組みを観察することは、自分にとって楽しい時間でもありましたが、一方、「どうして学生自治は必要なのか」「どうして吉田寮は廃止されてはいけないのか」という問いについて、その当為性をどう伝えていったらいいのか、悩まされる時間でもありました。

     現在、私が考える、若者にとっての「学生自治」「学内民主主義」の必要性は二つです。まず、学生自治に参加することで「自分を取り巻く状況―社会のメカニズムについて把握」することができます。私にとって、吉田寮の問題について考察した経験は、かえって自分の共同体に所属感を感じるきっかけとなりました。韓国に帰国してから、学内の不条理な物事の様がより鮮明に見えてきました。学校本部の勝手な学科の統・廃合、非対面授業の実施による学費返還問題、性暴力の加害教授が長期勤続を理由に褒賞されるなど、学生と対話せず、学校の独断的な行政だけで造られてきた大学社会がどれだけ荒廃なのか、思い知りました。こんなことを平然とする大学本部がいやにもなりましたが、訴えるための調査を進めていくうち、自分の属する共同体を変化させたいと思う気持ちは、共同体への愛着にも繋がるということに気づきました。実際このうちいくつかの事案は、学生達が団体行動した結果、変わったこともありました。この状況を変えたいと思うかどうかは自分次第ですが、少なくとも、自分のいる社会の枠組みを理解してから、社会の在り方について考えることができます。学生自治・学内民主主義はその第一歩だと思います。

     二つ目は、「政治的な想像力を育て、組織作り・連帯の仕方を学べる」ということです。学校に抗議したり訴えても、問題が解決されるわけではないです。むしろ、全く聞いてもらえない場合が多いです。その中で学生自治を貫こうとすることは、一種の「社会運動」となります。多くの社会運動は展開過程で、失敗したり、消滅しました。それは社会の権力関係の構造の中で行き詰ったり、内部の問題を解決できず自滅したり、社会の変化につれ自然に収まっていったり、様々な原因があると思います。自分としては絶対そうなってほしくないですが、吉田寮もそのうち一つになるかもしれないと思ったときもあります。

     しかし、「失敗からようやく見えるもの」があると、私は思います。自治活動や社会運動の経験は、私たちに次の行動のための力を養う土台となります。自分にまつわる問題について声をあげていくためには、社会の構造を分析し、解明していく必要があります。それに基づき、向こう側を説得するため、いろんな言説を考察し、戦略を工夫します。また、内部で発生する問題に向き合う過程で、自分の中の矛盾を認め、解消に向けた努力を怠けないため、自分を鍛えようとします。つまり、学生自治とは、必死に他人とコミュニケーションする作業の繰り返しです。その過程での対立や葛藤はごく自然なものであり、むしろ当該過程を通じて「現状をどう改善できるか」に対する政治的想像力が養えます。また、自分の想像を実践に移すための方法―組織化と連帯―を工夫するようになります。

     韓国では今、各大学の生徒会のネットワークを中心に、生徒会が法的な地位を獲得し、大学運営に参加できる権限をより確実に保障してもらうための論議が始まっています。パンデミック以降、学生を単なる大学が提供する教育サービスの「消費者」として捉えることに違和感を覚える学生たちが増えてきました。学校や政府は今まで学生を学校運営の主体として認めませんでしたが、今後の動向に注目したいと思っています。

     今後も私たちは何らかの形で社会の差別や抑圧に抵抗し、社会運動に関わっていくと思います。私は、京大の学生でも、吉田寮生でもありませんが、同じ問題意識を共有する人として、吉田寮の存続を強く願っており、今後も吉田寮に連帯していきたいと思います。

  • 入寮を考えている方へ

    入寮を考えている方へ

    文責:朴沙羅(2004年入寮)

  • ぼくたちは仕事ができない

    ぼくたちは仕事ができない

    文責:バライアン・アンソニー

    ぼくたちは仕事ができない

    皆さん、こんにちは。皆さんは寮の仕事や会議なんかがもっと早く効率的に楽にできればいいな〜なんて考えたこと、ありますよね。少なくとも僕にはあります。ほんとはもっと大事な仕事にかからなくちゃいけないのにその手前の細々した作業でMPが削られてしまうんです。このパンフ作ってる人もおんなじ事考えてるはずです。

    そしてそんな悩みを抱えるアナタ、特にこのパンフ作ってるアナタのために、今日は細々とした作業の効率をUPしてくれるアプリやウェブサービスを紹介しに来ました。

    MarkdownとTypora

    寮内の会議の議事録やレジュメを作成する際にどの形式でつくるかって悩みますよね。"word"で作ればoffice買ってない人が苦しむし、かといってLibreOfficeはMacで激重。Googleドキュメントはかゆいとこに手が届かない。Latexは環境構築が面倒。なんかいい文書形式・ソフトないかな〜って人におすすめなのが、このMarkdown(文書形式)とTypora(ソフト)なんです。

    Markdownとは、プレーンテキスト(いわゆる素のテキストデータ)からhtmlを生成するために作られた軽量マークアップ言語です。

    htmlってじつは結構書くのがめんどくさくて、例えば文中の文字を太字にしたいときは<strong>こんな風に両側をタグで囲んでやる</strong>必要があるんです。一事が万事こんな感じなので、ちょっとした文書をhtmlで書きたいときのストレスはかなりのものでしょう。そこで、Markdownの出番と言うわけです。

    Markdownはその文法の簡潔さと軽量さから多くのユーザの支持を得ています。githubはMarkdown記法に対応しているので、近頃のオープンソースのプロジェクトのREADMEの多くはMarkdown形式です。例:LibreOffice numpy

    Markdown記法の一例を以下に示します。

    ##### Markdown記法の一例
    > これは引用です
    **強調**
    -リスト1
    -リスト2
    1.番号つきリスト1
    1.番号つきリスト2
    1.番号つきリスト3
    [Markdown記法 サンプル集](https://qiita.com/tbpgr/items/989c6badefff69377da7)
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    #####Markdown記法の一例

    これは引用です

    強調

    • リスト1
    • リスト2
    1. 番号つきリスト1
    2. 番号つきリスト2
    3. 番号つきリスト3

    はMarkdown記法 サンプル集


    今まで見てきたように、Markdown記法はプレーンテキストによって文書構造を表すことができます。docxやobt形式のファイルでは受け取り手がWordやらLibreOfficeを保有している必要がありましたが、Markdownは基本的にプレーンテキストですのでファイルをメLibreOfficeモ帳で開いても十分に可読性が保持されています。更に簡潔なファイル形式はMarkdownファイルの再利用を促進します。pandocによってMarkdownは様々なファイル形式に変更可能です。htmlやpdfはもちろんのことdocxやodt、latex形式にすることまでできます。今まで見てきたように、Markdown記法はプレーンテキストによって文書構造を表すことができます。docxやobt形式のファイルでは受け取り手がWordやらLibreOfficeを保有している必要がありましたが、Markdownは基本的にプレーンテキストですのでファイルをメモ帳で開いても十分に可読性が保持されています。更に簡潔なファイル形式はMarkdownファイルの再利用を促進します。pandocによってMarkdownは様々なファイル形式に変更可能です。htmlやpdfはもちろんのことdocxやodt、latex形式にすることまでできます。

    Typoraとは、Markdownで文書を書くのに特化したテキストエディターです。この原稿ももちろんMarkdown+Typoraによって書かれています。Typoraの優れている点は、文章を書き込んでいる最中に自動でMarkdown記法を解釈してくれるところです。この太字も最後の*を書き込むとともに太字になりました。プロプライエタリなソフトウェアで将来的に有料化するという情報もあり、少し懸念はあるもののTyporaは現状Markdownで文章を書く際のベストチョイスだと私は思います。

    さらにMarkdownの世界は広がります。議事録をメーリスに流す際に一々ファイルを開かなければ中身が確認できないのはなんとも不便です。ほんとは本文から議事録が読めればよいのです。

    そんなときにおすすめなのがMarkdown Hereです。

    このMarkdown Here、Chrome, Firefox, Safari, そして Thunderbirdに対応している拡張機能で、gmailやEvernote上でMarkdown記法で書いた文章をCtrl+Alt+Mキーで一発変換してくれるスグレモノです。これを使えばTyporaで書いた議事録をそのままコピペして変換することができます。

    OBSでビデオレター

    ぜんたい、仕事のやり方を説明するのには手間と時間がかかります。だから引き継ぎは行われなくなりがちであるし、そうだからこそ、しっかりと引き継ぎをやるということが大事なのです。なのですが、作業手順をいちいち文字に書き起こし、画像を用意して説明するのはめんどくさいです。特にここで紹介しているようなwebサービスやアプリケーションなんかの使い方はなかなか文章では伝わりません。それならば、作業している画面をそのまま録画するのはどうでしょうか。編集の手間を省くために口頭で説明しながら動画を撮れればより便利ですね。

    そんなアナタの欲望を解決するのがこのOBS(Open Broadcaster Software)です。使い方は簡単。まずソフト本体を起動して、下のパネルから使いたいソースを選びます。個々のアプリケーションの画面を撮りたい場合は「画面キャプチャ」を選んでやればよいでしょう。音声ミキサーでマイクの調整をして、「録画開始」ボタンを押してやれば、録画が開始されます。録画を一通り終えたならば、この「録画停止」ボタンを押します。このときに、予め設定しておいたフォルダに録画データが保存されます。どれ、一つ見てみましょうか…

    こんな具合にテキストでは表現できない内容ってありますよね。これを動画にすることによって簡単便利に表現することができます。そして、このOBS、youtuberがゲーム配信する時によく使用されるソフトでもありますので信頼性もバッチリ。

  • 吉田寮生活を思い返してのアレヤコレヤ

    吉田寮生活を思い返してのアレヤコレヤ

    文責:元寮生 小坂純一 (1999 年入寮/気象予報士/@kosajun1)

  • ここではない何処かへ

    ここではない何処かへ

    文責:見習い修行僧

  • 俺だったらここで敬語使わないけど、まあ場況によるかな。

    俺だったらここで敬語使わないけど、まあ場況によるかな。

    文責 tk

    吉田寮は敬語を推奨しない。

    …という不文律があります。文字通り、寮の住人は、自らの年齢、又は入寮年度からくる、いわゆる上下関係からはなれて、普通体(つまりタメ口)の日本語で会話することが一般的です。寮内言論の支柱たるこの文化は、そもそも何処に源流を求められるのでしょうか?

    一説には、遡って五、六十年前、学生運動が一世を風靡した時代、議論の一層の自由闊達を、という要請に由来すると言われています。そしてこの文化が、遂には私たちの代にまで連綿と受け継がれてきたという訳です(諸説アリ)。ですから、敬語非推奨の文化は、学生運動の文脈と不可分の結び付きを示しています。敬語によって紡ぎ出される、人聞模様の濃淡の妙を軽規している、という弊害も考えうるでしょう。しかし、先人の試行錯誤がこのようなかたちで結実して、その断片未だにこうして保存されているのは、寮の人々がこの文化に価値を認めてきた証左ですし、更には、学生運動のみならず、私たちの話す言葉、延いては、それを用いた人との関係づくりを考える上で、純に興味深い事実だといえませんか?

    これについての評価と運用は、当然側人の判断に譲るとして、その潮流にひとたび飛び込めば、あなたの寮生活に、他所では味わい難いみずみずしさを与えることでしょう。

    敬語非推奨についての梗概は以上です。以下に、この文化に対して、私見をまじえての利点をひとつ、述べさせて頂きたいと思います。

    さて、文責者は、学部を強くてニューゲームしました。つまるところ、別の大学の学部を一旦卒業した後、今度は京大の学部に転生入学してきました。赤っ恥なこの経歴は、入学前の私を心胆寒からしめていました。そう、「俺は間連いなくうく」という確信です。果たして、私の経歴は、ういていたのでした。しかしながら、私がこの一年で結んだ多くの友誼は、ひとりよがりながらも、 なかなかフラットなものだったと思うのです。そして、このみずみずしい一年を私に約束したのは、敬語非推奨が醸成した寮のムードのおかげかなあ、とも思うのです。下に、ひとつの格言を載せます。

    君子曰、「所詮敬語、而敬語。」

    (出典:坂語)

    四月も色々な人たちが来るでしょう。学部、院を問わず、現役生、一浪、あるいは私のような転生者も。この駄文に目を留めてくださったあなたに朗報です。気まずい気分に絶対にならないとは断定できないけれど、結構なかなか対等な関係を築けるじゃん!と思えるような空気がここには満ち溢れています。

    新入寮生にとって、最初の一ヶ月は特に、共同生活をおくる実感をひしと感じるでしょう。様々な属性をもつ人が集う雑多な群れをぬるっと包摂し、とうとうアマルガムに昇華せしめる道具として、あなたは敬語非推奨の威力をまず目の当たりにするでしょうし、やがては寮全体へ、道具の応用を始めるでしょう。

    「所詮馴れ合い。」と等閑に付すことも可能でしょうが、住まず嫌いはやめて、とりあえず体験入寮してみては?いろいろおもしろいですよ。敬語をつかわないのは。

  • 菜園のすすめ

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    文責:山下まひろ

  • 団体交渉について

    団体交渉について

    文責:京都大学人文科学研究所准教授 藤原辰史